会社の住所やお店の所在地などについて説明する時に、「都心にあります」という表現を聞くことがあります。しかし、実は「どこからどこまでが都心なのか把握できていない」という人は決して少なくありません。
本記事では、都心の意味や定義などをわかりやすく解説します。また、都内地区の代表的な分類の仕方や、あわせて知っておきたい立地用語なども紹介しますので、参考にしてみてください。
都心の意味や定義
まずは、「都心」という言葉の意味や定義を確認してみましょう。
「都心」とは、大都市の中心部で中枢機能が集まっている地区のことを指しています。 都心部には官公庁街やビジネス街、繁華街などがあり、昼間の人口や交通量などが多い点も大きな特徴です。
■東京では丸の内や銀座などのオフィス街を指す
東京における都心の具体的なエリアは、丸の内や霞ヶ関、大手町、永田町、銀座、東京駅周辺などとされています。
一般的に、いわゆる「オフィス街」といわれているところが都心であると考えるとわかりやすいでしょう。
また、「都心3区」と呼ばれている千代田区、港区、中央区のことを都心と呼ぶ考え方も広く知られています。
■大阪や福岡にも都心はある
都心は、「都」という字がつくため東京にしかないと思われがちですが、「大都市の中心部」を指す言葉のため、大阪や福岡などの中心部も都心と表現することができます。
例えば、大阪であれば百貨店やオフィス街などが集まる「梅田」(キタエリア)、大阪を代表する商店街がある「心斎橋」(ミナミエリア)などが都心であるといえるでしょう。
また、福岡だと広大な地下街や商業施設がある「天神エリア」と「博多駅エリア」が街の中心部として知られています。
東京における都心の分類の仕方
前述した通り、首都東京における都心は、基本的に丸の内や霞ヶ関などの「オフィス街」を指しています。
しかし、都心には明確な定義がないため業界やメディアによって定めている都心の範囲が違う場合も多く、実際はいくつかの異なった分類方法が存在しています。
ここからは東京における都心の代表的な分類方法を紹介しますので、参考にしてみてください。
■都心を区で分ける方法
東京には23の区があり、それぞれの区を都心とそれ以外に分ける時に使われるのが「都心3区」や「都心5区」といった分類方法となります。
下記に一般的な区分けの仕方をまとめましたので、確認してみてください。
都心3区 | 千代田区、中央区、港区 |
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都心5区(1) | 千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区 |
都心5区(2) | 千代田区、中央区、港区、台東区、文京区 |
都心6区(1) | 千代田区、中央区、港区、新宿区、文京区、台東区 |
都心6区(2) | 千代田区、中央区、港区、新宿区、文京区、渋谷区 |
都心8区(1) | 千代田区、中央区、港区、新宿区、文京区、渋谷区、台東区、豊島区 |
都心8区(2) | 千代田区、中央区、港区、新宿区、文京区、渋谷区、品川区、目黒区 |
都心10区 | 千代田区、中央区、港区、新宿区、文京区、渋谷区、台東区、豊島区、墨田区、江東区 |
あくまで一例とはなりますが、よく見る分類の仕方なので覚えておきましょう。
■都心をエリアで分ける方法
都心とそれ以外の地区を分類する方法として、東京23区を大きく5つのエリアに分ける方法も用いられています。
それぞれのエリアは「都心・副都心」、「城東」、「城西」、「城南」、「城北」と呼ばれており、不動産情報サイトや飲食店の評価サイトなどでも見る機会がある分類の仕方です。
都心・副都心 | 都心:千代田区、中央区、港区 副都心:新宿区、文京区、渋谷区、豊島区 |
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城東 | 台東区、墨田区、荒川区、足立区、葛飾区、江東区、江戸川区 |
城西 | 世田谷区、中野区、杉並区、練馬区 |
城南 | 品川区、大田区、目黒区 |
城北 | 北区、板橋区 |
都心とあわせて覚えておきたい立地用語
日常生活の中で「都心」が話題となる場面では、他の都内近郊の立地用語をあわせて使うことも決して少なくはありません。
実際、「副都心」や「核都市」などの語句を見聞きしたことがあるという人は多いでしょう。
ここからは、都心と共に使用する機会が多い立地用語をくわしく解説します。
■副都心
「副都心」は、都心の機能を分散させる役割を担っている地区です。
1958年に渋谷、新宿、池袋の3地区が副都心と位置付けられましたが、1980年代に再定義され、現在では山手線沿線の大崎、東京下町の上野・浅草、錦糸町・亀戸や臨海地区なども副都心に含まれています。
該当地区には百貨店や駅ビルなどの商業施設が多く、若者や単身世帯に人気が高い点が大きな特徴です。
■新都心
「新都心」は、東京都近県で首都機能の一翼を担う都市のことを指します。
さいたま市の「さいたま新都心」や千葉市の「幕張新都心」、横浜市の「横浜みなとみらい21」などの地区がこれにあたり、交通の便がよく都市としての価値も高いことから近年注目されているエリアです。
■新拠点
「新拠点」は品川、秋葉原、羽田の3地区のことで、副都心に準ずる地域とされています。経済・商業などの多様な機能を備えた街として再開発が進められており、交通の要衝でもあります。
■核都市
「核都市」は東京圏の過密問題の解決を図るために指定された都市です。八王子や立川、町田、多摩ニュータウン、青梅などがこれにあたり、業務機能を柱として、研究施設や会議場施設、流通業務施設、教養文化施設など11施設が整備された中核的都市になります。
交通ターミナルなどの暮らしに便利な機能が備わっている点が大きな特徴で、より「住む」という観点にフォーカスしているエリアが多い印象です。
都心の英語表現
海外の取引先に「自社オフィスが都心にある」と説明したり、海外の人から「都心に住んでいる」といわれたりする機会は決して少なくありません。
英語で「都心」は、アメリカやカナダでよく使われ「繁華街」という意味を持つ「downtown」や、「city center」、「CBD」(「central business district」の略語)などが代表的な表現となっています。
また、「○○(地名)都心」という意味になる「the heart of ~ (地名)」も使い勝手のいいフレーズです。
ここからはこれらの単語や語句を使った例文をいくつか紹介しますので、用法や使用シーンなどを確認しておきましょう。
■例文
My office is located in the downtown of Osaka
(オフィスは大阪の都心に位置しています)There are a lot of benefits of living in the city center
(都心に住む利点はたくさんあります)Although the cost of living is high, living in CBD is really convenient
(生活費は高いですが、都心に住むのは本当に便利です)Do you live in the heart of Tokyo or in the suburbs?
(東京都心か郊外どちらに住んでいますか)
都心の定義や分類方法を正しく理解しよう
都心とは、大都市の中心部で中枢機能が集まっている地区のことであり、東京だけではなく大阪や福岡などの都市にも使える言葉です。
東京では一般的に「オフィス街」といわれている丸の内や銀座などを指し、都心とそれ以外は区によって分けられたり、エリアによって分けられたりすることが多いです。
会社の住所やお店の場所などを伝える時に誤解を生まないためにも、基本的な定義や分類方法を頭に入れておくことをおすすめします。
関連する立地用語や英語表現などもあわせて覚えておき、都心について正しく話せるようにしておきましょう。