仮面ライダー誕生50年、スーパー戦隊45作を記念したダブルアニバーサリー映画『セイバー+ゼンカイジャー スーパーヒーロー戦記』をより楽しむことのできる「副音声ボイスドラマ」および「副音声コメンタリー」が、2021年8月7日よりスタートしている。実施に先がけ、2つの「副音声」を聞きながら、改めて『スーパーヒーロー戦記』の試写を観てみた。
「副音声ボイスドラマ」および「副音声コメンタリー」は、無料アプリ「HELLO!MOVIE」を事前にダウンロードしたスマートフォンを用いて、上映されている映画に連動して音声を聴くことのできるサービスである。劇場内で「HELLO!MOVIE」を起動すると、自動で映画の音を認識し、ぴったりのタイミングで音声が再生される。上映中に電源を切っても画面と音声はずっと連動したままで、違和感なくスムーズに楽しむことができた。
「イマジンが活躍!? 副音声ボイスドラマ」
まず初めに「イマジン&キカイノイド戦記」をご紹介。この副音声では、本作『スーパーヒーロー戦記』でも大活躍を見せる『仮面ライダー電王』(2007年)のイマジン……モモタロス(声:関俊彦)ウラタロス(演:遊佐浩二)キンタロス(演:てらそままさき)リュウタロス(演:鈴村健一)、『機界戦隊ゼンカイジャー』(2021年)のキカイノイド……ジュラン(声:浅沼晋太郎)、ガオーン(声:梶裕貴)、マジーヌ(声:宮本侑芽)、ブルーン(声:佐藤拓也)、さらに鳥型ロボットのセッちゃん(声:福圓美里)が登場。そして、映画には登場しないイマジンのデネブ(声:大塚芳忠)までも参戦し、超豪華声優陣によるドラマ仕立ての副音声となった。
シチュエーションとしては、『スーパーヒーロー戦記』でかつてない激闘を繰り広げたはずのイマジンやキカイノイドたちが、映画館で観客と同じ目線で映画を鑑賞しているような体験ができる……というもの。冒頭では、イマジンたちがイヤホンを着けている人間(副音声を聴いているみなさん)の頭の中で大騒ぎしているようすがコミカルに表現され、ワクワクさせてくれる。
やがてキカイノイドも会話に加わって、ボイスドラマが本格的に始まるのだが、イマジンもキカイノイドも“自由”に、画面を観ながらの率直な疑問を口に出したり、映画そっちのけで言い争いをしたり、大勢登場するスーパーヒーローたちを応援したりと、ファンの期待を裏切らないてんやわんやのボイスドラマが繰り広げられた。
冒頭から「侑斗~~!」というファンにはおなじみのデネブの名調子が聞こえてきて、映画には出てこないながら元気でやっているのかなと思いきや、映画のストーリー進行に合わせて、デネブが何やら危機を迎える?という気になる展開もあるので、ぜひ副音声ボイスドラマを映画の最初から最後までじっくりと聞いていてほしい。
イマジンが劇中の人物に憑依したというイメージで、アフレコしていたり、「わかる人にはわかるご本人ネタ」を入れてみるなど、映画の副音声というスタイルを活かした各キャラクター同士のやりとりは聴きごたえ満点。そして、映画そのものの観方もガラリと変わってしまうのが面白い。
イマジンもキカイノイドも、特に歯止めもなく好き放題話しているのだが、もっとも自由度が高かったのはセッちゃんだった。もともと『機界戦隊ゼンカイジャー』劇中では44のスーパー戦隊についての基礎情報から、センタイギアの活用法まで幅広く熟知しているセッちゃんだが、今回は『スーパーヒーロー戦記』の内情についてやたらと詳しく知っており、クリエイター側の情報まで入れ込んでの詳細かつナイスタイミングの解説が飛び出すので、こちらも注意深く聞いてみていただきたい。
「仮面ラジレンジャー出張版! 副音声コメンタリー」
続いて、「仮面ラジレンジャー出張版! 副音声コメンタリー」のほうをご紹介しよう。こちらは文化放送で毎週金曜日の深夜に放送されている人気ラジオ番組『鈴村健一・神谷浩史の仮面ラジレンジャー』とのコラボで、「東映公認 鈴村健一・神谷浩史の仮面ラジレンジャー 出張版~スーパーコメンタリー戦記」と題した副音声コメンタリーとなっている。
今回の映画『スーパーヒーロー戦記』にも、鈴村はリュウタロスの声、神谷は『宇宙戦隊キュウレンジャー』(2017年)のリュウコマンダー/ショウ・ロンポー司令の声と、2人そろって活躍していることもあり、『仮面ラジレンジャー』と『スーパーヒーロー戦記』はまさに相性ピッタリ。ここに、『仮面ライダーセイバー』(2020年)の仮面ライダーセイバー/神山飛羽真役・内藤秀一郎、『機界戦隊ゼンカイジャー』のゼンカイザー/五色田介人役・駒木根葵汰、映画のゲスト・石ノ森章太郎の少年時代を演じた鈴木福がそろい、撮影時の裏話、見どころなどを熱っぽく語り合っている。
幼いころから『仮面ライダー』『スーパー戦隊』両シリーズが大好きだという鈴木は、かなり濃厚なリスナーと共に番組を盛り立ててきた鈴村・神谷をもうならせるだけの情熱と知識を備えた、筋金入りの東映ヒーローマニアの面をこの副音声で発揮。コメントのごく一部を拾わせていただくと「テレビにはまだ登場していなかったセイバーの新フォーム“クロスセイバー”や、ゼンカイジャーの新レギュラー“ツーカイザー”を撮影現場でいち早く見ることができた。「小さいころ大好きだった『侍戦隊シンケンジャー』(2009年)のシンケングリーン/谷千明役の鈴木勝吾さんにお会いして、ショドウフォンを使った変身シーンを見せていただいた!」など、鈴村・神谷が口をそろえて「福くん、君は東映ヒーローオタクだね!」と称えるほどの、仮面ライダー愛、スーパー戦隊愛の強さをうかがわせた。
「ボイスドラマ」「コメンタリー」それぞれ、副音声でしか聞くことのできない「とっておき裏話」がたっぷりと収録されている。ぜひ映画『スーパーヒーロー戦記』をリピート鑑賞する際の手引きとして、ぜひ2種類の副音声をお楽しみいただきたい。