毎日猛暑日が続き、日中は外を少し歩いただけでも汗がタラリ……。そんな暑い夏に注意しなければならないのが熱中症です。
熱中症予防としてよく言われるのはこまめな水分補給ですが、水やお茶、スポーツドリンクばかりでは飽きてしまうこと、ありませんか? そこで今回は、キウイを使って手軽に作れる、美味しい熱中症予防ドリンクをご紹介します。
熱中症予防になぜキウイ?
キウイと言えば、美味しくてヘルシーなフルーツとして人気ですが、熱中症予防のイメージはあまりないですよね。キウイと熱中症予防の関係について、管理栄養士の渥美まゆ美さんに伺いました。
「近年、水分・塩分が熱中症予防に有効だということはだいぶ知られてきましたが、それだけでは不十分です。水分と一緒に必要なミネラルも補給する必要があります」(渥美さん)
ミネラルとは、ナトリウム(塩分)、カルシウム、マグネシウム、カリウムなどのことで、体の機能を調整するなどの役割を果たします。
「ミネラルは体内では作ることができないので、食べ物などから摂る必要があります。熱中症予防には、水分に加え、糖・塩(ナトリウム)・カリウム・マグネシウム・カルシウムの5つ栄養素をバランスよく摂ることが大切です」と渥美さんは話します。
この5つの栄養素のうち、塩を除く4つの栄養素がキウイには含まれているのだそう。
「キウイには、健康や美容に必要な栄養素が豊富に含まれています。腸内環境を整えてくれる食物繊維や塩分の排出を促すカリウム、肌サイクルやエイジングケアに役立つビタミンC、抗酸化作用の高いビタミンE、細胞に働き、造血ビタミンとも呼ばれる葉酸など、生のまま食べられるから、加熱に弱い栄養素や調理で失われやすい栄養素もまるごと摂ることができます。そして、熱中症対策に必要な糖・カリウム・マグネシウム・カルシウムがバランスよく含まれているのも特徴の一つです」(渥美さん)
もともと栄養価が高いイメージのキウイですが、こんなにも多様な栄養素が含まれていたとは……! そしてキウイに塩を加えると、熱中症予防に必要な栄養素が簡単に摂れる、というわけです。
塩で揉むだけ「塩キウイ」
塩+キウイのレシピとして渥美さんがおすすめするのが、「塩キウイ」。塩を揉みこんだキウイに水を入れるだけ……と、作り方はとても簡単なので、実際に作ってみました。
【用意するもの】
・キウイ…1個
・塩…0.5~1g
・飲料水…100~150ml
ジッパーバッグなどに皮をむいて適当な大きさにカットしたキウイを入れ、塩をひとつまみ入れてよく揉みます。そして水を入れてよく混ぜます。
できました! 簡単すぎる!
飲んでみると、キウイの爽やかな酸味に、ほどよい塩けがアクセントになって、ゴクゴク飲める味わいになっています。キウイの果肉感も楽しめて、麦茶やスポーツドリンクに飽きてきた夏のお口にぴったりです。
アレンジいろいろ塩キウイ
あまりに簡単だったので、いろいろとアレンジを楽しんでみました。
まずはドリンク。塩揉みしたキウイをカルピスとアイスティーに入れてみました。
カルピスは子どもにも喜ばれそう。アイスティーは、仕事の合間のリフレッシュにも良さそうな大人な「キウイティー」になりました。
ここからは水分補給から離れますが、ヨーグルトにも乗せてみました。
合います。暑い日の朝食に加えたい一品。甘めのヨーグルトのほうが、「甘じょっぱ」が楽しめます。
そして、夏といえばアイス。バニラアイスにトッピングしてみたところ……。
はい、優勝! 少し前に流行った塩バニラにキウイの酸味が加わったような味わいで、相性抜群です。甘いとしょっぱいの悪魔の組み合わせはもはや危険と言えるでしょう。
最後に、ちょっとおしゃれにカプレーゼにしてみました。
キウイを潰さず、塩を振ってモッツァレラチーズとあえ、仕上げにオリーブオイルと胡椒を。カプレーゼと言えばトマトがメジャーですが、キウイもいける! こちらも簡単なのでぜひオススメです。
熱中症予防には栄養補給を
ちなみに渥美さんによると、熱中症につながる「水分と栄養の欠乏」を防ぐには、出かける前や体力を消耗した帰宅後などの栄養補給が大切なのだそう。
「塩キウイは忙しい朝や外出前のタイミング、忙しい夜でも簡単に摂取できるので手軽な栄養補給にピッタリです」(渥美さん)
まだまだ暑い日々が続きます。家にいる時はクーラーをしっかりと活用しつつ、水分や栄養分を正しく摂り、夏を乗り越えましょう!