東京メトロは7日、半蔵門線の新型車両18000系を同日から運行開始すると発表した。約40年にわたり活躍してきた8000系に代わって導入される新型車両18000系は、「伝統と新しさが交じり合う街に更なる活力を」をコンセプトにデザインされた。

  • 東京メトロ半蔵門線の新型車両18000系。8月7日から運行開始する(2021年6月の報道公開にて撮影)

エクステリアは、半蔵門線の既存車両8000系・08系の端正な表情を受け継ぎ、前面から側面の形状に合わせて直線的な形状のヘッドライトを配置することで、親しみとスタイリッシュさを感じられる外観に。車端上部には、ピクトグラムを用いたフリースペースのサインを掲示している。

インテリアは、半蔵門線のラインカラーであるパープルを基調に、車内の床下から天井に向かって明るい色になるようにトーンオントーンの配色を行い、明るさと活力を感じさせる空間とした。連結面、座席横の仕切り、荷棚に透明な強化ガラスを採用し、車内の開放感も高めている。

  • 新型車両18000系のインテリア(2021年6月の報道公開にて撮影)

  • 新型車両18000系のフリースペース(2021年6月の報道公開にて撮影)

安全・安定性の向上も図り、統合指令所などから走行車両の機器状態をモニタリングする「TIMAシステム(車両情報監視・分析システム)」を導入。万が一脱線した場合にも自動で列車を停止させる脱線検知装置を搭載したほか、犯罪行為の未然防止に備え、車両内セキュリティカメラも搭載している。

車内における快適性向上のため、消臭・抗菌・抗ウイルス加工を施した座席表地を採用。座席幅も460mmに拡大している。幅広い利用者のさまざまな乗車目的に寄り添えるように、バリアフリーを促進し、各車両へのフリースペースの設置、車両とホームの段差低減、フリースペース近傍のドアレールの切欠き加工などで車いす・ベビーカー利用者の乗降性向上を図り、すべての人が安心して利用できる車両とのこと。

  • 東京メトロは今後、半蔵門線に新型車両18000系を順次導入し、既存の8000系を置き換える予定(2021年6月の報道公開にて撮影)

従来の8000系と比べて高効率な永久磁石同期電動機(PMSM)とシリコンカーバイト(SiC)素子を利用した制御装置の採用により、消費電力も削減した。半蔵門線の新型車両18000系は、2025年度までに19編成190両を導入し、8000系を置き換える予定となっている。