「カイカムリ」という海の生物をご存知でしょうか。その名のとおり、貝などを被ってカモフラージュする習性をもったカニなのですが、大阪にある水族館「ニフレル」の住人であるカイカムリは、ちょっと変わったモノを背負って、話題となっています。

ちろ氏さん(@TSunagimo17の投稿をご覧ください。

あとこれは見ててめちゃくちゃ笑った 自分の説明案内板背負ってるカイカムリ
(@TSunagimo17より引用)

カイカムリが一生懸命背負っているのは、「種名版」と呼ばれるものだそうです。人間の世界でいう「名刺」といったところでしょうか。

種名版を器用に背負って歩くカイカムリの姿に、「可愛すぎ」「自己紹介して歩いてるwwwwww」「アピール力がすごい! 」「動く、セ―ルスマン」「コレは笑う」といったコメントが続々と。「わたくし、こういう者ですが…」「みんなー!? おれやで!?」「あ、僕こういうものです〜よろしくお願いします〜」とアフレコして楽しんでいる人もいました。

「ええ? これ自分から背負ったんだよね……? 」という声もあがっていましたが、実は、「ニフレル」の公式ツイッター(@NIFREL_official)に、カイカムリが種名版を背負う瞬間を捉えた動画が投稿されています。

それがこちらです。

巷で話題になっているようですね、#カイカムリ
先日ついに!!
背負う瞬間を撮りました
(@NIFREL_officialより引用)

なんだか、「よっこらしょっと」という声が聞こえてきそうですね。そんなお茶目なカイカムリについて、「ニフレル」の広報担当者・西前さんにお話をうかがいました。

カイカムリってどんな生き物?

―― カイカムリは普段はどんな物を背負うことが多いのでしょうか?

西前さん:カイカムリの水槽には、ヒオウギガイやホタテガイも水槽にいれていますので、その時々で、気にいるものを背負っています。

―― この動画のカイカムリが看板を背負うのは、よく見られることなのですか?

西前さん:はい、今はこの看板をよく背負っています。ただ成長して、体が大きくなると別の貝を気にいるかもしれません。ニフレルが開業してから、3代目の個体ですが、これまで代々のカイカムリがこの種名版を背負っています。

―― 看板を背負うほか、カイカムリの生態について面白い点や見どころなどがあれば教えていただけますでしょうか。

西前さん: 脚は8本あり、そのうちの前4本は歩くために使い、後ろ4本は貝殻を背負う役割です。ですので、後ろの4本の脚は背負いやすい形になっています。
普通のカニとちがって、歩く脚が4本と少ないため、ゆったりした速さで、バランスをとりながら一生懸命歩く姿が可愛らしいです。


水族館に出かけると、イルカやペンギン、エイやサメなど、ついつい大きくてメジャーな生き物に目が行きがちですが、こんな小さな生き物の生態に注目してみるのも面白そうですね。