7月31日、突如として"3dfx interactive"というTwitterアカウントが作成され、"3dfx interactiveが20年ぶりに戻ってきた。木曜にアナウンスメントを行うので(震えて?)待て"とMentionした。さすがにこのMentionへのReplyの大半はFake、あるいはJokeだろうというものであったが、これにめげずに8月3日には"向こう12カ月の間に新しい製品を投入予定である。詳細は木曜に"とMentionした。

  • 3dfxブランド復活? 今年の冬には製品投入??

そして8月4日には"Statement on the return of 3dfx"と称して

  • サンフランシスコをベースにしたJansen Productsという新しい企業が、3dfx interactiveに関する資産一式を買収した
  • 現在3dfxの商標の変更の処理中である
  • 3dfxは今年の冬をめどに、新しいグラフィックカードを投入予定で、これに引き続きスマートフォンやSmart TV、サウンドシステムなどの関連製品までラインナップを拡充予定である

といった内容を公表した。

ちなみに現時点でUSPTO(米国特許商標庁)TESS(Trademark Electronic Search System)を使って"3DFX"を検索すると17件該当するが(Photo01)、御覧の通りすべての商標は"DEAD"(無効)状態となっている。もっともこの17件には関係ないものも含まれている。例えば一番上のSerial Numberが86803681のものは、ワシントン州のAtmosFX Inc.という会社のハロウィン用照明だったりする。そんなわけでもともと3dfx Interactiveが登録したものは4、6~10、12~17の合計12個となるのだが、状況そのものはDEADのままである。

  • Photo01: ちなみにこのURLを張ってもタイムアウトで撥ねられるので、TESSのトップページから"Word and/or Design Mark Search (Free Form)"を選び、ここで"3DFX"の検索をかけてほしい。

もっとも米国で商標の登録には10~12カ月掛かることを考えると、仮に上の説明が本当だとしても、これらの商標が有効なものとして公示されるのは来年以降になるので、まぁ辻褄があっているといえばあっている。

古のブランドの復活、という意味では例えば"Diamond Multimedia"などの例もあるから、今回の話がまるっきりあり得ないか? といえばそうとも言い切れないのだが、それでビジネスになるのか? と言われると謎である。ちなみにJansen Productsの方もまだステルスモードなのか一切情報が無い(同名の、[建築材料などを提供するドイツの会社[(https://www.jansenproducts.be/en/)は多分無関係だろう)。

8月5日、というのは多分アメリカ太平洋時間が基準と思われるので、さらなるアナウンスがあるとすれば日本時間の今晩~明日にかけての事になるかと思うが、どんな話になるのか興味あるところだ(まだ半分位信用していない)。

【2021年8月5日16時追記】

続報が出た。"3dfx Q3 2021 Announcements"から始まる一連のスレッドによれば、

  • 7月中旬に(何らかの理由で)3dfxの資産と商標、および「いくらかの新しい資産」を買収可能になった(Photo02)
  • 新製品としてVoodoo 6 PCIやRuffon Smartphone、Brozzo Bluetooth Speaker、5.1ch Home Theater、Galazian Tablet(128GB)、さらに77型のLithium 5D Smart TVを開発しており、CEC 2022でお披露目予定である(Photo03)
  • 新会社はグラフィックカード以外のマーケットにも注力する(Photo04)
  • 2021年第4四半期~2022年第1四半期に90万人以上のの顧客を獲得する(Photo05)
  • スマートフォンやアプライアンスに45%、ハードウェアとサウンドシステムにやはり45%の投資を行う。GPUは残り10%(Photo06)

といったあたりが今回の骨子である。

  • Photo02: 資産の買収手続きは今後数週間で完了する、としている。

  • Photo03: Voodoo 6とかCEC 2022は後述するが、これで怪しい感じが一気に高まった気が。

  • Photo04: これはDiamond Multimediaなどと同じストーリーである。まぁ今更GPUカードだけでビジネスするのは普通に難しい。

  • Photo05: 一番無茶と思うのは最後の"Upcoming Project:600+"である。いやその前の2つも大概な気はするが。

  • Photo06: いや普通に無理だろうこれ、とは思う。

ちなみにCEC 2022というイベントは実在しており、2022年1月16日からフロリダ州オーランドで開催されるが、これは"Council for Exceptional Children"という障害児向け教育のイベントであって、どう考えてもグラフィックカードの新製品発表の場ではない。"CES 2022"の書き間違いとも思えないわけで、もう敢えてやっているとしか思えない。あるいは今更PCIの新製品というのもありえないだろう。もうそもそもプラットフォームが存在しない。

総合的に見て一発芸というか、手の込んだギャグという可能性が非常に高い内容ではある。まだ状況証拠だけだから断言はできないが、一瞬3dfxブランドの復活、という夢を見せてくれただけでも楽しめたとはいえる(いやこれがマジだったら、それはそれで物凄い話になるのだが)。

【2021年8月6日12時追記】

日本時間の8月6日 5:49AM、Twitterにて「CECはTypoでCESが正しい」という訂正を行った。さて、どこまで信用できるのやら。

日本時間の8月6日 8:44AM、さらにTwitterにて「もうこのアカウントは明日の朝から使わないので、@AtiParodyをFollowしてね」とMentionしたうえで、過去のツイートはすべて削除された。ということでやはりジョークであったようだ。