弱肉強食。成果主義。寂しいけれど、他人を蹴落としたほうが幸せになれるのが今の世の中です。だけど、だけど……。もう一度だけでいい。誰かを信じてみたい。そんな気持ちにさせてくれる不思議なスポンジにツイッターで出会いました。
ドラッグストアチェーン・ウエルシア薬局のPB(プライベートブランド)として展開されている商品。その名も「誰も傷つけたくないスポンジ」。
このユニークな名称が大ウケし、ツイッターでは「わたしも誰も傷つけたくないからスポンジになりたい」「一体このスポンジに何があったんだ? 」「なんていいやつなんだ」「彼氏にしたいNo.1」と大きな反響が寄せられています。
このあれこれ想像を膨らませてしまうユニークな商品名、どんな思いが込められているのでしょうか。ウエルシア薬局広報部の小沼さんにお話を聞きました。
広報さんに聞いてみた
――どういう意味で「傷つけたくない」なのでしょう?
「傷つけたくないという言葉には、食器を優しく洗うということと、できるだけ環境に配慮するという気持ちが込められています」。
――とってもポエムを感じるといいますか、ユニークなネーミングだと思いました。どのような経緯でこの表現になったのですか?
「現在弊社ではプライベートブランドの刷新をしている最中で、当商品を含め、来年にかけて100アイテムを順次刷新予定です。今回は、第一弾としてこちらの『誰も傷つけたくないスポンジ』の他に、『エコなすっぴん紙袋』『バラの香りがハナやかなプリントロール』をリリースしました」。
――なんだか同じような空気感というかセンスを感じます
「プライベートブランドの商品によくあるような、スポンジ、紙袋、などのシンプルな表現でもいいのかもしれませんが、そうではなくて付加価値のある商品という点が伝わればと思っています」。
――ツイッターで多くの皆さんの心を掴んだようです
「とてもありがたいことです。私がツイッターでフォローしている方がリツイートしてくださっていて、『うっ』『あっ』と(笑)。消費者の皆様の期待に沿えるようにこれからも商品をお届けしていきたいですね」。
穴がいい感じ
最後にちょっとだけ袋から出して使ってみました。触った感じ……。うむうむ、柔らかいところと硬いところがある、いわゆる食器用スポンジですね。筆者がいいなーと思ったポイントは、穴。
パッケージによれば「泡立ちと水切れを考えた穴あき形状です」だそう。食器用スポンジって、泡がなかなか切れなくて、何度もクシャクシャするのが面倒じゃないですか。こういう細かな心遣いにも、「誰も傷つけたくないぞ」という意思を感じます。
なにかと人間関係ギスギスしがちな世の中。なのですが、まっすぐで素直なネーミングのスポンジのおかげで、筆者も他人に優しくしたくなっちゃいました。皆さんはどう思いましたか?