逆恨みが原因となって引き起こされてしまう事件、時々ニュースで見かけますよね。そもそも逆恨みって、どんなものを指すのでしょうか。
この記事では逆恨みについて掘り下げ、正しい意味や使い方の例文、類語などをご紹介。逆恨みをしやすい人の心理状況や逆恨みを防ぐための簡単なポイントも解説します。
逆恨みとは「筋違いの恨み」のこと
逆恨みとはどのようなことを指すのか、まずは確認しましょう。
逆恨みには大きく2つの意味があります。こちらが恨みに思うべき相手から逆に恨まれること、そして親切のつもりで何かをしたときに逆に恨まれること。どちらも「筋違いの恨み」です。
それでは具体的にどのようなことを逆恨みというのでしょうか。
人を不快にする書き込みばかりするのでSNSをブロックしたら、逆恨みをされて嫌がらせがひどくなった
嫌なことばかり書き込んでくる相手は、本来なら自分が恨むべき対象です。自分の身を守るためやむを得ずSNSのコメント欄をブロックしたら、そのことに逆上して相手がさらに嫌がらせをしてくるというもの。
親切のつもりで色々と教えてあげていたら、逆恨みされてしまった
こちらは親切に教えてあげるつもりで接していたのに、その姿勢が「上から目線で生意気」と捉えられ、恨まれてしまうというもの。人の好意をひねくれて受け止め、理不尽に恨むことも逆恨みです。
逆恨みをしやすい心理状況とは
逆恨みはみんながみんなするものではありません。やはり逆恨みをしやすい人には心理的な共通点があるとされています。
下記に共通点を簡単にまとめましたが、逆恨みをしやすい人は周りにとって厄介な存在でしかありません。逆恨みをかわすためのポイントは後ほど紹介します。
被害妄想が人より強い
被害妄想が強い人は、自分がしてしまった失敗や偶然の不幸を人のせいにする傾向にあります。常に「自分は攻撃されている」と思い込み、その敵意を誰かに向けています。
マイナス思考が強い
何事もマイナスに捉えたり、物事のマイナスの面しか目に入ってこなかったり。たとえ人から親切にされても、「何か裏があってこんなに親切にするのでは」と疑ってしまい、それがいつしか敵意に変わってしまうのです。
自分の非を認めない
自分の失敗を認めることができず、常に誰かのせいにしてしまう人も逆恨みをしやすいタイプと言えるでしょう。例えば道端の植木鉢を蹴って壊したとします。本来なら植木鉢の持ち主が壊した人を恨むところを、「こんなところに植木鉢を置くのが悪い」と壊した張本人が自分の非を認めず持ち主を攻撃します。これが逆恨みです。
逆恨みの類語
逆恨みにはいくつかの類語があります。例文を交えて紹介しましょう。
怨恨
「怨恨(えんこん)」は、深い恨みの心を指します。逆恨みも含めて、恨み全般のことを指す恐ろしい言葉です。
ニュースになるような凶悪事件のほとんどは、犯人の怨恨がもとにあるといっていいでしょう。
・警察は怨恨(えんこん)があったとみて、動機の解明を進めている
・Aさんが被害に遭った原因は怨恨とみられている
遺恨
「遺恨(いこん)」は、いつまでも忘れることのできない恨みを言います。遺恨も、逆恨みを含む恨み全般を指して使われます。
スポーツのシーンでは、前回敗戦したときのくやしさを晴らす「遺恨試合」などと使われることもあります。
・A氏とB氏はこの争いにより新たな遺恨を生むこととなった
・野党は、与党への遺恨を晴らすべく選挙戦に臨んだ
八つ当たり
「八つ当たり(やつあたり)」は、ある事に腹を立て、それとは無関係の人にまで当たり散らすことを言います。憤慨した気持ちを自分で処理しきれず周りを巻き込むという、なんとも迷惑な行動だと言えるでしょう。
・入試に落ちた腹いせに目につくもの手あたり次第に八つ当たりをした。
・家事や育児のストレスで妻から八つ当たりをされた。
腹いせ
「腹いせ」も八つ当たりと同様に、抱いた怒りや恨みを的外れな方法で晴らすことを言います。
・お小言でイライラが募った腹いせに影で悪口を言った
・女性を傷付けるなんて、単なる腹いせでは済まない
逆ギレ
「切れる」は突然に怒り出すさまを言います。「逆ギレ」は逆恨みと同じ意味で、本来なら怒られる立場の人間が激高することを言います。
・母親に生活態度を注意され、「うるさい」と逆ギレしてしまった
・交際相手が浮気したのを問い詰めたら逆ギレされた
逆恨みの英語表現
逆恨みを表現する英語表現には以下のようなものがあります。
undue resentment(理不尽な恨み)
unjustified resentment based on misunderstanding(誤解に基づく不当な恨み)
以下に例文を紹介します。
・I received an undue resentment.(逆恨みを受けた)
・I am concerned about unjustified resentment.(逆恨みを心配しています)
また、resent(~に憤慨する)という言葉を使「いHe resented me.」などと表現することも可能です。
・The man resented me for scolding him.(男は彼を叱りつけた私に憤慨した)
英語では「理不尽」「不当」などの単語を使うことで、逆恨みであることを表現しています。
逆恨みへの対処法
逆恨みについて見てきました。逆恨みは理不尽に恨みをもつことで、巻き込まれた側にとっては迷惑そのものだと言えます。
逆恨みは完全に防ぐことはできないでしょう。大切なのは逆恨みされそうな時に、相手の恨みをうまくかわすことです。最後に気を付けたいポイントをいくつか紹介します。
遠ざかる
逆恨みをする人は、前述したようにその人のパーソナリティに問題があることがほとんどです。こちらがいくら気を使っていても、逆恨みを完全に防ぐことはできません。一番簡単なのは、その人から遠ざかり、できる限り接点をもたないこと。これが自分の身を守る最も安全な方法です。
相手の言い分を聞く
逆恨みをする人は、自分の言い分を無視されるとさらに恨む気持ちをエスカレートさせます。逆恨みをされた人からすれば難しいことかもしれませんが、少しだけ相手の言い分を聞く姿勢を見せれば相手がクールダウンするかもしれません。
相手と直に話し合うことに抵抗があれば、弁護士など第三者に間に入ってもらう方法も有効です。
公的機関に相談する
残念ながら、逆恨みが殺人や傷害事件、ストーカー被害などに発展してしまうことがあります。会社を正当な理由で解雇された人が、会社の上司に対し逆恨みをするというケースもあります。
万が一事件に発展する心配がある場合には、弁護士事務所に相談する、管轄の警察署に被害届を出すなどの対策をとりましょう。全国にある被害者支援センターでも相談を受け付けています。
専門家のサポートを受けることが、逆恨みによる事件を食い止める抑止力になります。
逆恨みをする人とは距離を置こう
逆恨みは、筋違いの相手を恨む行為を言います。本来なら自分が恨むべき相手や、親切心から何かをしてあげた相手から恨まれるなんて、それこそ迷惑ですよね。
逆恨みをする人はパーソナリティに問題を抱えていることがほとんど。逆恨みを受けないためには、そういった人と距離を保つことが大切です。
本記事では逆恨みの類語や英語表現についても解説しました。ぜひ参考にしてみてください。