パナソニックは8月2日、同社の除菌イオン技術「ナノイーX」を発生する新デバイスを発表しました。新ナノイーXは除菌や除臭に効果的な成分「OHラジカル」が、従来のナノイーXから約10倍に。標準的なナノイーと比較すると約100倍も発生するのが特徴です。
オンラインで開催された発表会では、この新ナノイーXを搭載した加湿空気清浄機の新製品「F-VXU90」も披露しました。F-VXU90の発売日は9月下旬、価格はオープン、推定市場価格は107,000円前後です。
ナノイーとは?
パナソニックのナノイーとは、放電によって水を超微粒子化した水イオンのこと。目に見えないレベルの小さな水の中に「OHラジカル」といわれる成分が閉じ込められており、このOHラジカルが雑菌など接触することで、菌やアレル物質の働きを抑制します。ナノイーの効果はOHラジカルによってもたらされているのです。
もともとナノイーは約4,800億個/秒のOHラジカルを発生していましたが、2016年発表の「ナノイーX」では、OHラジカル発生量が10倍の約4兆8,000億個/秒にアップ。そして今回の新ナノイーXでは、「ナノイー」の100倍である約48兆個/秒に増えています。これにより、雑菌、花粉をはじめとするアレル物質の抑制、ニオイの脱臭スピードが格段にアップしました。
ナノイーはスギ花粉やペット、ダニなど全30種類のアレル物質抑制効果が実証されていますが、今回の新ナノイーXでOHラジカル発生が増えたことにより、ナノイー効果がスピードアップしました。たとえば、スギ花粉の効果を99%以上抑制するまでの時間は、従来のナノイーXの約25時間から新ナノイーXでは約3時間、実に8分の1まで短縮されています。
ナノイーのニオイに対する抑制効果は、タバコ臭にペット臭、部屋干し服の生乾き臭、ヤング臭から加齢臭まで、12種類のニオイに対して実証済み。新ナノイーXでは、加齢臭のニオイも従来のナノイーXと比べて約8分の1の時間で除去。さらに、カビはクロカビやアオカビなど8種類のカビに対して抑制を実証しました。クロカビはナノイーX比で約4分の1の時間で抑制できることを確認したそうです。
今回の新デバイス発表によって、パナソニックは4種類のナノイーデバイスをラインナップすることになります(以下のカッコ内はOHラジカル発生量)。それぞれ個別のロゴは用意されているのですが、上位の3モデルはすべて「ナノイーX」という名称なので少々わかりにくいかもしれませんね。
- 基本のナノイー(約4,800億個/秒)
- 従来のナノイーX(約4.8兆個/秒)
- 高濃度ナノイーX(約9.6兆個/秒)
- 新ナノイーX(約48兆個/秒)
新ナノイーXを使った空気清浄加湿器も登場
この新ナノイーXデバイスを採用した加湿空気清浄機のフラッグシップモデルが「F-VXU90」です。
パナソニックの空気清浄機フラッグシップモデルは、以前から「3Dフロー花粉撃退気流」機能を搭載。気流を立体的に3方向へと吹き出すことで、部屋全体の空気を効率的に循環させる技術です。これにより、ハウスダストの中でも特に重たく、床上30cmに溜まりやすい花粉までパワフルに吸引します。この強力な吸引機能に新ナノイーXを搭載することで、6畳空間における実験では花粉を99%抑制する時間は、従来モデルと比べて約4分の1まで短縮されたといいます。
従来モデルに引き続き、スマホ向けの専用アプリ「ミルエア」との連携機能も装備。アプリから部屋の空気の状態を確認したり、自分だけの運転モードを設定・登録したりが可能です。アプリは外出先から運転コントロールにも対応しています。
F-VXU90の本体サイズは約W398×D287×H640mm、重さは約11.4kg。空気清浄機能の適用床面積は40畳まで、加湿適用床面積はプレハブ洋室で24畳まで、木造和室で15畳まで。加湿量は300~870mL/時間になります。