キリン、免疫ケアをうたったプラズマ乳酸菌入り「午後の紅茶」「生茶」を発売へ

キリンビバレッジでは、プラズマ乳酸菌を配合した「午後の紅茶ミルクティープラス」と「生茶ライフプラス免疫アシスト」を10月12日より全国発売する。紅茶と緑茶で免疫機能をうたった機能性表示食品としては日本初だという。メディア発表会で開発の狙いが明かされた。

キリンが、プラズマ乳酸菌入りの「午後の紅茶」「生茶」を発売する

免疫ケア商品で市場拡大へ

発表会の冒頭、キリンビバレッジ代表取締役社長の堀口英樹氏が登壇して概要を説明した。同社が注目したのは、ここ数年の消費者の免疫に対する関心の高さ。堀口社長は「感染予防・衛生意識の高まりは、今後、with / afterコロナの環境下でも継続する」との見方を示す。

もともとキリンビバレッジでは、プラズマ乳酸菌として知られるキリンの独自素材「Lactococcus lactis strain Plasma」を含んだiMUSEなどを展開してきた。そちらの販売が非常に好調で、プラズマ乳酸菌入り飲料は2021年1月～6月の累計販売数量が前年比約5割増になっている。

キリンビバレッジ代表取締役社長の堀口英樹氏

そこで今回、キリングループのなかでも最大級の顧客接点を持つ「午後の紅茶」と「生茶」の2つの基盤ブランドにおいて、プラズマ乳酸菌を配合した新商品を開発した。「午後の紅茶ミルクティープラス」は容量430ml、「生茶ライフプラス免疫アシスト」は容量525ml、どちらも価格は157円。ペットボトルで発売する。

ラベルでも免疫ケアをアピールする、「キリン午後の紅茶ミルクティープラス」と「キリン生茶ライフプラス免疫アシスト」

同社では消費者の免疫意識の高さにより、免疫ライト層、免疫ミドル層、免疫ヘビー層に分類して考えている。新商品は、免疫ライト層に向けて提案していく商品だ。そして引き続き、免疫ミドル層にはiMUSEの飲料を、免疫ヘビー層にはiMUSEのサプリメントやヨーグルトなどを展開していく。

堀口社長は「免疫対策の関心は高いけれど、まだ約70%のかたが、何も具体的な行動を起こせずにいるという調査もあります。そこで弊社では新商品で市場に存在する潜在需要を掘り起こすとともに、日本に免疫ケアの習慣を広く浸透させていきたい」と抱負を語った。

2021年下半期の免疫領域拡大戦略

なお、プラズマ乳酸菌入り飲料の年間販売目標について、2021年は年初目標で410万箱としていたが、好調を受け約2割の上方修正を行い500万箱を掲げている。

そもそもプラズマ乳酸菌とは?

プラズマ乳酸菌は、健康な人の免疫機能の維持をサポートする乳酸菌。免疫細胞「プラズマサイトイド樹状細胞(pDC)」にちなんで名付けられた。これまでキリンホールディングス、小岩井乳業、協和発酵バイオ、および国内外の大学・研究機関と共同で、多くの論文・学会発表が行われている。

プラズマ乳酸菌と他の乳酸菌の違い

プラズマ乳酸菌を2週間以上摂取すると、免疫の司令塔であるpDCが活性化される。これにより免疫細胞全体が活性化され、外敵に対する防御システムが機能するという。なおプラズマ乳酸菌の摂取中はpDCが活性化され、摂取を中断すると緩やかに低下することが分かっている。このことから、同社ではプラズマ乳酸菌の継続的な摂取をすすめている。

キリンビバレッジのプラズマ乳酸菌入り飲料

酸っぱくはないの?

記者団からの質問に、キリンビバレッジ執行役員マーケティング部長の山田雄一氏が回答した。

プラズマ乳酸菌を配合しても酸っぱくはならないのか、との質問に山田氏は「iMUSEを開発してきた知見をベースに、キリン社内の総力を結集して美味しく仕上げました。酸味があるのでは、と躊躇される消費者のかたにも安心して飲んでいただけるよう、美味しさを積極的にアピールしていきたいと考えています」。

キリンビバレッジ執行役員マーケティング部長の山田雄一氏

ちなみにキリンビバレッジでは今回の新商品の味について、以下のように解説している。「キリン午後の紅茶ミルクティープラス」は、茶葉の豊かな香りとミルクのまろやかなコクで毎日飲み続けられる、やさしい甘さのミルクティーに仕上げた。「キリン生茶ライフプラス免疫アシスト」は、生茶葉の爽やかな甘み・うまみが生きたまろやかな緑茶のおいしさで、毎日すっきりと飲み続けられる味わいになっている。なお、どちらも中味にはプラズマ乳酸菌を1,000億個配合している。

午後の紅茶は味の種類が抱負だが、そのなかでミルクティーを選んだ理由を聞かれた山田氏は「正直、悩みました。ミルクティーを選んだ理由のひとつは、乳酸菌との相性の良さでした。そしてミルクティーは間口も広い。より多くのお客様に商品をお届けすることを考えて選択しました」と回答している。