両者の対戦成績は佐藤九段の3勝2敗。前期A級では斎藤八段が制している

第80期A級順位戦(主催:朝日新聞社、毎日新聞社)の2回戦、▲斎藤慎太郎八段(1位、1勝0敗)-△佐藤康光九段(6位、0勝1敗)戦が7月29日に関西将棋会館で行われています。前期の名人挑戦者の斎藤八段がリーグ成績を2連勝とするのか、それとも佐藤九段が成績をタイにするのか、注目です。


第80期A級順位戦リーグ表

本局はリーグ戦の一局のため、先後があらかじめ決まっています。10時に始まった対局は、予想外の戦型になりました。8手目に佐藤九段が△3二飛と飛車を振り、角道を閉じた三間飛車を採用したのです。

角道を開けたまま戦う、力戦調の振り飛車は佐藤九段の得意戦法です。ところが本局は角道を閉じる振り飛車。これは珍しい戦型選択と言えます。

相手の意表の戦型選択にも、斎藤八段は淡々と駒組みを進めていきます。そして25手目に、香を上がり、穴熊を明示しました。

対する佐藤九段は右桂を早めに跳ね、銀を△8二銀と上がる現代調の作戦を採用。この後△8一玉~△7一金と組めば「振り飛車ミレニアム」、△6二金と上がって金無双の構えにすると、「耀龍四間飛車」の玉形となります(本局は三間飛車ですが)。

新型振り飛車対居飛車穴熊の戦いでは、盤上左辺で激しい戦いが繰り広げられることが多いです。本局も見ごたえのある激戦になるでしょう。終局は本日深夜から日付が変わるころとなる見込みです。

斎藤八段(左)と佐藤九段
斎藤八段(左)と佐藤九段