ダイソンは26日、照明環境が睡眠の質におよぼす影響について考える勉強会を開催。専門家が基調講演をおこなったほか、人気YouTuberの石井亜美さんが睡眠前のおすすめストレッチをレクチャーした。
睡眠トラブルの原因は?
はじめに登壇したのは、東京都市大学の小林茂雄教授。同氏は、リモートワークを取り入れているオフィスワーカーの間でいま、睡眠トラブルを抱える人が増えていると指摘した。
ここで、全国の正社員・フルタイムで働くオフィスワーカー25~59歳(男女600名)を対象にしたインターネット調査の結果を報告。それによれば、コロナ禍以降「寝ても疲れが取れなくなった」「寝ている途中に目が覚めてしまうことが増えた」「朝起きるときの目覚めが悪くなった」「ベッドに入ってからの寝付きが悪くなった」といった悩みを抱える人が急増していた。
睡眠に影響を与える要因は、心身の状態、寝室環境、生活習慣などが考えられるが、小林教授によれば、光環境(照明)も睡眠に大きな影響をおよぼしているという。
まず「自然光には生体リズムを調整する作用があり、睡眠のとり方に影響をおよぼします。しかしリモートワークが増えたいま、日中、外に出て光を浴びる機会が減りました」と説明。短時間でも外に出るべきと話した。
そして次に、オフィスと在宅環境の明るさの違いについても言及。オフィスは空間全体が明るい照明に包まれており、オフィスワーカーは普段、そこで高い照度の光を浴びていた。しかし現在、在宅環境で浴びる光の照度は低い。このため生活のリズムに影響を与えてしまっている、と結論づけた。
上記の結果を踏まえ、小林教授は「在宅勤務の際は、できるだけ窓際で作業をするように心がけます。照明は白色で、明るめが良いでしょう」とアドバイスしている。
人は、日中に屋外で高照度の太陽光(白い光)を浴び、夕食後に室内で低照度の電灯(暖かい光)を浴びることで、生体リズムが調整されてメラトニン(睡眠ホルモン)が正しく分泌されるという。ここで注意したいのは、波長が460~480nmの青色の光を浴びるとメラトニンの分泌が抑制され、頭が覚醒してしまうということ。就寝前は、PCやスマートフォンの利用を避けたほうが良いということだ。
最後に小林教授は、大学生を被験者として実施した調査データを公開。自然光の明るさと光色(色温度)に合わせて自動調光できる照明を利用して、就寝予定1時間前から暖色系(2700K)の間接照明で壁と天井を照らした被験者の睡眠データが良好であったと紹介した。
これらの結果を踏まえ、睡眠の質を向上させるために照明環境で押さえておくべきポイントとして、「寝る1時間前には間接照明に切り替えて静かに過ごす」「自身の生活リズムにカスタマイズさせた自動調光・調色できる照明を導入する」とまとめた。
ダイソンのLEDデスクライト
ここでダイソンの担当者は、2020年3月に発表したLEDデスクライト「Dyson Lightcycle Morph」(ダイソン ライトサイクル モルフ)を紹介した。
同ライトは、自然光を再現し、光の当て方を変えることにより1台で4つの照明モード(タスクライト、間接照明、スポットライト、アンビエントライト)を利用できるのが特徴。利用シーン、気分、就寝時間などに合わせてLEDの明るさと色温度を調節できるとアピールした。
就寝前にはストレッチを
最後に、モデルでインフルエンサーの石井亜美さんが登壇した。新型コロナウイルスが蔓延した昨年(2020年)の春、疲れているはずなのになぜか眠れないという状況に陥り、そこで外に出て日光を浴びる大事さにと気づいたという石井さん。それ以降、照明にも配慮するようになったと話す。
そんな石井さんは毎晩、就寝前にはストレッチを欠かさないという。そこで自律神経を整え、心地良い睡眠につなげられるオススメのストレッチをいくつか紹介した。
いずれも椅子に座った状態で行うもの。例えば片手を腰にまわし、反対の手で首すじを伸ばし、深く鼻呼吸。これを各4秒ほど、左右で3セットほど行う。次に親指を使い、首のラインを30秒ほどほぐす。これは自律神経を整えるマッサージだという。
最後は肩甲骨を意識。両手を上に伸ばし、息を吸い、一気に脱力する。これも左右で3セットほど行う。筋肉を硬直させてから緩めることで、血流を感じられると話していた。