女優の山田杏奈が主演を務める映画『ひらいて』(10月22日公開)の予告&ポスタービジュアル&主題歌が28日、公開された。
同作は芥川賞作家・綿矢りさの小説の実写化作。恐れを知らない女子高生・木村愛(山田)は同じクラスの男子・たとえ(作間龍斗)に片思いしていたが、彼が糖尿病の持病を抱える陰気な少女・美雪(芋生悠)と交際していることを知ったことから、絡み合った三角関係が始まる。熱い恋心が勢いあまり、意中の彼の恋人にまで向けられる、エキセントリックでありながらも切実な純愛を描く。
開された予告映像は、自分の中で膨らんでいく恋心を悟られないよう、さりげなくたとえに接近し、自然と距離を詰めようとする愛の様子から始まる。自分以外の誰もが気づいていないだろう彼のさりげない魅力に惹かれている愛の視線は日々たとえに向けられていた。そんなある日、彼には秘密の恋人“美雪”がいることを知る。ずっと想いを寄せていたたとえに予想外の恋人がいたことを知った愛は、その関心を彼女にも向け、校内での交流に留まらず休日も美雪を遊びに誘う。愛の真意を知る由もない美雪はどんどん愛のペースに引っ張られるが、ゆっくり時間をかけて愛情をあたためてきたたとえと美雪の絆は強く、愛が入り込む余地はなかった。振り向いてくれないたとえ、的外れな主張をしてくる美雪に苛立ち、愛の欲望は想像し得ない方向に暴走していく。映像には、たとえの父を力強く殴る愛や、夜の教室で静かに愛に近づくたとえの姿が映し出される。
予告解禁に伴い、本作の主題歌を大森靖子が担当していることも明らかに。予告映像には、大森が本作のために書き下ろした楽曲「ひらいて」が使用されている。大森は「恋がしたいという最悪な感情が、暴発する自分の中の何かを誰かにぶつけてみたいという感情が、世に蔓延る恋愛感情と呼んでいいものなのだろうか? 相手も、性別も、自分と他者の境界すら必要なかったり、逆に自分以外の全てが気持ち悪かったり、その全てをひらいて足掻く瞬間は、どんなに無様で、一般的に"失恋"や"修羅場"などと呼ばれる事象であったとして、美しいものだから。恋がしたい、恋がしたい、恋がしたい、最悪。アンバランスにバランスをとってその季節を生き抜いてきたことを映画を見て思い出し、楽曲にしました。編曲はsugarbeans。映画のためだけに、せーので録音しました」と楽曲の制作について語っている。
また、ポスタービジュアルは、 愛、たとえ、美雪がありえないカタチで交錯していく恋の物語を予感させるものとなっている。