サインや暗証番号なども不要で、スムーズな支払いができるQRコード決済。すでに活用している方がいる一方で、まだ利用したことがない方や、利用を検討しているという方も多いのではないでしょうか。さまざまなQRコード決済があるなかで、シェア率が高いQRコード決済サービスはどれなのか気になるところです。
そこで本記事では、QRコード決済のメリットや、各サービスの特徴などについて、くわしく紹介していきます。MMD研究所の「2021年1月スマートフォン決済(QRコード)利用動向調査」の結果を基に、QRコード決済のシェア率や利用率が高いサービスも解説します。
QRコード決済とは
QRコード決済とは、QRコードに店舗側の情報や利用者側の情報を紐付け、利用金額とともにQRコードを読み込むことで決済を行う方法です。
QRコード決済には、次の2種類があります。
- ストアスキャン
ストアスキャンとは、ユーザーがアプリを立ち上げてコードを表示し、店舗側がそのコードをスキャンして支払いをする方法です。
- ユーザースキャン
ユーザースキャンとは、店舗側が提示したQRコードを、ユーザーがスマホのアプリで読み取って決済する方法です。
■QRコード決済のメリット(ユーザー側)
ユーザーがQRコード決済を使うメリットには、主に次のようなものがあります。
- 支払いがスムーズになる
スマホだけで決済が完結するため、財布を出して現金を用意する手間や、暗証番号を入力する手間がかかりません。
- ポイントが貯まる
利用金額に応じたポイントが還元されるQRコード決済サービスもあります。貯めたポイントを支払いに充てたり、他社のポイントに交換したりできるQRコード決済サービスもあるので、現金払いよりもお得です。
- 手数料不要
店舗側は決済サービス会社に手数料を支払いますが、ユーザーには手数料の負担がありません。現金を用意していなくても決済できるため、ATMの利用手数料も削減できます。
- 管理が簡単
利用履歴はアプリから簡単に確認できます。レシートなどを貯めて支払いの管理をする必要はありません。
- 個人間送金できる
個人間送金に対応しているQRコード決済サービスもあります。1円単位でも送金できるため、割り勘にしたいときなどに便利です。ただし、送金相手も同じQRコード決済サービスを利用していなければいけません。
■QRコード決済のメリット(店舗側)
店舗がQRコード決済を使うメリットには、主に次のようなものがあります。
- キャッシュレス決済のユーザーを取り込める
QRコード決済を導入すれば、キャッシュレス決済のお店だけを利用するユーザーの取り込みに役立ちます。QRコード決済サービス各社が独自のキャンペーンを展開しているときには、そのQRコードが使えるお店を探しているユーザーに訴求することもできます。
- 業務の効率化
現金のやり取りがなくなるので、レジ操作の時間短縮につながります。購入履歴や売り上げなどの情報は店舗用のアプリに自動で記録されるため、日々の管理も簡単です。
各社が展開しているQRコード決済の概要と比較
QRコード決済各社のチャージ方法や主な機能は下記のとおりです。
チャージ方法 | 個人間送金 | クレジットカードとの紐づけ | |
---|---|---|---|
LINE Pay | 銀行口座、ATMなど | 〇 | 〇 |
PayPay | 銀行口座、ATMなど | 〇 | 〇 |
楽天ペイ | 楽天カード、楽天銀行など | 〇 | 〇 |
d払い | 銀行口座、ATMなど | 〇 | 〇 |
メルペイ | メルカリ売上金、銀行口座など | 〇 | × |
au PAY | ATMなど | 〇 ※一部条件あり |
〇 |
各QRコード決済の特徴をみていきましょう。
■LINE Pay
LINE Payは、LINEアプリから簡単に登録できるQRコード決済サービスです。トークルームで金額を入力して送金ボタンを押すだけで個人間送金できるため、割り勘をしたいときにも役立ちます。
■PayPay
ソフトバンクグループが展開するQRコード決済サービスです。PayPayで支払いをすると後日にPayPay残高が還元されるキャンペーンなども多く行われています。基本還元率は0.5%ですが、使い方次第で還元率がさらに高くなります。
■楽天ペイ
楽天ペイは、楽天ポイントを効率的に貯められるQRコード決済です。楽天カード払いや楽天銀行の口座払いなどで還元率1.0%、楽天カードを使ったチャージ払いなら還元率が1.5%になります。楽天ポイントカード加盟店で楽天ポイントカードと併用すると、最大2.5%の還元率にすることも可能です。
■d払い
d払いは、dポイントが貯まるQRコード決済サービスです。ドコモユーザーなら、クレジットカードや銀行口座を登録しなくても、毎月の携帯料金と一緒に利用代金を支払えます。
■メルペイ
メルペイは、メルカリの売上金をチャージできるQRコード決済です。売上金がないときは銀行口座からチャージして利用します。メルペイコード決済に対応している店舗だけではなく、電子マネー「iD」に対応している店舗での利用も可能です。
■au Pay
au Payは、KDDIが提供するQRコード決済です。「au ID」を取得すれば、auユーザー以外でも利用できます。支払金額に応じて「Pontaポイント」が貯まるほか、毎月3日、13日、23日の「三太郎の日」には、対象店舗での利用でポイント還元率がアップするなどの特典があります。
QRコードを選ぶ基準
QRコード決済選びで迷ったときには、次の4つの基準を参考にしてみてください。
1.使っているキャリアで選ぶ
自分が使っているスマホのキャリアが提供するQRコード決済を選ぶと、ポイント還元率が高くなったり、支払いの手間が省けたりするなどのメリットがあります。
2.使っているカードで選ぶ
所有しているクレジットカードと同系列のQRコード決済を選べば、ポイント還元率が大幅にアップすることがあります。
3.会員登録しているサービスで選ぶ
LINEを使っているならLINE Pay、楽天会員なら楽天ペイというように、会員登録しているサービスのQRコード決済を選ぶと、新たにアカウントを作成する手間が省けます。
4.個人情報を知られたくないなら現金チャージできるQRコード決済がおすすめ
クレジットカードや銀行口座などの個人情報を知られたくないという方は、現金でチャージができるQRコード決済がおすすめです。
QRコード決済シェア
MMD研究所が18歳~69歳の男女45,000人を対象に行った「2021年1月スマートフォン決済(QRコード)利用動向調査」によると、QRコード決済を含むスマホ決済を普段の支払い方法として使っているのは41.2%で、現金やクレジットカードに次ぐ3番目となっています。
年別比較でみると、2020年7月に比べて「スマホ決済」は3.4ポイントの上昇と、もっとも増加していることがわかります。
QRコード決済を現在利用している人に、「もっとも利用しているQRコード決済サービス」を聞いた結果は、トップが「PayPay」の43.1%、次いで「d払い」18.2%、3番目は「楽天ペイ」の15.4%となっています。
QRコード決済の利用を検討していると回答した人に「もっとも利用を検討しているQRコード決済サービス」を聞いた結果は、トップは「PayPay」の20.2%、次いで「楽天ペイ」18.7%、3番目は「d払い」の16.2%となっています。
QRコードシェア率などを参考にして使いやすいサービスを選ぼう!
QRコード決済には、現金を取り出さなくても素早く決済ができるというメリットがあります。各社独自のポイント還元制度があるのも魅力です。
さまざまなQRコード決済がありますが、今回紹介した各社の比較やシェア率を参考にして、自分にとって使いやすいサービスを選んでみてください。