カシオ計算機がインドネシアとタイで手がける数学教育事業が、文部科学省「日本型教育の海外展開(EDU-Portニッポン)」応援プロジェクトに採択された。

EDU-Portニッポンは、日本型教育の海外展開を推進する官民協働の事業。世界各国が注目する日本の教育システムやコンテンツを海外へ展開し、2016年の開始以降、世界で36の国と地域で実績がある。

カシオは以前から、学校現場で関数電卓の普及を図る「GAKUHAN」活動をグローバルで実施。インドネシアとタイでは2008年に活動を開始している。今回、授業開発を通じて教育の向上を目指すプロジェクトとして、海外展開モデルとなることを期待して「応援プロジェクト」に選ばれた。

  • 関数電卓を活用した授業(インドネシア・西スマトラ州)

インドネシアとタイは、教育政策として「自ら考え学び続ける」人材の育成を推進。カシオのGAKUHAN活動では、関数電卓を用いて考える力や問題解決能力の養成を重視した授業の定着を図っていく。さらに、インドネシアにおいては産業人材の育成や日系企業への雇用促進、タイでは都市部と地方の教育格差解消を目指すとしている。

具体的な取り組みとしては、学習指導案や教師向け・生徒向け教材の作成、関数電卓のエミュレータソフトや模擬授業による活用方法・授業ノウハウを現地の教員にトレーニング、地域ごとにモデル校を設定して学習指導方法を実践――などがある。