QRコード決済とは、支払い時に現金を使わないキャッシュレス決済のひとつ。スマホに表示させたQRコードやバーコードで支払います。2019年には国主導で「キャッシュレス・ポイント還元事業」が行われ、2020年には統一QRの「JPQR」が導入されました。マイナンバーと紐づいた「マイナポイント事業」も実施されています。

この記事ではQRコード決済の仕組みと選ぶときのポイントに加え、シェア率の高い7社のサービスをご紹介します。これからQRコード決済を使用したいと考えている方はぜひ参考にしてください。

  • QRコード決済とは

    QRコード決済について解説します

QRコード決済とは

QRコード決済とはスマホに表示されたQRコード(バーコード)を使用した支払い方法のひとつ。表示されるQRコードは支払い情報とリンクしており、登録している銀行口座やクレジットカードから利用額が引き落とされます。

海外では中国の「Alipay(アリペイ)」がトップクラスで、国内でもPayPayや楽天ペイ、LINE PayなどのIT企業やクレジットカード会社などが次々と参入しています。

街での買い物だけではなく、ネットショッピングや公共料金の支払いにも使えるので便利です。使用するにはスマホに専用アプリをインストールしましょう。

国が推進する「JPQR」「マイナポイント事業」

海外ではキャッシュレス決済の比率が40~60%なのに対し、日本は約20%と低いことが課題となっています。国は2025年までに40%となるのを目指して、キャッシュレス推進政策を進め利用シーンの拡大を図っています。主なものが「JPQR」と「マイナポイント事業」です。

  • JPQR
    2019年より決済用QRコードをひとつにまとめた「JPQR」事業がスタートしました。参加事業者数も増えており、国内で利用できるQRコード決済のほとんどに対応しています。店舗側が導入しやすいように導入費・維持費は無料。QRコードが一本化されると決済がスピーディーになり、ユーザーにとってもメリットとなります。

  • マイナポイント事業
    2020年9月1日~2021年9月30日までにマイナンバーカードに紐づけたキャッシュレス決済が対象。2021年4月30日までに申請されたマイナンバーカードを使って、期間内にマイナポイントを申し込んでキャッシュレス決済をすれば、ポイント還元を受けられます。

ほかにも自治体のキャッシュレス化など、さまざまな政策が進められています。

  • QRコード決済とは

    キャッシュレス決済の魅力はポイント還元という方も多いのではないでしょうか

QRコード決済の支払い方法は目的に合わせて選ぶ

QRコード決済の支払い方法には「クレジットカード」と「プリペイド式」があります。それぞれの特徴をご紹介します。

ポイント還元重視なら断然「クレジットカード」

QRコード決済の利用額をクレジットカードで支払うと、クレジットカードに付帯しているポイントが貯まります。請求はクレジットカードの利用額とまとめられるため、実質はクレジットカード払いと変わりません。ただし、支払い時に分割払いはできないので注意してください。

QRコード決済と同じ会社のクレジットカードを登録すれば、ポイントの還元率が上がる可能性もあります。

現金派にも導入しやすいのが「プリペイド式」

プリペイド式は使う分だけ、都度チャージする方法です。使えるのはチャージされた金額だけなので使いすぎてしまう心配がなく、現金派でもキャッシュレス決済を導入しやすいでしょう。

チャージする金額は、事前に登録した銀行口座やクレジットカードから差し引かれます。チャージ分を使い切ったらそれ以上の決済はできません。決済時に「チャージ金額が足りない」とならないよう、残高はこまめにチェックしましょう。

  • QRコード決済の支払い方法は目的に合わせて選ぶ

    自分が管理しやすい支払い方法を選びましょう

加盟店舗数・利用可能なサービスは?

QRコード決済を選ぶ際に目安となるのが、加盟店数です。ポイント還元などの特典は、加盟店が多いほど受けられる機会が増えるからです。

訪れた店が加盟店である場合は、出入り口やレジのまわりにQRコード決済のステッカーが貼られているのでチェックしましょう。

利用可能なサービスはほかにも、オンライン決済や送金機能、電子マネーへのチャージ、公共料金の請求書払いなどがあります。

  • 加盟店舗数・利用可能なサービスは?

    自分に合うサービスからQRコード決済サービスを選びましょう

キャンペーンと併用すればポイント高還元も可能

QRコード決済サービスは利用促進を目的に、ポイント還元キャンペーンを開催しています。特定商品の購入やサービスの利用、チャージなどでボーナスポイントが還元されることもあります。

QRコード決済サービスによっては、エントリーしなければキャンペーンが適用されないものもあります。まずは公式サイトでチェックしてみましょう。

  • キャンペーンと併用すればポイント高還元も可能

    ポイント還元を狙ってこまめにキャンペーンをチェックしましょう

不正利用を防ぐためにセキュリティもチェック

QRコード決済の利用にあたり、不正アクセスなどセキュリティに不安を感じている方もいるでしょう。各社は不正利用を防ぐためにアプリに2段階認証や暗号化技術、端末認証などを施し、セキュリティ対策を万全にしています。

アプリだけではなく、登録しているクレジットカードや銀行口座などのセキュリティをはじめ、スマホを紛失した際の利用停止方法や身に覚えのない請求時の対応も確認しておくと安心です。

  • 不正利用を防ぐためにセキュリティもチェック

    スマホに表示されたQRコードは一定時間で無効となるため、セキュリティ面で安心です

QRコード決済を徹底比較! シェア率の高い7社を紹介

QRコード決済サービスの中でシェア率の高い7社を紹介します。支払い方法や加盟店数、ポイント還元、セキュリティなどに着目してみてください。

PayPay

店舗側が0円でQRコード決済を導入できることから、加盟店を広げているPayPay。飲食店やスーパー、ドラッグストアなどあらゆるところで利用できます。

チャージ 銀行口座・クレジットカード・ATM(現金)・ヤフオク、PayPayフリマの売上金
加盟店数 約328万カ所
ポイント還元率 0.5~15%
※キャンペーンや特典との組み合わせで変動
サービス 出金・送金・わりかん機能・タクシー配車・請求書払い・投資体験・オンライン決済・デリバリー注文・テイクアウト注文・クーポン・カードきせかえ など
セキュリティ 本人認証サービス(3Dセキュア)・2段階認証(SMS認証)・かんたん確認(eKYC)・クレジットカードや口座情報の暗号化・不正利用検知で即アカウント利用停止・24時間365日監視

アカウントの乗っ取りや銀行口座の盗用、スマホの紛失や盗難被害に遭った際の不正利用は全額補償してくれるので安心です。

楽天ペイ

楽天が運営するQRコード決済サービスの楽天ペイは、交通系ICカードのSuicaへチャージすることも可能です。加盟店や利用可能店舗も増加し、さらに利用しやすくなっています。

チャージ 銀行口座・クレジットカード・楽天銀行・楽天カード・ラクマ
加盟店数 約500万カ所
ポイント還元率 楽天カードからの支払いで100円ごとに1ポイント
Suicaへのチャージの場合は0.5%
サービス オンライン決済・楽天ポイントのSuicaチャージ・支払いに楽天ポイントを利用 など
セキュリティ SMS認証・端末認証・本人認証サービス(3Dセキュア)・利用内容確認・盗難紛失の際の利用停止申請・不正利用時の補償制度・利用上限金額の設定(支払方法で異なる)

楽天ペイはグループが警視庁と連携して、サイバー犯罪を未然に防ぐための強化をおこなっています。支払い額に上限があるところも安心です。

d払い

ドコモ回線利用者におすすめのQRコード決済がd払い。利用額は回線利用料金と合わせて請求されるので便利です。銀行口座も選べるため、クレジットカードの登録に不安がある方も安心して使えます。

チャージ クレジットカード・銀行口座・コンビニATM(現金)
加盟店数 約266万カ所
ポイント還元率 街のお店で200円につき0.5ポイント~
ネットのお店で100円につき1ポイント~
※支払方法や利用店舗、キャンペーンとの組み合わせで異なる
サービス 電話料金合算払い・出金・送金・オンライン決済・請求書払い(公共料金、税金など)・予約・注文(レストラン、タクシーなど)・クーポン など
セキュリティ 本人認証サービス(3Dセキュア)・2段階認証・回線認証・不正利用被害の補償制度・ご利用限度額の設定・フィッシング被害防止に向けた取り組み

dポイントカードを持っていれば、d払い時に提示しましょう。d払いによるポイントに加え、dポイントカードにもポイントが付与されダブルでお得です。dポイントカードはモバイル版も用意されているので、カードを持ち歩く必要もありません。

au PAY

KDDIが運営するQRコード決済サービスのau PAY。利用額に応じてPontaポイントが貯まります。au PAYカードで支払えば1.5%のポイント還元を受けることができます。

チャージ au PAYプリペイドカード・クレジットカード・銀行(auじぶん銀行など)・コンビニATM(ローソン銀行・セブン銀行)
加盟店数 約355万カ所
ポイント還元率 200円の買い物で1ポイント
※キャンペーンとの組み合わせで還元率は異なる
サービス オンライン決済・請求書払い・送金と払出(auじぶん銀行口座限定)・Apple Pay など
セキュリティ 2段階認証・SSL(TSL)暗号化・画面ロック(要端末操作)

不正利用時の補償制度もあるので、安心して使用できます。

LINE Pay

SNSアプリLINEが運営しているQRコード決済サービスのLINE Pay。利用額に応じてLINEポイントが貯められます。

チャージ 銀行口座・セブン銀行ATM・LINE Payカード・クレジットカード・Famiポート・東急線券売機
加盟店数 約309万カ所
ポイント還元率 チャージ&ペイで0.5%
※キャンペーンとの組み合わせで還元率は異なる
サービス 送金(電話番号、メールも可)・送金依頼機能・出金(セブン銀行)・請求書支払い・オンライン支払い・クーポン・支払いリンク決済 など
セキュリティ 24時間365日モニタリング体制・情報の暗号化・本人認証(3Dセキュア)・利用履歴の通知(LINE)

LINEポイントは、LINEのスタンプや着せかえに使うことも可能。LINEユーザーなら要チェックです。

メルペイ

フリマアプリのメルカリが運営するQRコード決済のメルペイは、QRコード決済だけではなく、iD決済にも対応。現金チャージのメルペイ残高とメルカリポイントの2種類が支払いに使えますが、iD・コード決済時に優先されるのはメルカリポイントです。

チャージ メルカリ売上金で購入したポイント・銀行口座・セブン銀行ATM
加盟店数 約170万カ所
ポイント還元率 メルペイ決済によるポイント還元はなし
※不定期にポイント還元キャンペーンを開催
サービス iD決済・メルペイスマート払い(後払い)・自動チャージ(メルカリ売上金)・出金(銀行口座) など
セキュリティ 2段階認証・24時間365日モニタリング・不正利用時の補償とサポート など

メルペイは利用額に応じたポイント還元は受けられませんが、メルカリの売上金をスムーズに買い物に使えることが大きなメリットです。メルカリユーザーには使いやすいサービスといえます。

ゆうちょPay

日本郵政が運営するQRコード決済のゆうちょPay。利用額はデビットカードのようにゆうちょ口座から即時引き落とされるので、現金派もスタートしやすいQRコード決済です。

チャージ ゆうちょ口座
加盟店数 不明
※ゆうちょPay・銀行Pay・Smart Codeのマークがある店舗
ポイント還元率 ゆうちょPay決済によるポイント還元はなし
※不定期にポイント還元キャンペーンを開催
サービス 東急線券売機でのキャッシュアウト(貯金引出)・口座残高確認・クーポン・マルチバンク決済機能・請求書支払い など
セキュリティ 口座設定時の電話番号による本人認証・不正利用判明時の利用停止

スマホとゆうちょ口座を持っている方なら気軽に始められます。

  • QRコード決済を徹底比較! シェア率の高い7社を紹介

    スマホに専用アプリをインストールしてみましょう

QRコード決済でお得にお買い物を楽しもう

QRコード決済といえばポイント還元が最大の魅力ですが、ほかにも非接触で決済できる、決済スピードが速いなどのメリットがあります。また釣り銭ミスを防げるのは店舗側にもうれしいポイントです。

チャージ元には銀行口座やクレジットカードのほか、コンビニATMからの現金などがあります。自分のスタイルに合う方法を選びましょう。

国はキャッシュレス決済を推進しているため、こうしたQRコード決済はこれからますます普及していくはず。各社のサービスを比較検討して、この機会に始めてみませんか。