現在公開中の映画『セイバー+ゼンカイジャー スーパーヒーロー戦記』は、仮面ライダーの誕生50周年とスーパー戦隊シリーズ45作品を祝う、かつてない大スケールのダブルアニバーサリー作品である。

  • 山口貴也(やまぐち・たかや)。1997年生まれ。神奈川県出身。映画『OUT OF THE BLUE~俺の人生無駄ばかり~』(2019年)、AbemaTVのリアリティショー『オオカミくんには騙されない』(2017年)、各社CMなどに出演。趣味はドライブ、スニーカー、特技はサッカー、泡立て。『仮面ライダーセイバー』の新堂倫太郎/仮面ライダーブレイズ役でテレビドラマ初出演(初レギュラー)を果たす。撮影:大門徹

最強の敵・アスモデウス(演:谷田歩)により、世界を揺るがす危険な“禁書”が解放され、仮面ライダーセイバー/神山飛羽真(演:内藤秀一郎)はスーパー戦隊シリーズ『機界戦隊ゼンカイジャー』の世界に、そしてゼンカイザー/五色田介人(演:駒木根葵汰)は仮面ライダーシリーズ『仮面ライダーセイバー』の世界に飛ばされてしまった。「現実」と「物語」の境界があいまいになり、混ざり合った世界を元に戻すべく、飛羽真と介人は歴代仮面ライダー、歴代スーパー戦隊の力を結集させ、最大の戦いに向かう……。

映画の公開を記念し、『仮面ライダーセイバー』でセイバー/飛羽真の心強い味方となって勇敢に戦う“水の剣士”仮面ライダーブレイズ/新堂倫太郎を演じる山口貴也に単独インタビューを敢行。『仮面ライダーセイバー』テレビシリーズの放送がいよいよ最大のクライマックスを迎える中、山口がこの1年間で得られた“大切なもの”とは何か。そして、歴代仮面ライダー、歴代スーパー戦隊が結集した今回の映画で、ブレイズはどんな活躍をするのだろうか。劇中の倫太郎と同じく、幾度となく鍛錬を重ねて困難を乗り越えてきたたくましさと、周りの空気を澄み渡らせるほどのさわやかさを併せ持った山口から、『セイバー+ゼンカイジャー スーパーヒーロー戦記』の見どころを訊いた。

――つい先日『仮面ライダーセイバー』テレビシリーズがクランクアップしたそうですね。テレビシリーズの中で、特に忘れられないエピソードはどれですか?

すべてのエピソードに全力を注いできましたが、全体を見渡していちばん気持ちが乗って倫太郎を演じることができたかな、と思えるのは、第31章の石田組(石田秀範監督)と第32章の杉原組(杉原輝昭監督)です。倫太郎が自分の迷いを打ち破って、ふたたび飛羽真と思いをひとつにした第31章、そして「ブレイズ タテガミ氷獣戦記」に変身してズオス(ズオス・プレデター)を倒すまでを描いた第32章。僕のお芝居だけじゃなくて、他の方たちが倫太郎のことをどう思っているかも気になったほど、愛着のあるエピソードとなりました。

――ファンの方たちから寄せられた番組の感想や応援メッセージを読まれることはありますか。

もちろんです。『仮面ライダーセイバー』の放送がある日曜の午前は、SNSでみなさんから寄せられる感想をチェックするのがとても楽しく、励みになっています。放送前日に「倫太郎頑張って!」と、応援の言葉をかけてくださる方もいらっしゃいました。心に残っているのは、やはり第32章が放送された後、「タテガミ氷獣戦記に変身したときは、今まででいちばん泣きました!」という声をたくさんいただいて、すごく嬉しかったことです。僕自身、台本を読んだとき、迷いや苦しみを乗り越えて最強の姿になれた倫太郎に勇気をもらいましたが、応援してくださる方たちのメッセージからも強い“力”を授かった思いです。

――今年は昨年から続く“コロナ禍”の影響で、ファンのみなさんと直接交流のできるイベントがなく、とても残念でした。なかなか難しいとは思いますが、ブレイズ/倫太郎と子どもたちが直接交流する機会があったりしましたか。

外出しているとき、幼稚園の子どもたちが歩いているところに遭遇したことがありました。かなり距離があったのですが、そのとき「あっ、倫太郎だ」みたいな反応をしてくれた子が何人かいましたね。でも、こちらから近寄っていくことができず、騒がれることもなく、ちょっと寂しかったです。あと、撮影現場にスタッフの方々がお子さんを連れてきていたことが何度かあって、そのときは「こんにちは~、倫太郎だよ」って声をかけたりしました。でも、子どもたちは飛羽真(内藤秀一郎)や芽依さん(川津明日香)には親しそうに話しかけるんだけど、僕を見るとなぜか緊張したり、物陰に隠れたりするんです。なぜでしょうね(笑)。

――それはもちろん、ストイックで生真面目な剣士・倫太郎に憧れる子どもたちならではのリアクションだと思います! 好きだからこそ、近寄りがたいといいますか。

倫太郎が子どもたちから愛されているのを知ると本当に嬉しいですし、力がわいてきます。SNSで、僕の大好きなサッカー選手の方がお子さんと一緒の写真をアップされているんですが、その子がブレイズのベルトを着けていたり、ワンダーライドブックを持っていたりするのを見て、とても感激しました。