米国時間の7月20日、プライバシー保護を重視した検索サービスなどを提供している米DuckDuckGoが、Eメールトラッカーをブロックする新サービス「Email Protection」(ベータ)を発表した。

Email Protectionは、「(ユーザー名)@duck.com」という無料のメールアドレスをユーザーに発行する(パーソナルDuckアドレス)。そのメールアドレスに送られてきたメールからメールトラッカーを削除してユーザーの個人メールアドレスにメールを送信する。分析・削除はDuckDuckGoのサーバーのメモリーで実行され、ユーザーのメールをDuckDuckGoが読み取ったり、ディスクなどに保存することはない。

  • Email Protection(ベータ)

    パーソナルDuckアドレスに届いたメールからMailchimpやGoogleのトラッカーを取り除いてユーザーの個人アドレスに送信

メールトラッカーによって、ユーザーのメッセージの開封、開いた時間や場所、使用しているデバイスといった情報が収集され、それらがターゲット広告のためのプロフィールに利用される可能性がある。「I never signed up for this! Privacy implications of email tracking」(2018)という論文によると、Eメールの約70%に少なくとも1つ以上のトラッカーが埋め込まれている。

Appleが今年秋に正式版をリリースする次期OSで「メールプライバシー保護」や「メール非公開」といったメール追跡対策や個人メールアドレス保護を導入する予定だが、それらの利用はApple製品に限られる。DuckDuckGoのソリューションはクロスプラットフォームで利用可能。従来のソリューションのようにメールサービスを変更する必要はなく、メール内の画像が全て非表示になるような使用体験の減退もない。

パーソナルDuckアドレスはDuckDuckGoアプリや拡張機能を使って管理し、不要になったり、または迷惑メールの入り口になって使いづらくなった時などには簡単に無効化できる。使い捨て用のプライベートDuckアドレスを生成することも可能。

DuckDuckGoは20日にEmail Protectionのウェイトリストへの登録受け付けを開始した。登録は「DuckDuckGo」アプリ(iOS、Android)で、アプリの設定(歯車ボタン)の[Email Protection]から行う。