日本生産性本部は7月16日、新型コロナウイルス感染症が組織で働く人の意識に及ぼす影響に関する継続調査「働く人の意識調査」(第6回)の結果を発表。調査は7月5日~6日、日本の企業・団体に雇用されている20歳以上の男女1,100名を対象にインターネットで行われた。
現在の日本の景気をどのように感じているか聞いたところ、「やや悪い」「悪い」が69.4%と、2020年7月の第2回調査以来、初めて7割を下回った。また、今後の景気見通しについても「良くなる」「やや良くなる」といった楽観的な見通しの合計は17.3%と決して多くはないものの過去最多に。逆に「やや悪くなる」「悪くなる」という悲観的な見通しの合計も42.7%と、過去最少となった。
また、政府(国)に対する信頼性に関しては、「信頼していない(全く+あまり)」が76.9%と過去最多を記録。同様に、都道府県に対しての「信頼していない」計も61.6%と過去最多となり、行政への信頼性に回復の兆しは見られない状況と言える結果となった。
次に、兼業・副業の実施意向を尋ねたところ、「現在、兼業・副業を行っている」は、4月調査の9.9%から7.2%に減少。
兼業・副業を行っている人に対し、「兼業・副業のポジティブな側面」を教えてもらったところ、「発想や考え方の幅が広がった」(69.6%)、「新しいスキルや能力を身に付けることができた」(65.8%)、「自分の強みや弱みに気が付いた」(63.3%)が上位に。一方、「ネガティブな側面」としては、「期待したほど収入増に結び付かなかった」(55.7%)、「負担感や疲労感が強まった」(48.1%)が上位に並んだ。
近年、日本の雇用システムに関して、人に仕事を付ける「メンバーシップ型」と、仕事に人を付ける「ジョブ型」の議論が盛んに行われているが、雇用者は自分の仕事のキャリアをつくっていく上で、どちらの働き方を希望しているのだろうか。質問したところ、「ジョブ型」(仕事内容や勤務条件を優先し、同じ勤め先にはこだわらない)が66.3%と、「メンバーシップ型」(同じ勤め先で長く働き、異動や転勤の命令があった場合は受け入れる)の33.7%を大きく上回る結果に。
また、「仕事内容」「勤務地」「勤務時間」のいずれかの条件が限定できる働き方が可能な場合に、どの条件を優先するのか順位を回答してもらった結果、1位「仕事内容」、2位「勤務地」、3位「勤務時間」となった。
次に、テレワークの実施率を調べたところ、20.4%と4月調査(19.2%)より僅かに増加。テレワーカーの直近1週間における出勤日数は「0日」(完全テレワーカー)が11.6%と過去最少をなり、実施日数からオフィス勤務への回帰が進んでいることが読み取れた。
在宅勤務の効率については、「(やや)上がった」が59.1%と、調査開始後初めて減少。また、コロナ禍収束後の継続意志も4月調査(76.8%)より微減の74.1%と、効率や満足度と合わせて「テレワーク疲れ」が懸念される結果となった。