ミュージカル界の貴公子、プリンスと呼ばれ、連続テレビ小説『エール』では、ミュージックティーチャーのスター御手洗として人気を集めた古川雄大の、連続ドラマ初主演作『女の戦争~バチェラー殺人事件~』(テレビ東京 毎週土曜日23:25〜)が放送中だ。
本作は古川演じる、華麗でハイスペックな御曹司バチェラー・鳴戸哲也を巡る女性7人のバトルを描く愛憎サスペンス。初回から新郎姿の哲也が血を流して死んでいるところから幕を開けた物語は、さかのぼって誰が犯人なのか、予想できない展開が進むが、古川の御曹司っぷりが「ほんと王子様」「神々しい」「ハマり役」と早くも好評を博している。
さぞかし学生時代からモテたはず! と古川を直撃すると、騒がれたのは「軽音部での文化祭のときだけ」と謙遜しながら、さらに過去におよんだ小学生時代にはわんぱくだったと意外な素顔を告白。また、夏に予定されている初めてのミュージカルコンサートへの“攻め”の姿勢も聞いた。
■葵わかなとは舞台とあわせて3度目の共演に
――連ドラ初主演作ですね。
ひとつの目標ではありましたが、こんなに早いタイミングでのお話にビックリしたのが最初です。そこから徐々に嬉しさがこみあげてきた感じです。
――古川さんは舞台でも死にまつわる役柄が多かったですが、今回も……。
初回に死ぬんですよね(苦笑)。そこから遡っていくんですが、主人公が最初に死ぬなんて、面白いなと思いました。すごく引きがあるなと。言われてみると死にまつわる役柄が多いですよね。3回目の共演になった葵さんとは、「いつも僕の役が死んじゃってるね」という会話をしました(苦笑)
――以前、『トップナイフ』の天海祐希さんや、『エール』の窪田正孝さん、二階堂ふみさんたちから、現場でのフラットな姿を学んだとお話されていました。今回、主演として立って、どんなことを心がけましたか?
フラットでいたいなとは思っていました。客観的に見てどうだったのか分かりませんが、自分からスタッフ、キャストのみなさんによく話しかけたり、コミュニケーションを取るようにはしています。映像作品でも色々な現場を経験して、明るい現場であればいいなと感じたので、意識していました。
■モテモテ御曹司がハマり役も、学生時代はモテなかった?
――女性キャストに囲まれた現場ですが、女性に囲まれるのは得意ですか?
得意ではないです。でも監督をはじめとするスタッフさんがいい空気を作ってくださって、チームとして出来上がっていて、とてもいい環境です。みんなでリラックスしながら、締めるところはきっちり引き締めるといった素敵な現場です。キャストのみなさんもみなさんフランクです。
――御曹司役です。初主演ドラマでのそうした役回りには納得ですか?
自分自身とのギャップは激しいんです。でもこれまで舞台で皇太子役などをやらせていただいてきているので、そうしたイメージで抜擢していただいたのかなと思います。
――学生時代からモテモテだったのでは? バレンタインデーは大変だったり。
ないです。モテて生きてこなかったので(笑)。もちろん多少はありますけど、そんなにモテてはいないです。
――口数が少なくて、クールに見えて話しかけづらかったとか。「実はモテてたんだよ」と後で聞いたりは?
確かにわ~っと騒ぐような明るいタイプではないですし、あまりしゃべるほうではありませんでしたが、実はモテていたとか、言われたことはないです。話しかけづらかったんだというパターンであってほしいです(笑)
――でも古川さんは高校時代、軽音部でもあったんですよね。やっぱり人気がありそうです。
文化祭とか何かあるときには「きゃ~」とかみんなが言ってくれるので、そのときだけはスターになった気分でした。
■長野で育った子ども時代はわんぱくだった
――長野県ご出身ですが、子ども時代のわんぱくエピソードなどはありますか?
騒ぐタイプではなかったとお話しましたが、小さい頃はすごく明るかったんです。リーダーシップも取って率先して外で遊ぼうと声をかけているタイプでした。鬼ごっこしたり、かくれんぼしたり、ドロケーをしたり。川に入って魚も取りましたし、山にも遊びに行っていました。秘密基地を作っていたこともありますね。大きめのヘビが出てすぐやめましたけど(笑)。当時は同年代とだけじゃなくて、小1から小6まで、年が離れていても上下関係もありませんでしたし、みんなで仲良く遊んでいました。
――現在は貴公子のイメージがありつつ、実は天然キャラだとの噂もあります。
今回の現場でも言われました。僕は「天然じゃないです」と言ったんですけど、天然な人はそう言うんだということで落ち着いちゃったんですけど(苦笑)。なんですかね。何かミスをした際の反応が天然っぽいのかな? この前のドラマでも、ある役名をずっと間違えて覚えていて。
――『極主夫道』のときに佐渡島さん(安井順平)の名前を間違えていたというエピソードですか?
いえ、あれは比になりません。散々そのキャラクターの名前が飛び交うお芝居をしていたのに、緊迫したシーンで名前を呼ぶときに思い切り間違えてしまって(苦笑)。でもそういうときにも、片手を頭に添えて「アッハハハ! すみません!」みたいな感じなので、そういうのが天然っぽいんでしょうか。自分ではよくわからないんですけど(苦笑)
■初のミュージカルコンサート含め、これからも攻めの姿勢で
――プライベートでは甥っ子ちゃんを溺愛しているとか。
前はしょっちゅう会ってましたが、最近は全く会えてないんです。古川家のトークグループがあるので、そこで情報が送られてきているのを見て、現在の甥っ子の状態を把握しています。会っていたときは一緒にゲームしたり、おもちゃ屋さんに出かけたりしてました。
――こんなに可愛がれるものなんだなと驚いていますか?
もともと子どもは好きなんです。なので可愛がるだろうなとは思ってました。最近はもうこんなに大人っぽくなってきたんだという感じです。
――お仕事では、夏に初のミュージカルコンサート(『古川雄大 The Greatest Concert vol.1 -collection of musicals-』)も控えていますね。
これまでのライブは、舞台上で普段見せていない、割と素の部分を見せたホームを感じさせるものでした。それが今回のミュージカルコンサートでは、完全にショーアップされた、カチっとした世界観で、ちゃんと魅せて聴かせるものになっています。ちょっとした息を抜くような逃げ場がないというか、今までやったことのない要素もかなり入れています。高いハードルですが、自分自身がやりたかったことなので。セットリストも攻めた内容になる予定です。
――「○○」(※曲名はまだ非公開)は歌う予定ですか?
これから変わるかもしれませんが、今のところはセットリストに入れています。
――それは攻めてますね!
はい、攻めてます(笑)。楽しみにしていただきたいです。
――今回の主演ドラマも最後まで楽しみです。最後にメッセージをお願いします。
連続ドラマの主演という、ひとつの夢、目標が叶ったので、この先もまた自分が設定している目標に向かっていけたらと思っています。そのためにも目の前のことに全力で取り組みながら、コンサートなどにも挑戦していきます。みなさんも一緒についてきていただけたら嬉しいです。
■古川雄大
1987年7月9日生まれ、長野県出身。2007年にテレビドラマで俳優としてデビューし、同年12月にミュージカル『テニスの王子様』の不二周助役で初舞台に立つ。12年には『エリザベート』のルドルフ役で帝国劇場の舞台に立ち、本格派のミュージカル俳優として歩み始めた。19年には『モーツァルト!』『マリー・アントワネット』『ロミオ&ジュリエット』にて第44回菊田一夫演劇賞演劇賞を受賞。同年『エリザベート』のトート役を務めた。近年では『トップナイフ-天才脳外科医の条件-』(20年)、NHK連続テレビ小説『エール』(20年)、映画『コンフィデンスマンJP プリンセス編』(20年)など映像作品でも印象を残しており、『女の戦争~バチェラー殺人事件~』がテレビドラマ初主演作となる。