ヤマハ発動機は、アプリ「Yamaha Motorcycle Connect(Y-Connect)」と、アプリに対応する125㏄スクーター「NMAX ABS」の国内導入を完了させた。同アプリに対応する二輪車製品は、インドネシアを皮切りに2000年からアジアや欧州各国に順次導入されており、2024年までに累計400万台まで広げていく計画だという。

  • スマートフォン専用アプリ「Y-Connect」

「Y-Connect」は、情報交換を担う「CCU(Communication Control Unit)」が搭載されている車両とペアリングすることで、バイクライフに役立つさまざまな情報が得られるアプリ。

燃費管理やメンテナンスタイミングのお知らせ、最後に駐車した位置の確認など、さまざまな情報をリアルタイムでライダーに知らせる機能が搭載されている。万一、車両にトラブルが発生した場合には、事前に登録したメールアドレスにその連絡が自動送信される機能なども付いている。

同社MCつながる推進グループの山田宗幸氏は、国内導入が終わった現在、「市場からの期待の高まりを感じています」と語っている。同時に、「お客様、販売店様、同社にとってのメリットもしっかり創出していなかくてはなりません。『三方よし』となって、はじめてそのつながりがより良い方向に発展していくと考えています」とも話す。

  • 同社MCつながる推進グループの山田宗幸氏

四輪車がコネクテッドで先行している現状は、その先に控える自動運転を考えればいわば必然のプロセス。しかし二輪車では、何のためにつながるのか、つながることでどんな価値を提供できるのかといったところから丁寧に提示していく必要があると考えているという。

世界中からリアルタイムで集まるバイクライフに関わるビッグデータを、どのように生かしていくべきかについて、山田氏は2つの方向感を示した。そのひとつは、かたちを整えて顧客に返していくことだという。具体的には、「より楽しく豊かなバイクライフのために、走行データによってパーソナライズしたツーリングの提案」などを挙げた。

二つ目は、より良い製品開発や品質保証のために、社内で顧客のバイクライフのデータを活用してくというもの。山田氏は、「いずれにしても、販売店様を含めた『三方よし』が大前提。将来的には、二輪車以外の当社製品にもコネクテッドの機能が広がっていくはず。そうなれば、お客様のライフステージやライフスタイルに合わせて、ヤマハ発動機らしい、当社ならではのサポートを生み出せると考えています。そこを目指していきたい」と語った。

  • 専用アプリでつながる「NMAX ABS」(原付2種)