フジテレビジョンと森アーツセンターは7月16日~10月11日、「KAWS TKYO FIRST Sponsered by DUO」展を森アーツセンターギャラリー(六本木ヒルズ森タワー52階)で開催します。一足早く会場を回れたので、見どころを紹介します。
KAWSという作家のストーリーを体験
裏原時代をリアルで体験したオジサンからすると、KAWSはストリートカルチャーを代表する存在です。90年代は紙媒体がまだ力を持っていて、ファッション誌やカルチャー誌で「両目がXXになったキャラクター」がよく紹介されていました。
同じニューヨークで活動するアーティストのFUTURA(フューチュラ)もそうですが、当時から現在まで第一線で活躍し続けているのは凄いことですよね。
この20年でグラフィックデザイン、プロダクトデザイン、ストリートアートから巨大彫刻まで手掛け、さらにはアート作品以外にもファッションブランドとのコラボレーションモデルも出すなどその行動量はとんでもないレベルだと思います。
そして国内初となる今回の大型展覧会は150点を超える作品を展示するだけでなく、展覧会のタイトルが2001年に渋谷パルコで開催された個展と同じ名前にしたのは「原点回帰」という思いが込められているそうです。
そんな今回の展覧会では作品だけでなく自身のプライベートコレクションも展示されています。そうした点も含め、今回の展示についてKAWSは次のように話します。
「今回のような大きな展覧会では一つのことに焦点を当てる必要がないと思います。むしろ『KAWSという作家』全体のストーリーを体験し、包括的に判断してもらえるのではないでしょうか。また『私が何に興味を持ったのか』を、作品を通して時代の変遷から知ってもらえるでしょう」
初期作品から最新作まで盛りだくさん
会場で展示される作品ですが、初期のものから最新作まで盛りだくさん。内容も、絵画から彫刻、さらにAR(拡張現実)技術を利用したものまであるので時間があっという間に過ぎる感覚です。
また筆者のように、KAWSの作品をそこまで詳しく知らなくても「無料の音声ガイド」が用意され、スマートフォンで簡単に利用できます。
作品もすごく楽しめますが、コレクションを展示し自身のスタジオを再現した展示も興味深いです。KAWSがどんなものに接し、コレクション内容がどう変わってきたのかを見ることができます。いわばアイデアの源泉をたどる形ですね。
体験型の展示から限定アイテムの販売も
単なる作品鑑賞だけでなく、子どもと家族向けに企画されたインタラクティブ展示「KAWS:PLAYTIME」も用意されています。
KAWSのキャラクターBFFと友情の概念に影響を受けてできた体験型の内容で、来訪者の顔にフィルターをかけて画像や動画に仕上げてくれる遊び心あふれる企画です。スマートフォンで簡単に遊べました。
さらに、会場の外では展覧会を記念した限定アイテムを販売しています。
定番? のキャラクターフィギアだけでなく、ひよ子本舗吉野堂とコラボした「ひよ子」、裏原と関係が深いKAWSらしい「吉田カバンとのコラボレーションモデル」など、さまざまなものが登場しています。※一部の商品は事前抽選を実施して販売
最初から最後まで、思う存分「KAWSの世界」を満喫できる本展覧会、昔からのファンだけでなく、最近KAWSを知った若い世代も楽しめるのではないでしょうか。