人間と犬の愛情物語にハズレなし――。
そう断言できるほど、このテーマを扱った映画や小説は、いつも私たちに大きな感動を与えてくれます。渋谷駅のシンボルにもなっている『忠犬ハチ公』が代表例ですが、人間と犬の感動的なつながりが垣間見えるシーンは、もっと何気ない日常にも潜んでいるようです。
現在、広く話題になっているのが、ツイッターユーザー「葦原 啓(@misosirukk)」さんが投稿した1枚絵の漫画。そこには、犬の散歩をしているご高齢の女性の姿が描かれていたのですが……。
この間 すごい犬いた(@misosirukkより引用)
なんと、ワンちゃんの首輪にはリードがつながっておらず、それに気付いたワンちゃんが自ら口でリードをくわえ、さもつながっているかのような顔をして散歩を続けているワンシーン(犬だけに)が描かれています。
「逃げたりしないの……? 」と心配になる光景でもありますが、冷静に考えてみれば、この絵は飼い主とワンちゃんの深い信頼関係を描き出していることに気付きます。
この投稿は凄まじい反響を生み、11.3万件のリツイート、そして57.9万件ものいいねを獲得(7月15日時点)。コメントも続々と寄せられています。
「散歩してるのか、してあげてるのか。ハッキリ言えることはお互いの愛があります」
「おばあさんを思っての事なんですかね。えらいなぁ」
「お婆ちゃん、目が悪くなってリードの金具上手く付けられなくなったんかな…ワンコ賢い(*´∀`)」
「これはすごい! ウチの犬リード外れたら全力で逃げますよ(笑)」
「超賢いじゃないですか! 」
「自分がしっかりしなくちゃ! みたいな事言ってそう。こういうの犬特有でいいですよね! 絵もとっても可愛いです」
しかし、注意していないと見逃してしまいそうなほど日常に溶け込んでいるように見えますが、このシーンに立ち会ったツイ主の葦原さんは、どんなリアクションを取られたのでしょう。ご本人に、当時の話をお聞きしました。
――この状況、パッと見ただけでは見逃してしまいそうなですが、当時のご感想を教えてください。
葦原さん:私も二度見、三度見しました。飼い主さんのうっかりをスマートにフォローするワンちゃんの“イケワン”っぷり、賢さへの感動とは反対に、状況への心配、いろいろな感情が一気に押し寄せてきて、「はわわ……」という言葉にならない感想しか出てこなかったです。
――今回のツイートが大きな反響を生んでいますが、率直なご感想などはございますか?
葦原さん:何の気なしに軽いノリで描いたものでしたし、もともとツイッターでは細々と活動しておりましたので、国内外からものすごい反応をいただき正直かなり驚いています。世界中にほっこりをお裾分けできて嬉しいですね。言語の壁を超えて届けることができて、絵が描けてよかったなぁと思えました。
葦原さんがお話してくれたように、リプライ欄には外国語のコメントもたくさん連なっています。リードに繋がれずとも飼い主さんの元から離れないワンちゃんですが、その存在は葦原さんの絵となって、世界中に走り出していったのでした。
この間 すごい犬いた pic.twitter.com/nbwwPbTN8Z
— 葦原 啓 (@misosirukk) July 11, 2021