ASUS JAPANは2021年7月15日、新たなハイエンドゲーミングノート「ROG Zephyrus S17 GX703HS」を発表した。17.3型の液晶ディスプレイは、4K 120Hz仕様、さらにCore i9-11900H、GeForce RTX 3080 Laptop GPUを搭載とノートPCとしては最高クラスの性能をスリムなボディに収めているのが最大の見どころ。同社の技術を詰め込んだ最新ゲーミングノートの実力をさっそくチェックしていきたい。

  • ASUS「ROG Zephyrus S17 GX703HS」。予想実売価格は494,800円前後

    ASUS「ROG Zephyrus S17 GX703HS」。予想実売価格は494,800円前後

まずは、基本スペックをチェックしよう。CPUは、Tiger LakeことIntel第11世代Coreプロセッサ「Core i9-11900H」を搭載。8コア16スレッドで動作クロックは最大4.9GHz(TurboBoost時)と非常に高い。Intel第11世代Coreプロセッサでは前世代よりもIPC(クロック当たりの処理命令数)が向上し、マルチスレッド、シングルスレッド、どちらの処理に対してもより性能が高くなっている。また、CPU直結のPCI Express 4.0が20レーン用意されており、高速なGPUやストレージをより活かしやすい作りになっている点も見逃せない。まさにゲーミングPCにピッタリのCPUと言える。

メモリはDDR4-3200が32GBと大容量。ストレージはPCI Express 4.0対応の高速NVMe SSDで容量は2TBもあり、多くのゲームも安心してインストールできる。

GPUには、NVIDIAの「GeForce RTX 3080 Laptop GPU」を搭載。ノートPC向けRTX 3000シリーズの最上位モデルで、CUDAコア数は6,144基というモンスター仕様(前世代のノートPC向けRTX 2080のCUDAコア数は2,944基)。本機のGPU電力は140Wと高めに設定で、ブーストクロックは1,645MHzとなっていた。

  • CPUは第11世代Coreプロセッサで8コア16スレッドの「Core i9-11900H」を搭載

  • GPUはノートPC向けのGeForce RTX 3080 Laptop GPUを採用。Resizable BARは有効になっていた

ディスプレイは17.3型で解像度は4K(3,840×2,160ドット)だ。リフレッシュレートは120Hzと高く、滑らかな描画が楽しめるのに加え、視野角の広いIPSパネルを採用し、デジタルシネマ規格DCI-P3の色域を100%カバーと色の表現力も高い。実際に見てもハッキリと感じ取れるメリハリの効いた映像で、動画もゲームも気持ちよく楽しめる。

  • メインディスプレイは17.3型の液晶。解像度は4Kだ

  • DCI-P3カバー率100%の広い色域を持ち、視野角も広い

  • リフレッシュレートは120Hzと高く、FPSなど描画スピードが勝敗に影響しやすいゲームプレイにも適している

サイズはW394.9×D264.3×H19.99~22.5mm、重量は2.75kg。ゲーミングノートとして最高クラスの性能を備えながら、最薄部で2cmを切る薄型ボディを実現しているのは素直に驚くところ。非常にスマートなデザインで所有欲も満たしてくれる。なお、バッテリー駆動時間は公称で約5.5時間だ。

スリムなボディを実現するために、冷却力にはかなりこだわっている。特徴的なのは、ディスプレイを開くとキーボード部分が持ち上がる「AAS Plus」と呼ばれる冷却システムだ。隙間ができるのでエアフロー空間が拡大されて冷却力が高まるのに加え、長時間ゲームプレイしてもキーボードが熱くなりにくいメリットを生み出している。また、キーボードが持ち上がることで5度の傾斜が付き、キー入力がしやすくなるのもポイントだ。

さらに、CPUには熱伝導率は高いが導電性があるため扱いが難しいThermal Grizzly製の液体金属グリスを採用。CPUの上に特別な内部フェンスを設けることで液体金属の漏出を防いでいる。これにより、通常のグリスよりもCPU温度を最大10度低下させることに成功しているという。底面にはCPU/GPU/VRM/VRAMの熱を伝える6つのヒートパイプ、250フィンを持つ4つのヒートシンク、それぞれ84枚のブレードを持つ2基のファンから構成される冷却システムを備えており、騒音を抑えつつ、高い冷却力を確保している。

  • 薄型でスマートなデザインなので仕事にも使いやすい

  • ディスプレイを開くとキーボード部分が持ち上がる。エアフローが強化され、キーボードが熱くならず、傾斜によってキーが打ちやすいと一石三鳥な冷却構造

  • 底面には6本のヒートパイプを備える2基の冷却ファンを備えている

インタフェースは右側面にUSB 3.2 Gen2×2、SDカードスロット、左側面にThunderbolt 4×1、USB 3.2 Gen2 Type-C×1、USB 3.2 Gen2×1、有線LAN、ヘッドセット端子、HDMI出力を備えている。無線はWi-Fi 6Eに対応。Bluetooth 5.2も備えている。

  • 本体右側面。USB 3.2 Gen2×2、SDカードスロットを搭載

  • 本体左側面。HDMI出力、有線LAN、USB 3.2 Gen2×1、Thunderbolt 4×1、USB 3.2 Gen2 Type-C×1、ヘッドセット端子を用意

  • ACアダプタは巨大。出力は280Wだ

次に入力インタフェースを見て行く。キーボードは英語(US)配列だ。キーには光学メカニカルスイッチが採用されており、カチカチとした心地よい打鍵感があるのに加え、デバウンス遅延(キーが反応するまでの時間)を0.2msという極限まで抑えた作りになっている。1億回の打鍵テストを合格したいという耐久性の高さもポイントだ。キーピッチや実測で約19mmと十分なサイズが確保されており、各キーもほとんどが正方形と打鍵しやすい。矢印キーが独立した場所にあったり、テンキーも備えるなど、ゲーム以外の用途でも快適に使える。また、右上の電源ボタンにはWindows Hello対応の指紋センサーを搭載。

便利なのはキーボードの左上にある「マルチホイール」だ。音量調整のほか、画面の縦スクロール、マイクのオン/オフ、ディスプレイの明るさ、キーボードのバックライト調整、アプリの切り換え、ファンのモード変更といった機能も割り当てられる。ホイールを押し込むと画面にメニューが表示され、利用したい機能を選ぶ仕組みだ。

  • キーボードはUS配列。右上の電源ボタンには指紋センサーも内蔵されている

  • キーピッチは実測で約19mm

  • タッチパッドはボタンが一体化しているタイプだ

  • キーボードにはRGB LEDを内蔵。アプリで発光コントロールが可能だ

  • 左上にはマルチホイールを搭載。割り当てる機能はアプリで設定できる