梅雨明けが近づき、さらに気温が高くなるこれからの季節。頭皮のイヤなニオイに悩む人も多いのではないだろうか。
マイナビニュース会員に聞いた「頭皮のニオイについての悩み」のアンケートからも、多くの人が頭のニオイで悩んでいることもわかっている。
例えば……
「毎日頭を洗ってるのにどうも脂っぽい匂いがする。風呂に入ってから寝ているのに枕もくさいと妻に言われます。」(40代男性)
「帽子を被ると匂いが気になる」(40代男性)
「周辺にどれだけの範囲で広がってにおうのか気になる」(40代男性)
などなど。
そこで今回は、頭皮や髪のニオイケアのプロフェッショナルでもある、アートネイチャーのヘアケア備品開発担当者に「夏の頭のニオイの原因と対策」について話を聞いた。
頭皮のニオイ10個のQ&A
インタビューに答えていただいたのは、同社の広報・赤松さんと、シャンプーなどのヘアケア備品開発リーダーの金山さん。
前述のマイナビニュース会員アンケートで得た回答をもとに、さまざまな「頭のニオイにまつわる疑問」について聞いた。
読者からのお悩み
「毎日頭を洗ってるのにどうも脂っぽい匂いがする。風呂に入ってから寝ているのに枕もくさいと妻に言われます。」(40代男性)
――頭を洗ってもにおってしまうというお悩みですが、そもそも頭皮のニオイが発生する原因はなんなのでしょうか?
頭皮のニオイの原因は“酸化”です。
頭皮のニオイは、大きく分けて2種類あります。ひとつは、頭皮の汗と皮脂が混ざり、時間の経過とともに酸化して発生するニオイ。もうひとつは、頭皮の常在菌が皮脂やフケを食べたときに発生する物質が酸化したときのニオイです。
ニオイが発生しやすい時期や時間帯については一概に言えませんが、頭を洗えば皮脂や汗は減り、ニオイの原因も発生していない状態になります。しかし、活動するとともに皮脂や汗も出てきますので、酸化しやすくなる=ニオイが出やすくなります。
読者からのお悩み:「帽子を被るとニオイが気になる」(40代男性)
――“帽子を被る”とニオイが発生しやすくなるのでしょうか。
蒸れて汗をかくと、においやすくなります。
帽子を被ると単純に蒸れてしまいますので、汗の量が増えます。汗の量が増えると皮脂の量も増える、つまりは常在菌の餌が増えるので、ニオイの元となる原因物質も生まれやすくなります。
読者からのお悩み
「自分の鼻で匂うということは、周辺にはどれだけの範囲で広がってにおうのか気になる」(40代男性)
――たしかに気になります。頭のニオイはどれくらい広がるのでしょうか?
思っているほど、周りはニオイに気付きません。
頭に最も近いのは自分自身なので、やはり最もニオイを感じるのも自分です。周りは思っているほど気になっていません。1メートル以上離れていたら気付かないと考えて大丈夫です。むしろ神経質になりすぎると、プレッシャーから汗をかきやすくなり、ニオイの元となります。しっかりと頭を洗い、きちんと乾かして寝ていれば大丈夫でしょう。
――ちなみに、お風呂のあとに自然乾燥するのはニオイの原因になりますか?
半乾きの状態=常在菌が繁殖しやすい状態です。
とくに男性の場合は髪が短いので、自然乾燥でいいと考えがちです。しかし、半乾きの状態=常在菌が繁殖しやすい状態なので、ニオイの元となる原因物質も生まれやすくなります。髪はドライヤーでしっかりと乾かしてから寝ましょう。ただし、熱風を長時間あてると髪も頭皮も傷んでしまいますから、風をぬるめに調節し、ドライヤーを揺らしながら、髪と頭皮を全体的に乾かすイメージで乾かしましょう。
読者からのお悩み
「食べ物や普段の生活がどのように影響しているか詳しく聞いてみたい」(40代男性)
――生活習慣の乱れも、頭のニオイの原因になるのでしょうか?
ホルモンバランスが乱れればニオイの原因になります。
これは抜け毛とも関連しますが、偏った食事や過度のストレス、睡眠不足などはホルモンバランスの乱れにつながり、頭皮にも悪影響を及ぼします。結果、ニオイの原因となる汗や皮脂の量が増え、イヤなニオイを引き起こす可能性も高まります。できるだけストレスの少ない生活を意識し、十分な睡眠をとり、栄養バランスのいい食事を心掛けましょう。また、ニンニクやニラなどを摂りすぎると汗のニオイもキツくなりやすいので、大事な予定がある前などには注意が必要です。
――生活習慣と言えば喫煙も気になるところですが、喫煙は頭のニオイに影響しますか?
頭皮と言うよりも、髪の毛が煙のニオイを吸着します。
髪の毛にはいろいろなものを吸着しやすい性質があります。タバコのニオイを髪の毛が吸うと、汗や皮脂臭と混ざって強いニオイを発する可能性もあります。また、基本的には身体に悪いとされる行為は内臓に影響し、ニオイにも影響してくるものと考えてください。
――ヘアコロンなどでニオイを消すのは、対策としてはどうなのでしょうか?
根本的なニオイの解決にはなりませんが、ニオイを隠すという意味では有効です。
ただし、それで髪の毛や頭皮がキレイになったわけではありませんし、ニオイの原因が解決できたわけでもありません。それでも、日中に何度も洗髪することは難しいと思うので、ヘアコロンで対処するのは有効だと言えます。
また、頭皮用のローションもおすすめです。中には、ヒンヤリとして泡がパチパチと弾けるようなアイテムもあります。爽快感を得られるだけでなく、冷感で頭皮の毛穴を引き締める効果もあるので、汗の量を減らす意味でも有効です。
読者からのお悩み
「洗いすぎない程度で頭皮を洗う方法を知りたいです。」(40代女性)
――正しい洗髪方法というのはあるのでしょうか?
大切なことは、十分な余洗い、力加減、ドライヤーでの乾燥です。順番にご紹介しましょう。
シャンプー前にしっかりと余洗いし、汚れや埃を洗い落としましょう。そうすることでシャンプーが泡立ちやすくなります。お湯は熱すぎると皮脂を落としすぎてしまうので、ぬるま湯がオススメです。
シャンプー剤は500円玉大を目安に、手のひらでしっかりと泡立ててきめ細かい泡を作りましょう。髪につけてから泡立てると、摩擦しによって髪が傷みやすくなります。手のひらを使ってシャンプー剤を泡立ててから髪につけるようにすると、髪へのダメージを最小限に抑えられます。泡立てるのが苦手な場合は、泡立てネットを使うのもおすすめです。
シャンプーでは指の腹を使って頭皮を優しく洗うように心がけます。爪を立てたり力を入れてゴシゴシ洗ったりすると、頭皮が傷ついてバリア機能が低下し、その分だけ皮脂が過剰分泌されてしまいます。優しい洗い方でも、泡の持つ洗浄力だけで十分に頭皮の脂を落とせます。
仕上げのすすぎも丁寧に行いましょう。シャンプーの洗浄成分が残留すると、頭皮がダメージを受けて乾燥しやすくなります。すすぎのときも水温はぬるめに設定し、熱すぎるお湯は避けてください。
乾燥したタオルでゴシゴシ拭かないで、優しく押して水分を拭きとります。その後、低温のドライヤーで乾燥させます。
――そのほか、ついやりがちだけど、実はNGな行動などがあれば教えてください。
1日2回以上のシャンプーは洗いすぎなので気を付けましょう。
朝も夜もシャンプー剤を使って洗髪すると、必要な脂まで落としてしまい、身体が「皮脂が足りていない」と思ってより多くの皮脂を分泌してしまいます。結果、ニオイも出やすくなってしまうでしょう。シャンプーは1日1回、夜に行うことが望ましいです。日中の汗や皮脂を放置したまま寝ると、より雑菌も増えますし、枕でも雑菌が繁殖してしまうのです。
――整髪料を使う方も多いかと思いますが、ニオイ悪化の原因になるのでしょうか?
整髪料は頭皮をコーティングしてしまうので、注意が必要です。
整髪料は基本的に髪の毛に塗るものですから、それだけなら基本的に悪影響はないと思います。ですが、整髪料はコーティング力が強く、これが頭皮に付着すると“フタ”になってしまうんです。そうすると、汗や皮脂が他の場所から外に出ようとして、そちらがより一層ベタついてしまいます。できるだけ整髪料は頭皮につかないように気を付けて、もし付いたら入念にシャンプーで落とすというのがベストな対応ですね。
いかがだっただろうか? 体質の影響も大きいものの、日頃から気を付けられる部分も多々あることがわかった。ニオイが増しがちなこれからの季節、適切なケアを心がけよう。