2021年6月16日、火災保険(住宅総合保険)の「参考純率」を全国平均で10.9%上げることを損害保険料率算出機構が発表しました。

今回は、この発表が家計にどう影響するのかについて、取り上げます。

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参考純率引き上げの火災保険料への影響

火災保険料は、保険会社が支払う保険金に充てられる部分である「純保険料」と、保険会社が保険事業を行うために必要な経費などに充てられる部分「付加保険料」の二つで構成されています。

今回引き上げられた「参考純率」は、「純保険料」を決める際の目安となるもので、損害保険料率算出機構が算出しています。

近年、大規模な自然災害が発生しており、自然災害のリスクが一層高まっていることから、純保険料率の引き上げが必要な状況だと判断され、今回の参考純率引き上げとなりました。

「純保険料」を決める際に、参考純率をどのように使用するのかは各社で判断します。そのため、参考純率の引き上げ率がそのまま各社の保険商品の改定率となるわけではありませんが、今後、火災保険料は値上げされる見通しとなっています。

契約期間も10年から5年へ短縮

参考純率の引き上げとともに、参考純率を適用できる期間がこれまでの最長10年から最長5年となります。長期的な自然災害のリスク評価が難しくなってきているためです。

適用期間の短縮に伴い、各保険会社の火災保険の契約期間も現在の最長10年から最長5年へと短縮される見通しです。以前の最長契約が36年だったことを考えると、いかに現在はリスク評価が難しくなってきているのかがわかります。

火災保険料は契約期間の長さによって割引率が設定されています。契約できる期間が短くなると、その分長期契約による割引率が低くなるので、火災保険料の総支払額は高くなります。

また、契約期間が短くなると、更新の回数も増えます。その都度、更新時の保険料で加入することになるので、長期契約ができていたときと比較すると、保険料改定の影響を受けやすくなるとも言えます。

火災保険料値上げへの対策ポイント

わが家の場合を確認する

参考純率の改定率は、お住まいの都道府県や建物の構造、築年数などによって異なります。

改定率の最大は+36.6%(沖縄県/H構造/築10年以上)、最小は▲13.8%(山口県/H構造/築5年未満)となっており、場合によっては引き下げになることもあります。

まずは、改定後、わが家の場合はどうなるのかを確認することからはじめましょう。

10年契約で加入する

改定前に現在の最長契約期間10年の保険に加入し直すのもひとつの手です。

特に、1年更新など短期で契約している場合や加入している火災保険の更新が間近な場合、契約期間が10年のうちに、長期契約に切り替えることで、保険料の負担を減らせる可能性があります。

今後、火災保険に加入する予定がある場合も、保険会社から改定のアナウンスがあったタイミングで、現行で加入した場合と改定後に加入した場合とで保険料にどれだけの違いがあるのかを確認しておきましょう。

補償内容を見直す

ハザードマップを確認し、お住まいの地域にはどんなリスクがあるのかを確認した上で、補償の必要性を考えます。

必要のない補償があれば、それを外すことで保険料をおさえられます。

ちなみに、契約している火災保険を解約する場合、残っている契約期間に応じて保険料の返還があります。基本的には、未経過期間分の保険料が月割りで計算されて、大きく減ることなく戻ってくると考えて差し支えありません。

今後、火災保険料値上げの影響を避けることは難しいかもしれません。

それでも、今回の改定内容を理解した上で、タイミングを逃さずにできることを着実に実践すれば、影響を減らすことはできます。

ぜひ実践してくださいね。