SF映画の金字塔『スター・ウォーズ』シリーズ初のアニメプロジェクト『スター・ウォーズ:ビジョンズ』のジャパン キックイベントが14日、都内で開催。同作品に参加する7社9人の監督が出席し、今秋に配信される同作品をアピールした。

  • 『スター・ウォーズ:ビジョンズ』ジャパン キックイベント開催

『スター・ウォーズ』の生みの親であるジョージ・ルーカスが日本の神話や黒澤明監督の多大な影響を受けたことから、同プロジェクトが始動。昨年末に発表されると大きな話題となった。“シリーズ創造のルーツ”ともいえる日本で、日本を代表するアニメスタジオが制作を担い、新たな視点(ビジョン)で自由にスター・ウォーズの新たな物語を描く。9話からなる短編集となり、7社9人の監督がそれぞれの作品を手がけた。

この日は作品のメガホンをとった「神風動画」の水崎淳平氏、「キネマシトラス」の垪和等氏、「サイエンス SARU」のチェ・ウニョン氏、アベル・ゴンゴラ氏、「ジェノスタジオ」の五十嵐祐貴氏、「スタジオコロリド」の木村拓氏、「トリガー」の大塚雅彦氏、今石洋之氏、「プロダクション I.G」の神山健治氏の9人が登壇。込めたメッセージや制作での苦労を語った。

水崎監督が手がけた『The Duel』は、侍のようなキャラクターが登場する作品。「スタ ー・ウォーズの世界の端っこでこんなことがあったのではないか、と思って作った」といい、「これまでアメコミなど、アメリカのファンがついている作品を手がけることが何回かあった。そこでこだわったのは“思い切って概念を壊すくらいの勢いで作ること”。それがいい形でファンにウケていた。なので今回も自分たちのスタイル通りに概念を壊すやり方で取り組んだ」と振り返った。

TRIGGERの大塚監督は「エピソード1より古い時代」に設定した、『The Elder』を制作した。「これで初めてスター・ウォーズを見る方もいるかもしれないので映画を見ていなくても大丈夫な作品にした。シリーズのキャラクターは一切関係ないけど、本家にも出てくる師弟関係を描いた」とした。また同じくTRIGGERの今石監督は2019年に公開され、ヒットとなった『プロメア』のスタッフを「そのまま続投してこの作品を作った」と紹介。「プロメアで試行錯誤して成功した部分を余すことなく活かしきった。そこにスター・ウォーズらしさをプラスしている」と述べた。

「プロダクション I.G」の神山監督は「13歳のときにスター・ウォーズを見て、将来スター・ウォーズを作る人になるんだと思った」といい、「今それを作れることになってとにかく喜びしかない」としみじみ。ここ最近はCGを駆使した作品を手がけてきたが、今回の制作した『九人目のジェダイ』はアニメーターによる作画で作り上げたという。「エピソード9の後の時代に設定しています。果たして銀河系は平和になったのか?を考えた。スター・ウォーズの魅力はライトセーバーとジェダイの存在だと思っている。ライトセーバーと騎士がどうなったのかと発想した。再生のストーリーという感じですね。オリジナルのキャラクターは一切出てこないです。大海原に旅立っていく冒険譚をほかのキャラクターで描きたかった」と構想を明かした。

『スター・ウォーズ:ビジョンズ』は9月22日よりディズニー公式動画配信サービス「Disney+(ディズニープラス)」にて配信スタート。なお、『スター・ウォーズ:ビジョンズ』参加スタジオおよび作品タイトル一覧は下記のとおり。

■神風動画 『The Duel』(原題:『The Duel』)

■キネマシトラス 『村の花嫁』(原題:『The Village Bride』)

■サイエンス SARU 『T0-B1』(原題:『T0-B1』) 『赤霧』(原題:『Akakiri』)

■ジェノスタジオ 『のらうさロップと緋桜お蝶』(原題:『Lop and Ocho』)

■スタジオコロリド 『タトゥイーン・ラプソディ』(原題:『Tatooine Rhapsody』)

■TRIGGER 『THE TWINS』(原題:『The Twins』) 『The Elder』(原題:『The Elder』)

■プロダクション I.G 『九人目のジェダイ』(原題:『The Ninth Jedi』)