アドビはこのほど、総合転職情報サイト『マイナビ転職』協力のもと、「転職市場におけるクリエイティブツールスキルのニーズの変化」に関する調査結果を発表した。同調査は4月16日~18日、中途採用担当者400名、求職・転職者200名を対象に、インターネットで実施した。

  • マイナビ転職のサイト内で「求める人材」に、クリエイティブツールスキルを含む求人数の変化

    マイナビ転職のサイト内で「求める人材」に、クリエイティブツールスキルを含む求人数の変化

同調査での「クリエイティブ職」とは、「WEB・インターネット・ゲーム 」「クリエイティブ」「建築・土木・デザイン・設計」の職種を指している。

マイナビ転職のサイト内で「求める人材」に、クリエイティブツールスキルを含む求人数の変化について調べたところ、2010年時点と比較すると2020年時点で約3倍に増加している。その中でも「営業」では約1.9倍、「企画・経営」では約2.8倍、「管理・事務」では約4.2倍に増加していることがわかった。

クリエイティブツールスキルとして求職者に求める具体的な業務内容として、近年ではInstagramやTwitterなどのSNS投稿に使用する画像編集業務、さらにECサイトやWEBサイト・WEB広告のデザイン制作補助などへのニーズが高まっている。

特に数字が顕著に伸びている「管理・事務」では、商談や会議の多くがリモートに移行しつつあるためか、これまでテキストやグラフなどで構成されていた営業資料を、遠隔でも伝わりやすくするよう簡単なグラフィックの作成や説明動画などを制作できるスキルが求められる場面が増える傾向にある。

アドビが企業の採用担当者400名を対象に、非クリエイティブ職においても「クリエイティブツールスキルの重要性が高まっているか」尋ねたところ、7割以上が「クリエイティブツールスキルの重要性を感じている」と回答した。

  • クリエイティブツールスキルは重要であるか

    クリエイティブツールスキルは重要であるか

クリエイティブツールスキルを必要とする理由について聞くと、最も多い回答は「できる業務の幅が広がる」(64.3%)で、「自社内で内製化ができ、仕事の効率も上がる」(44.1%)、「提案力、営業力、企画力の向上に繋がる」(37.1%)が続いた。

さらに、31.5%の採用担当者が「リモート環境で、イラストや写真、動画でのコミュニケーションが不可欠になった」と回答していることから、コロナ禍のリモートワークによるコミュニケーションのあり方の変化を通じて、業務の幅が広がってきたことが考えられるという。

  • クリエイティブツールスキルが求められるようになっている理由

    クリエイティブツールスキルが求められるようになっている理由