この時期は毎日ジメジメしますね。筆者の部屋は、湿度が80%近くに達する日が頻発しています。このままでは、カメラやレンズにカビが生えてしまうのでは――。そんな強迫観念から、ついに防湿庫の購入に踏み切りました。防湿庫デビューです。
7,980円でも堂々とした風格、奥にドライユニットを搭載
今回購入した製品は、埼玉県川越市にあるリンテクト・ジャパンという企業が開発している「防湿庫 Re:CLEAN」の21Lタイプ「RC-21L」です。購入時の販売価格は7,980円。除湿の方法はペルチェ式を採用しています。どのくらいの大きさなのか、もちろん購入前に把握していたつもりでしたが、いざ実機が到着してみると思っていた以上に存在感がありました。
梱包を開けてみると、引き締まったブラックが印象的な製品が出てきました。電子レンジか金庫か、と思わせる堂々とした外観。説明書、保証書のほか、アナログ湿度計、ACアダプター、鍵、スポンジマットなどが同梱されています。
このRe:CLEANシリーズは21Lタイプが最小で、このほかに25Lタイプ、30Lタイプ、50Lタイプ、80Lタイプをラインナップしています。30Lを超えるタイプには、引き出し棚なども付属しているようでした。さて、もっとも小さい21Lタイプはどのくらいのカメラやレンズが入るのでしょうか。のちほど検証してみたいと思います。
愛用のカメラを部屋に飾りたかった
ここで話は少し脱線します。筆者には、もともと「部屋にカメラを飾りたい」という思いがありました。現在愛用しているカメラは、オリンパスの「OM-D E-M5 Mark II」(2015年2月20日発売)。レンズは「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO」をメインで使用しています。
カメラを飾れるショーケースを探していたところ、筆者の目にタイミングよく飛び込んできたのが防湿庫の広告だったわけです。「ひょっとして防湿庫を買ってしまえば、カメラも飾れるし湿気対策もできて、一石二鳥じゃないか?」。作業机に防湿庫を置いて、好きなカメラをチラチラ愛でながら仕事の原稿を進める――。そんな素晴らしいイメージがすぐに沸いてきました。
目的は達成できたのか?
それではレビューに戻りましょう。防湿庫 Re:CLEANには、電源ボタンがありません。付属のACアダプターをコンセントに挿し込むだけで動作します。動作時は無音で、傍目にも稼働している気配は感じられません。説明書には「放熱を妨げないように、壁から2cm以上の間隔を空けてください」と書いてありますが、防湿庫の背面に手をやっても、肌に感じるような熱風は放出されていないようでした。しかし電源を入れてから30分、1時間、2時間…と経つにつれて、なるほどアナログ湿度計が徐々に、最適な湿度に落ち着いていくのが分かりました。
メーカーでは、カメラやレンズを保管する際のベストな湿度を約30~50%に定めています。しかし、本製品のユーザーに許されているのは、湿度コントロールダイヤルの調整のみ。最適な湿度に落ち着かせるには、それなりにコツが必要となりそうです。気になったのは、乾燥する冬場の湿度管理。説明書には(乾燥の時期に)庫内の湿度が下がりすぎないよう、運転を弱めるようにとの指示がありました。また「本機には加湿の機能はありません」とのことです。
それでは実際に、どのくらいのカメラとレンズが入るのでしょうか。試してみました。
あまりギチギチに詰め込みすぎないよう、適度な間隔で入れてみると、入ったのはコンデジ、ミラーレスが1台ずつとレンズが4本くらいでした。この21Lタイプの内寸サイズは18cm(高さ)×34cm(幅)×21cm(奥行き)。意外と入りません。
ひとまず、これで湿気対策は整いました。では、もうひとつの目的である「カメラを飾る」は達成できたのでしょうか。こちらに関しては、やや不満が残る結果でした。ガラスの反射により、防湿庫の中があまり見えないのです。
庫内が明るければ見え方も変わりそう。Re:CLEANシリーズにはホワイトタイプ(RC-25WH)もあります。そちらを選んでいたら、印象も異なっていたでしょう。
防湿庫デビューを果たしてみて、素直な感想は「意外と場所をとる」「21Lタイプではあまり入らない」「ショーケースの用途には不向き」でした。しかし、湿度の微調整ができる安心感が手に入りました。気になる電気代ですが、湿度が高めの環境に設置して24時間連続で除湿運転をした場合でも、1日約1.8円ということです。
防湿庫をより安価に用意したいのであれば、プラスチックのドライボックス+乾燥剤で済ませる手もあります。しかし、湿度の微調整はできず、見栄えも良くありません。長い目でみれば、ドライボックスよりも防湿庫の方がコスパの点でも優れていると感じました。