国土交通省は、通勤通学時間帯の鉄道の混雑状況を把握するため、毎年度実施している都市鉄道の混雑率調査に関して、このほど2020年度の結果を公表した。三大都市圏の混雑率はいずれも前年度と比べて大幅に低下したとのこと。

  • 日暮里・舎人ライナーの赤土小学校前駅から西日暮里駅までの区間で2020年度の混雑率が140%に

平均混雑率の2020年度実績は、東京圏が107%、大阪圏が103%、名古屋圏が104%。昨年度の東京圏163%、大阪圏126%、名古屋圏132%と比べて大幅に低下している。新型コロナウイルス感染症の対応による現在の影響を把握するため、2021年は直近(6月第1週)の全国主要駅の利用状況も調査。2019年の利用状況を「100」とした場合、2021年の指数は東京圏の東京駅(JR東日本)が「49」、日本橋駅(東京メトロ)が「55」、大手町駅(東京都交通局)が「58」、横浜駅(横浜市交通局)が「69」。大阪圏の大阪駅(JR西日本)が「70」、梅田駅(Osaka Metro)が「66」、京都駅(京都市交通局)が「54」、三宮駅(神戸市交通局)が「69」。名古屋圏の名古屋駅(名古屋市交通局)が「64」、栄駅(名古屋市交通局)が「70」、金山駅(名古屋鉄道)が「70」となった。

最混雑区間における2020年度の混雑率に関して、東京圏では日暮里・舎人ライナーの赤土小学校前駅から西日暮里駅までの区間で140%、JR武蔵野線の東浦和駅から南浦和駅までの区間で134%となったほか、都営三田線の西巣鴨駅から巣鴨駅までの区間で129%、JR埼京線の板橋駅から池袋駅までの区間で127%、東急田園都市線の池尻大橋駅から渋谷駅までと、東急目黒線の不動前駅から目黒駅までの区間で126%、東京メトロ東西線の木場駅から門前仲町駅までの区間で123%、東急東横線の祐天寺駅から中目黒駅までの区間で123%となっている。

大阪圏ではJR片町線(学研都市線)の鴫野駅から京橋駅までの区間で120%、御堂筋線の梅田駅から淀屋橋駅までの区間で116%、阪急神戸本線の神崎川駅から十三駅までの区間で114%、近鉄奈良線の河内永和駅から布施駅までの区間で114%となった。なお、三大都市圏以外でも、JR信越本線の新津駅から新潟駅までの区間で135%、JR白新線の新発田駅から新潟駅までの区間で123%、JR可部線の可部駅から広島駅までの区間で132%と、高い混雑率を示す区間があった。