ワクチン接種が徐々に進み、紆余曲折を経てオリンピック開催が既定路線となるなど、少しずつ変化の兆しは見えるものの、まだまだ予断を許さない新型コロナウイルス禍。

本来であれば嬉しいはずの2021年夏のボーナスの支給に関しても例年とは異なり、なかなか厳しい状況があるようだ。

そこで今回は、マイナビニュース男女会員801人を対象にアンケート調査を実施。「夏のボーナス支給に新型コロナウイルスの影響はあったか」などを聞いた。

  • 夏のボーナス、新型コロナウイルスの影響はあった?

Q.あなたの会社にボーナス(賞与)制度はありますか?

「はい」(81.4%)
「いいえ」(18.6%)

Q.2021年夏のボーナス(賞与)は支給されましたか?

「出た」(51.8%)
「出る予定だが、まだ支給されていない」(41.7%)
「出ない」(6.4%)

Q.2021年夏のボーナス(賞与)の支給された額は昨年冬のボーナス(賞与)の支給された額と比べて増えましたか? 減りましたか?

「増えた」(26.3%)
「変わらなかった」(37.9%)
「減った」(34.3%)
「わからない」(1.5%)

Q.2021年夏のボーナス(賞与)で支給された金額を教えてください

「20万円未満」(18.3%)
「20万円以上〜40万円未満」(23.4%)
「40万円以上〜60万円未満」(18.3%)
「60万円以上〜80万円未満」(13.9%)
「80万円以上〜100万円未満」(9.2%)
「100万円以上〜120万円未満」(5.0%)
「120万円以上」(6.2%)
「わからない」(5.6%)

Q.2021年夏のボーナス(賞与)支給に関して、新型コロナウイルスの影響はあったと考えられますか?

「プラスの影響があった」(9.2%)
「影響はなかった」(50.6%)
「マイナスの影響があった」(40.2%)

Q.2021年夏のボーナス(賞与)の支給に関して、新型コロナウイルスの流行はどのような影響を及ぼしたと考えられますか?(自由回答)

■「プラスの影響があった」

・「IT業界ですが、巣ごもりの影響で需要が上がったので増えました」(38歳男性/ソフトウェア・情報処理/IT関連技術職)
・「IT業界でセキュリティ管理の業務をしているので、需要が伸びたと考えられる」(37歳男性/ソフトウェア・情報処理/IT関連技術職)
・「給付金が支給された際に、たくさんの白物家電が良く売れた実績からのボーナス還元でした」(44歳男性/コンピューター機器/IT関連技術職)
・「食品小売業なので内食需要が高まり、好業績のため賞与アップ」(48歳男性/流通・チェーンストア/販売・サービス関連)
・「不動産業界で勤めていて、地方の物件を購入される方が増えた影響もあり、ボーナスは増えました」(36歳男性/不動産/専門職関連)
・「中国がコロナから復活して、大量に注文を入れてきた」(33歳女性/その他電気・電子関連/営業関連)

■「マイナスの影響があった」

・「仕事が減り売上が減ったので、その分ボーナスが減りました」(38歳女性/ソフトウェア・情報処理/営業関連)
・「会社の売り上げが昨年に比べて下がったので、その分、ボーナスの額も減ったと思われる」(31歳男性/コンピューター機器/IT関連技術職)
・「決算賞与が半分となった。コロナでなければもっと営業活動ができて利益が上がり、決算賞与がもっともらえたはず」(45歳男性/通信関連/事務・企画・経営関連)
・「鉄道関係なのでモロに影響を受けている」(47歳男性/海運・鉄道・空輸・陸運/技能工・運輸・設備関連)
・「交通業界のため利用者が減少しており、業績に多大な影響がでた」(46歳男性/海運・鉄道・空輸・陸運/事務・企画・経営関連)
・「電機関連の部品を製造しているが、半導体の供給不足により生産減となり売り上げも減少した」(42歳男性/コンピューター機器/メカトロ関連技術職)
・「飲食店に卸す食材の量が減って、売上も減った」(46歳男性/物流・倉庫/販売・サービス関連)
・「飲食業界に勤めているので、業績悪化の流れに歯止めがないため」(45歳男性/フードビジネス/販売・サービス関連)
・「飲料業界に勤めていて、自販機の需要が減ったので業績が悪化している。そのためボーナスは減少した」(27歳男性/食品/技能工・運輸・設備関連)
・「旅行業界に勤めているので業績悪化し、ボーナスはコロナ前と比較し半減している」(33歳男性/専門コンサルタント/営業関連)
・「製造業に従事しているが、会社の業績が悪化した」(49歳男性/半導体・電子・電気機器/メカトロ関連技術職)
・「メーカーで働いているが、ユーザーの会社がコロナで休んでいたから業績に影響がでた」(45歳男性/半導体・電子・電気機器/技能工・運輸・設備関連)
・「親会社が飲食の影響もあり、地位や業績が上がってもボーナスは変わらない」(43歳男性/流通・チェーンストア/事務・企画・経営関連)
・「医療業界で、訪問看護で働いています。コロナ関連で依頼が減りました」(39歳男性/医療・福祉・介護サービス/その他技術職)
・「テナントが撤退しオフィスビルを使わなくなったことで、業績の悪化によりボーナスが減ったと思います」(37歳男性/ビル管理・メンテナンス/その他・専業主婦等)
・「建築業界だが、ウッドショックにより木材の需要と供給が狂い、容易に契約が出来ない。仕事はあるけど仕事を受けられない状況が続くと、会社が潰れてしまうと思う」(41歳女性/建設・土木/建築・土木関連技術職)
・「コロナ対策で消毒液など使わなければならず、支出が増えた」(43歳男性/食品/技能工・運輸・設備関連)
・「コロナウイルスによる感染対策のせいで、予定外の出費が多いと思う」(41歳女性/その他電気・電子関連/その他技術職)
・「業績が悪化したのと、テレワークの導入のために設備を整えたために費用がかかった」(41歳男性/食品/営業関連)
・「自分の部門は儲かっているのに、暇な部門が足を引っ張った」(46歳男性/その他電気・電子関連/メカトロ関連技術職)
・「公務員なので、コロナ禍で民間の支給額が減ったことに伴い減額になった」(47歳男性/官公庁/公共サービス関連)
・「業種による格差が激しい。労働者のボーナスは低調だが、とてつもない金融緩和の影響で経営者は空前の株高で莫大な収入を得ている。コロナ流行によって、経営者と一般労働者の格差は絶望的なまでに広がった。日銀はようやくETF買いで株価を吊り上げることをやめたが、アメリカは金融緩和で連日の高値更新である。株ばかりが高くなって労働者には恩恵はないようだ」(43歳男性/教育/事務・企画・経営関連)

■総評

調査の結果、マイナビニュース会員のうち、自身の会社にボーナス(賞与)制度がある人は81.4%と、8割以上が制度があると回答した。そのうち2021年夏のボーナスが支給された人は、半分強の51.8%となっている。夏のボーナスが昨年冬のボーナスと比べて「増えた」人は26.3%。「変わらなかった」は37.9%、「減った」は34.3%、「わからない」は1.5%だった。

夏のボーナスの支給額としては、最も多かった金額帯は23.4%の「20万円以上〜40万円未満」だった。以下、「20万円未満」「40万円以上〜60万円未満」(各18.3%)、「60万円以上〜80万円未満」(13.9%)、「80万円以上〜100万円未満」(9.2%)、「120万円以上」(6.2%)、「わからない」(5.6%)、「100万円以上〜120万円未満」(5.0%)の順番となっている。

夏のボーナス支給に関して、新型コロナウイルスの影響はあったと考えられたかどうかを聞いた。その結果、「影響はなかった」がおよそ半数の50.6%。「マイナスの影響があった」が40.2%、「プラスの影響があった」は1割に満たない9.2%となった。

夏のボーナス支給に関して、新型コロナウイルスの流行はどのような影響を及ぼしたと考えられたかを、具体的に訊ねた。「プラスの影響があった」では、コロナ禍における巣ごもり需要の拡大などで業績が向上し、結果としてボーナスアップにつながったというものが大半だった。業界・業種としては、IT業界、食品小売業界、不動産業界、家電業界などが挙がっているが、全体としてはやはり「プラスの影響」のある業界・業種は少数派にとどまっている。

一方の「マイナスの影響があった」では、「業績が悪化してしまい、支給金額が大幅に減ってしまいました」(40歳男性/総合商社/営業関連)、「顧客の数が減り、売り上げが下がった」(44歳男性/医療・福祉・介護サービス/専門サービス関連)、「サービス業なので業績が悪化している」(38歳男性/サービス/専門職関連)などコロナによる需要減が直撃して業績が悪化し、厳しいボーナス状況になっているというものが大多数だった。業種は飲食や観光をはじめとして多岐に亘っており、影響の深刻さが窺える。

また、「自分の部門は儲かっているのに、暇な部門が足を引っ張った」(46歳男性/その他電気・電子関連/メカトロ関連技術職)、「公務員で、世間の情勢をみて支給されるので少し減った」(30歳男性/官公庁/公共サービス関連)など、間接的に影響を被っているというコメントもあった。その他、「夏はボーナスもらえたが、冬はわからない」(38歳男性/鉱業・金属製品・鉄鋼/技能工・運輸・設備関連)など、今後を不安視する意見も見られた。

今回のアンケートでは、夏のボーナスが昨年冬のボーナスと比べて「増えた」人はおよそ4人に一人、「減った」は3人に一人と、ボーナスが増えた人も思いのほか存在している、という印象だ。

ただしコロナの影響はいまだ続いており、今後も予断を許さない状況であることも確か。現在進められているワクチン接種などを通じて、一刻も早くこのコロナ禍の脅威が消え去ることを願ってやまない、そんな感慨を抱かせる結果となった。

調査時期: 2021年6月30日
調査対象: マイナビニュース男女会員
調査数: 801人
調査方法: インターネットログイン式アンケート

※写真と本文は関係ありません