この記事ではマイナンバーカードの交付を受けるために必要な登録手順やマイナンバーカードを登録するメリットや注意点をあわせて解説します。
マイナンバーカードの概要
マイナンバーカードについてかんたんに整理しましょう。
マイナンバーとマイナンバーカードの違い
- マイナンバー
マイナンバーは、国内に住民票のある全ての個人に割り当てられている「個人番号」です。番号はすでに付与されていて一生変わりません。2015年10月から番号の通知が始まり、2016年1月から行政手続きに使われています。
- マイナンバーカード
自分のマイナンバーが記載されているカードです。カードを交付してもらうためには一定の情報を登録して申請を行いますが、申請にともないマイナンバーの管理情報が変わるわけではありません。
マイナンバーに登録されている情報
マイナンバーは「社会保障」「税」「災害対策」分野の情報が関連づいています。ある個人が同一人物かどうかを確認するために活用されます。
マイナンバーについてくわしくは「内部リンク:No.55「マイナンバーとは」記事」を参照してください。
5,000円分のマイナポイントをもらうには期限がある
2021年4月末までにマイナンバーカードの申請を行った人は、マイナポイントの申し込みを2021年9月末までに行うとマイナポイントとして5,000円相当のポイントがもらえます。 申し込み期限がある点には注意しておきましょう。
マイナポイントについてくわしくは「内部リンク:No.46「マイナポイントもらうには」記事」を参照してください。
マイナンバーカードの登録申請方法
マイナンバーカードの交付を申し込みたい場合は、以下の方法で登録できます。
- オンライン(スマートフォン・パソコン)
- まちなかの証明写真機
- 郵便
オンラインでの登録申請方法
ここでは、スマートフォン・パソコンでマイナンバーカードの交付申請を行う場合の登録手順を解説します。
交付申請時に必要なもの
- 申請書ID(スマートフォンの場合は交付申請書にあるQRコード)
- メールアドレス
- 顔写真のデータ
まず「オンライン申請用サイト」にアクセスして、利用規約を確認して合意します。登録は15歳以上の個人または法定代理人が行います。
メールアドレス登録
パソコンで登録する場合は、マイナンバーカードの交付申請書などに記載されている申請書IDを記載します。スマートフォンから登録する場合は、交付申請書にあるQRコードを読み込むと申請書IDは自動で入力されるため対応不要です。
交付にかかわる連絡を行うために、メール連絡用の氏名とメールアドレスを登録して「確認」を押します。
登録状況に問題がなければ「登録」を押します。
メールアドレスが登録されると上の図のような登録完了のメッセージが出ます。ポータルの入力画面は閉じて構いません。
顔写真登録
顔写真を登録する際は、先に登録したメールアドレス宛に届いているメッセージのリンクをクリックする必要があります。
リンクをクリックすると、申請書IDが登録された状態で、顔写真の入力画面に遷移します。顔写真のチェックポイントに従い条件にあった顔写真を登録しましょう。
申請情報登録
その他の情報として以下の情報を登録します。
- 生年月日
- 電子証明書の発行希望有無
- 氏名の点字表記希望有無
申請完了
全ての申請内容を確認して問題がなければ申請登録完了です。
まちなかの証明写真機からの登録申請方法
いろいろな場所に設置されている証明写真機からもマイナンバーカードの交付申請ができます。
交付申請時に必要なもの
- 交付申請書にあるQRコード
- お金
登録ができる証明写真機
マイナンバーカードの交付申請ができる証明写真機は、以下の企業が設置しているものです。
- 株式会社DNPフォトイメージングジャパン
- 日本オート・フォート株式会社
- 富士フイルム株式会社
- 三吉工業株式会社
交付申請書のQRコードをかざす
証明写真機のメニューから「マイナンバー」登録を選択し、ガイドに従いQRカメラに交付申請書にあるQRコードをかざします。
撮影する
マイナンバーカードに登録する自分の顔写真を撮影します。
申請する
オンライン申請時と同様に必要事項を入力し、撮影した写真と登録する内容を確認して申請します。
申請して受付証を受け取る
全ての情報を登録すると受付証が印刷されるため、マイナンバーカードを受け取るまで保管しておきます。
郵便による登録申請方法
手元に交付申請書がある場合はもちろん、交付申請書やQRコードがなく申請書IDがわからない場合でも郵送でマイナンバーカードの交付申請ができます。
交付申請時に必要なもの
- 交付申請書
- 顔写真
- 返信用封筒
個人番号カード交付申請書に記載
手元に個人番号カード交付申請書がある場合は、交付申請書に必要事項を記載します。持っていない場合や住所や名前に変更がある場合には、市町村の窓口で再交付を受けるか交付申請書をダウンロードして必要事項を記入します。
個人番号カード交付申請書を送付
マイナンバーカードの交付申請書の送付先は以下の住所です。
〒219-8650
日本郵便株式会社 川崎東郵便局 郵便私書箱第2号
地方公共団体情報システム機構
個人番号カード交付申請書受付センター 宛
封筒材料をダウンロードして利用すると、切手不要で申請が可能です。
マイナンバーカードの受け取り方法
マイナンバーカードの交付申請を登録したあとの受け取り方法をご紹介します。
マイナンバーカードの発行までの期間は約1か月
マイナンバーカードは申請を登録したあとは、クレジットカードなどのように自宅に直接届くわけではありません。マイナンバーカードの交付準備が整うと、市区町村からハガキで交付通知書が届きます。市区町村の窓口など指定場所に出向いて受け取ります。
受け取り時には暗証番号の設定が必要
マイナンバーカードを受け取る際は、受け取り時に次の2つのパスワードの登録が必要です。
- 署名用電子証明書用のパスワード
- 利用者証明用電子証明書用のパスワード
あらかじめどんな文字列にするか考えておくといいでしょう。
署名用電子証明書用のパスワード
署名用電子証明書用のパスワードは、英数字6文字以上16文字以下で設定できます。この番号は、署名すると氏名、住所、生年月日、性別を記載したのと同じ効果があるものです。e-Taxで確定申告をする場合など電子文書を送る際に用いられます。
利用者証明用電子証明書用のパスワード
利用者証明用電子証明書用のパスワードは、4桁の数字で構成されています。入力すると「本人である」ということが証明でき、マイナポータルへのログインやコンビニで住民票など公的な証明書の交付を受けたい場合などに用いられます。
マイナンバーカードを登録するメリット
登録申請時に知っておきたい、マイナンバーカードのメリットをご紹介します。
公的手続きが簡略化できる
マイナンバーカードがあれば、住民票や印鑑証明類をコンビニのマルチコピー機で受け取れるため、必要に応じて都度行政サービスセンターなどへ出向く必要がありません。
また、e-taxで確定申告ができる点も便利です。特に確定申告の際に青色申告をe-Taxによる電子申告または電子帳簿保存にすると、満額にあたる65万円の特別控除が適用されます。
健康保険証や運転免許証の代わりになる
マイナンバーカードは写真付き証明書になるため、1枚だけで身分証明書として使えます。そのほか、以下のような役割を果たします。
- 運転免許証と一体化(2024年度末予定)
- 健康保険証として使用可能(2021年10月から)
- 特定健診情報の閲覧(2021年7月から)
- 薬剤情報の閲覧(2021年10月から)
マイナンバーが確認できる
マイナンバーはさまざまな行政サービスに連携していますが、最初にマイナンバーを通知するために送付される個人番号通知書は再発行できない書類です。
もし個人番号通知書を紛失した際、マイナンバーが必要な場合は、マイナンバー入りの住民票を取り寄せるなど手続きが必要。マイナンバーカードがあればいつでも番号を確認できて便利です。
旧姓が記載できる
住民票に旧氏を併記するための請求手続きを行い、住民票に旧姓が併記されていれば、マイナンバーカードにも旧姓を記載できます。契約書や銀行口座などの名義変更をしなくても自分であることが証明できるほか、就職や転職時などに旧姓での活動が証明可能です。
自治体個別のサービスが受けられる場合も
マイナンバーカードを持っていると、自治体独自のサービスが受けられる場合があります。 例
- 図書館の利用カードと兼用
- 針灸マッサージ券交付申請
- 子育て支援サービス
- 選挙の期日前及び当日の投票入場受付管理
マイナンバーカードを登録する際の注意点
マイナンバーカードを登録申請する際に知っておきたいことを紹介します。
マイナンバーカードの申請は義務ではない
マイナンバーカードの人口に対する交付枚数率は、令和3年5月1日現在で約30.0%です。マイナンバーカードは用途が拡大しつつあるものの、マイナンバーカードの申請は義務ではないため申請は強要されていません。
マイナンバーカードは更新が必要
マイナンバーカードには有効期限があり、発行時の年齢により何回目の誕生日まで有効かが異なります。20歳以上の場合は、マイナンバーカード発行の日から10回目の誕生日まで、電子証明書は5回目の誕生日まで有効です。
カード発行時の年齢 | カードの有効期間 | 利用者証明用電子証明書 | 署名用電子証明書 |
20歳以上 | 10回目 | 5回目 | 5回目 |
15歳以上~20歳未満 | 5回目 | 5回目 | 5回目 |
15歳未満 | 5回目 | 5回目 | × |
期限が切れたマイナンバーカードは無効となるため、再度交付申請を行う必要があります。
サイバー攻撃や盗難紛失による情報漏えいリスクがある
日本ではアメリカや韓国と比べるとマイナンバーの保護規制が厳しく、なりすましの被害の対策が図られています。しかしマイナンバーカードの情報を不用意に記載したりカードを紛失したりすれば、思わぬ被害を受ける可能性があります。
マイナンバー自体は単なる数字なので、番号が知られても不利益にはなりにくいです。しかしマイナンバーにひもづいている個人の名前や住所などが一緒に流出するのは問題です。個人情報が売買されたり、なりすましで不正に行政手続きが行われたりと自分や周囲に直接影響する不利益が発生するかもしれません。
マイナンバーカードを持つ場合は、インターネット上でやり取りするサイトのパスワードを厳重に管理したり、マイナンバーカードを落としたり忘れたりしないようにしましょう。
マイナンバーカードの登録は自分にあった方法で行おう
マイナンバーカードを申請する方法はオンライン、写真機の使用、郵送があります。マイナンバーカードを取得する義務はありませんが、持っているとさまざまなメリットがあります。
今回紹介した注意点を踏まえてぜひ登録してみてはいかがでしょうか。
総務省「マイナンバー制度」
内閣府「マイナンバー制度について」
総務省マイナポイント事務局「マイナポイントとは?」
地方公共団体情報システム機構「マイナンバーカード交付申請」
マイナンバー個人番号交付申請「利用規約の確認」
地方公共団体情報システム機構「マイナンバーカード交付申請のご案内パンフレット」
地方公共団体情報システム機構「顔写真のチェックポイント」
地方公共団体情報システム機構「マイナンバーカードの受け取り」
総務省「公的個人認証サービスによる電子証明書」
地方公共団体情報システム機構「証明書の取得方法」
国税庁「令和2年分の所得税確定申告から65万円の青色申告特別控除の適用要件が変わります」
国税庁「こんなとき、あってよかった!マイナンバーカード」
マイナポータル「マイナンバーカードが健康保険証として利用できます!」
厚生労働省「マイナンバーカードの健康保険証利用について」
地方公共団体情報システム機構「個人番号通知書および通知カードについて」
総務省「住民票、マイナンバーカード等への旧氏の併記について」
総務省「マイナンバーカードの利活用のユースケース・メリット・方法について(その1)」
総務省「マイナンバーカードの市区町村別交付枚数等について(令和3年5月1日現在)」
総務省「マイナンバーカード」