東京商工リサーチはこのほど、「新型コロナウイルス」関連破たん状況(7月9日16時現在)を発表した。それによると、「新型コロナ」関連の経営破たんは、負債1,000万円未満も含めると全国で累計1,772件に上った。

飲食業で302件発生

  • 都道府県別破たん状況(負債額1,000万円未満を含む)7月9日16時現在(出典:東京商工リサーチWebサイト)

負債1,000万円以上の「新型コロナ」関連経営破たんは、累計1,682件(倒産1,580件、弁護士一任・準備中102件)発生。月別では、2021年に入り、2月122件、3月139件、4月154件と、3カ月連続で月間最多を更新。5月は124件と2021年1月以来4か月ぶりに前月を下回ったものの、6月は過去最多の155件を記録した。7月も9日時点で52件と、依然として高いペースを維持している。

都道府県別では、0~20件未満が17県、20~30件未満が10府県、30件以上は12都道府県に拡大。最も多いのは東京都の392件で、全体の約4分の1(23.3%)を占め、以下、大阪府176件、神奈川県85件、愛知県80件、兵庫県68件、福岡県66件、北海道65件と続いた。

業種別では、飲食業が302件で最多。次いで、建設業が166件、アパレル関連(製造、販売)が149件、宿泊業が83件と続いたほか、飲食業などの不振が影響している飲食料品卸売業が79件、食品製造業も53件と多かった。

7月12日、東京都は4度目の緊急事態宣言を適用し、首都圏3県と大阪府はまん延等重点措置を延長した。同調査では、「ダメージを受けた企業への金融支援策は継続するが、事業環境が回復しないままコロナ融資の返済がスタートする企業も出始め、過剰債務の問題も浮上している。息切れや事業継続をあきらめて破たんに至るケースも目立ち、全倒産に占めるコロナ関連の割合が高まっている」と懸念している。