あなたは誰かの何気ない一言に傷ついたり、不快に感じたりしたことはないでしょうか。あるいは、あなたの不用意な一言が気づかないうちに誰かを傷つけていたことも、ひょっとしたらあったかもしれません。

そんな人間関係の機微について語った、とろけるさん(@iammelting_)のツイートが大きな話題を呼んでいます。

「言ってほしいことを言ってくれる」よりも「言わないでほしいことを言わないでいてくれる」の方が親しい人間関係を築くうえで大切なことだと思っている(@iammelting_から引用)

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リプライや引用リツイートでは、「同意」「めちゃくちゃ分かりみ」「これに気づくのに10年くらいかかった気がする」といった賛同意見や共感の声が多数挙がっています。

その一方で、「いや、言わないでほしいことも言ってほしい」「どうでもいい人には何も言わないけれども、大事な人には言わなければならない事は言うなぁ」「良いことも悪いことも 思いやりを持って伝えてくれる人が1番良い」など、「厳しいことでもあえて言うべき・言ってほしい」といった意見も多数寄せられています。

いずれにしても、このツイートが多くの人にとって、人間関係について改めて考えるきっかけになったのは間違いないようです。

このツイートをした、とろけるさん(@iammelting_)に、投稿の経緯をうかがいました。

「言わないでほしいことを言わないでいてくれる」、投稿者に聞いてみた

――人と関わるうえで「相手がほしい言葉を言った方が良い」と思いがちですが、今回の投稿をされたきっかけを教えてください。

日常生活の中で、お互いに「ほしい言葉を言える人」というのはハードルが高く意外と少ないよな、とふと思ったからです。「言わないでほしいことを言わない」ことの方が人と親しくなっていくうえでの大前提なのでは? と感じます。そしてそれができたうえで初めて「ほしい言葉を言える人」になれるのではないかと。

――「ほしい言葉を言える人」になる前段階として、「相手が言わないでほしいことを言わない」ということですね。

「親しき仲にも礼儀あり」という古くからのことわざもありますが、相手に配慮するということは人間関係でとても大切なことだと思っています。

――今回のツイートには多くの方から共感が寄せられていますね。

共感が多いのは嬉しく思いますが、「言わないでほしいことをあえて言ってほしい」という意見もありました。それは例えば、不倫をやめるべきだとか、仕事上の避けられない叱責とか、言いづらいことでも本人のためにあえて伝えるという解釈だと思います。

けれど、私のイメージしていた「言わないでほしいこと」とは、「太った?」「なんでお父さんいないの?」など、容姿や私的なことなど個人の触れられたくないであろう領域についてでした。短いひとつのツイートだと、人によっていろんな捉え方がされるのだなと感じました。


投稿者のとろける(@iammelting_)さんが言う「言わないでほしいこと」とは、育った環境や容姿など本人の努力ではどうにもならないこと、あるいは本人にとって、努力で変えるのが難しいことなのでしょう。

たとえ悪気はなくても自分の不用意な言葉が人を傷つけたり、不快な思いをさせてしまったりすることはままあります。大切なのは、「世の中には色々なバックグラウンドを持つ人がいて、人によって価値観・感じ方が違う」という当たり前のことを改めて認識し、想像力を働かせることではないでしょうか。

価値観や感じ方が違う以上、自分の何気ない言葉が人を傷つけるのゼロにすることはできないかもしれませんが、想像力を働かせることで、「もしかしたらこの言葉は相手を傷つけるかもしれない」と、口に出す前に気づくことも出てくると思うのです。