個人に割り振られているマイナンバー。その桁数は何桁なのでしょうか。ランダムに生成されるわけではなく、住民票コードを基に変換して設定されています。
この記事ではマイナンバーの桁数と法人番号や住民票コードとの違いを解説します。
マイナンバーの桁数は12桁
マイナンバー(個人番号)の桁数は12桁です。全て数字で構成されており、マイナンバーが交付された人の番号はそれぞれ異なりますが、桁数は全員共通となっています。
マイナンバーは「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(番号法またはマイナンバー法)」に基づいて設定される特定個人情報です。漏えいして不正利用される可能性がある場合を除いて、交付されたマイナンバーが変更されることはありません。
マイナンバーが設定される要件
マイナンバーは住民基本台帳に記載されている全ての人に対して設定される、コンピューターが無作為に生成した11桁の「住民票コード」を基に作られます。
しかし、マイナンバーと住民票コードが全く同じ数字になることはありません。12桁であるマイナンバーは住民票コードを復元不可能な形で変換した11桁の数字と検査用数字1桁を加えて生成されるからです。
マイナンバーは住民票コードありきの番号です。そのため、住民基本台帳に載っていない場合、たとえば長期間海外に住んでいる方や住民票がない方は、日本国籍を持っていたとしてもマイナンバーが交付されないことがあります。一方で住民票がある中長期在留者や特別永住者などの外国籍の方でもマイナンバーは交付されます。
マイナンバー制度の目的
マイナンバー制度は総務省の定義によると、「行政を効率化し、国民の利便性を高め、公平・公正な社会を実現する社会基盤」です。
たとえば、社会保障や税金、災害対策などの各分野で保有されている個人情報をマイナンバーと紐付けることで、効率的な情報の管理と連携を行えます。その結果、行政手続きにおける国民の負担を和らげて、行政運営も効率化できる仕組みとなっています。行政が国民の状況を把握しやすいため、不正の防止や必要な部分への細かい支援もできます。
マイナンバーの生成には個人の申請は必要なく、2015年10月5日から順次割り振られたマイナンバーの通知が始まりました。当初、マイナンバーは「マイナンバー通知カード」によって通知されました。ただし、マイナンバー通知カードは2020年5月25日で新規発行が廃止になり、現在は新たにマイナンバーが付番される方には「個人番号通知書」が郵送されます。
また、マイナンバー保持者はマイナンバーが記載された顔写真付きの「マイナンバーカード」を発行できます。マイナンバーカードはマイナンバーや身分を証明する証明書として、電子申請や証明書の発行などのさまざまなサービスを利用できるカードです。
12桁のマイナンバーと間違えやすい番号
マイナンバーは必ず12桁ですが、ほかにもマイナンバーと遠くない場面で使われる番号がいくつかあります。
たとえば、マイナンバーカードに搭載できる電子証明書は署名用電子証明書と利用者証明用電子証明書の2種類があり、暗証番号を設定します。署名用電子証明書の暗証番号は英数字6文字以上16文字以下です。そして、利用者証明用電子証明書は数字4文字です。具体的にマイナンバーの桁数と間違えやすい番号を解説します。
マイナンバー通知カードの申請書ID
マイナンバー通知カードまたは個人番号通知書に同封されている書類のうち、個人番号カード交付申請書には、23桁の申請書IDが設定されています。申請書IDはマイナンバーカードの交付のために使います。マイナンバーと関係する部分であるため、最もマイナンバーの桁数と混同しやすい数字です。
申請書IDを利用することで、専用ページからオンライン申請も可能です。マイナンバーカードの交付申請を行ってから、カードが発行されるまでは期間が空きます。交付申請の受付状況を問い合わせる場合には申請書IDを伝えることで、行政が本人の受付情報を調べる仕組みです。申請書IDを使うことで、マイナンバーを直接確認せずに交付の事務手続きを進められるようになっています。
法人番号
本人番号とは「国税庁が法人に対して1番号のみ発行する識別番号」のことです。マイナンバーと同じ番号法に基づき運用される、1桁の検査用数字と12桁の基礎番号の計13桁の番号で構成されています。
発行された法人番号はマイナンバーと同じく、2015年10月より各法人に対して通知されました。通知された後はマイナンバーとは異なり、商号や名称と本店や事務所の所在地とともに公表されます。
住民票コード
住民票コードは「迅速かつ正確に本人確認をするために住民基本台帳に記載された11桁の数字」のことです。たとえば、パスポートの申請や年金の裁定請求などの住民基本台帳法で定められた状況にて、本人確認のために使われます。
マイナンバーとは異なり、住民票コードの変更は希望する場合に所定の手続きを踏めば可能です。番号を選ぶことはできませんが、身分証明書を持参して居住地の役所で申し出をすれば変更できます。
海外のマイナンバー制度
マイナンバーのように、国民に番号を割り当てて個人情報を管理する仕組みを「共通番号制度(国民識別番号)」といいます。特定個人を識別しやすくすることで、個人情報管理の効率化を図ります。
海外では特に欧米で採用されている制度です。たとえば、アメリカでは9桁の「社会保障番号(Social Security number)」があります。アメリカには戸籍制度がないため、個人を証明するためのIDや身分証明として住居の契約や銀行口座の開設など、 生活する上ではなくてはならない番号となっています。
法人番号とは
法人番号は各法人に必ず発行される13桁の番号です。マイナンバーと同時期に運用が始まった番号であるため、間違えないようにしましょう。具体的な法人番号の仕組みを解説します。
インターネットで公表される
まず、法人番号は通知された後に、誰でも確認できる国税庁の「法人番号公表サイト」にて、Web上に公表されます。
特定個人情報であるマイナンバーは漏えいを防ぐため、安全管理措置のもとに厳重に管理されます。しかし、法人番号は商号や名称、事務所の所在地とともに、サイトで検索できるようになるのです。マイナンバーとは異なり、公表情報としてさまざまな場面で活用されます。
行政手続きを効率化できる
法人番号により行政機関内での連携が行われるため、行政手続きの申請や届出が効率的になります。法人側も手間が省けるため、行政と法人の両者ともにメリットがあるのです。
取引先管理を効率化できる
法人番号で取引している法人の情報入手が容易になります。名称や所在地の変更も反映されるため、取引先の管理がしやすくなります。
また、自社の情報も法人番号の紐付けにより更新されるため、間違われることが減ります。社内の部署で管理している法人情報も法人番号で効率よく共有できます。
マイナンバーの桁数は12桁のみ
今回はマイナンバーの桁数についてと住民票コードや法人番号の違いを解説しました。マイナンバーは全て数字で構成されており、住民票コードを基に生成された12桁の番号です。
住民票コードは無作為に抽出された11桁の番号であるため、マイナンバーと同じ番号になるわけではありません。そして、法人番号は13桁であり、法人番号公表サイトにて公表されます。
マイナンバーは基本的に変更されることのない、重要な個人情報です。漏えいすることがないように、大切に扱っていきましょう。
総務省「マイナンバー制度とマイナンバーカード」
国税庁法人番号公表サイト「法人番号とは」