肥後銀行と肥銀カード、およびソニーは、熊本地域振興ICカード「くまモンのICカード」にスマートフォンから入金チャージできるサービスの商用化に向け、実証実験を7月から開始する。
現在、交通系ICカード機能をスマートフォンに直接搭載するサービスは、主に首都圏での導入にとどまっている。そのため、他の地域の交通系ICカードの利用者は、駅や店舗、公共交通機関内などにチャージ環境が限られている。今回の実証実験には、くまモンのICカード利用者の利便性向上を通じて、熊本県内でのキャッシュレス決済の普及を進める狙いがある。
実証実験では、利用者がスマートフォンにくまモンのICカードをかざし、アプリ内でチャージ金額を入力して実行すると、肥後銀行の口座から入金できる仕組みが適切に機能するかを検証。非接触ICカードにかざすだけで情報の読み書きができる、スマートフォンのリーダー/ライター機能を活用する。
肥後銀行および肥銀カードはチャージ用の「スマートフォン向けアプリケーション」と「同行の口座から入金できる仕組み」を提供し、ソニーは「スマートフォンのリーダー/ライター機能を利用してICカードへアクセスする仕組み」を提供する予定という。
2021年7月に始まる1回目の実証実験は、対象を各社の関係者に限定。2021年9月1日〜10月末に実施予定の2回目の実証実験では、くまモンのICカードの一般ユーザーから1,000人以上のモニターを募り、商用化に向けた技術・運用・事業面での課題の精査や分析、検証を行う想定だ。
なお、今回の実証実験を通じてシステムを商用化した後、3社はこのサービス向けに構築したスマートフォン向けアプリ・業務サーバー・チャージサービス用のプラットフォームを、他地域の交通系ICカードにも展開することも検討している。