マーケティングを学ぶうえで書籍を活用するのは、知識が体系化ができるため有効です。しかし、マーケティング本といっても、入門編から応用編まで、さまざまな内容のものがあります。実際にマーケターはどのような本を参考にしているのでしょうか?
そこで今回は、全国のマーケター179人にアンケート(※1)を実施。マーケティングが学べておすすめしたいマーケティング本とその理由を聞いてみたのでランキング形式にてご紹介します。
マーケティングが学べる本ランキング
1位『USJを劇的に変えた、たった1つの考え方 成功を引き寄せるマーケティング入門』(20.7%)
2位『ジョブ理論』(19%)
3位『100円のコーラを1000円で売る方法』(17.9%)
4位『ドリルを売るには穴を売れ』(17.3%)
5位『コトラーのマーケティング4.0 スマートフォン時代の究極法則』(14%)
5位『100人の村で84人に新商品を売る方法』(14%)
7位『影響力の武器 なぜ、人は動かされるのか』(13.4%)
8位『シュガーマンのマーケティング30の法則』(12.8%)
9位『たった一人の分析から事業は成長する 実践 顧客起点マーケティング』(12.3%)
9位『事例で学ぶ BtoBマーケティングの戦略と実践』(12.3%)
9位『サイゼリヤ おいしいから売れるのではない 売れているのがおいしい料理だ』(12.3%)
9位『ワークマンは 商品を変えずに売り方を変えただけで なぜ2倍売れたのか』(12.3%)
1位『USJを劇的に変えた、たった1つの考え方 成功を引き寄せるマーケティング入門』
USJをV時回復させたマーケター・森岡毅氏によるマーケティング思考の指南書。「戦略的思考」と「マーケティング・フレーム」について図解や体験談を交えてわかりやすく解説しています。
出版社/KADOKAWA/角川書店
定価/1,540円
- 「具体的な例がすべての問題のヒントになるから」(63歳・男性)
- 「逆転の発想に気づきながら、マーケティングの概念をつかむことができる」(55歳・男性)
- 「よく知っているUSJのことが例になっているので、ものすごく読みやすい」(31歳・女性)
2位『ジョブ理論』
消費者の商品購買行動を「ジョブを片付けるための雇用」と位置づけて、イノベーションを分析した一冊。自社の商品を「雇用」してもらうためには、それまで使用されていたものを「解雇」させる理由を作らなければならないという観点は革新的です。
出版社/ハーパーコリンズ・ ジャパン
定価/2,200円
- 「なぜ人はモノを買うのか、その根本についてつかめる」(42歳・男性)
- 「読みづらいが、顧客の気持ちをどこまで深く把握できるのか、考えることができる」(58歳・男性)
3位『100円のコーラを1000円で売る方法』
顧客至上主義を脱却し、顧客が抱える潜在ニーズを解決することで付加価値を提供できるというマーケティング思想を解説。豊富な事例がユーモアあふれる文章で紹介されています。
出版社/KADOKAWA/中経出版
定価/1,540円
- 「題材が身近で、語り口が平易でわかりやすい」(39歳・女性)
- 「日常でも使える内容があるのでおすすめしたいです」(33歳・男性)
- 「物事を根底から覆すような発想が大事だと気付かされるから」(32歳・男性)
4位『ドリルを売るには穴を売れ』
「ベネフィット」や「差別化」などマーケティングの4つの理論をベースに、マーケティング脳を鍛えるためのエッセンスが散りばめられた一冊。マーケティング活用の例題も掲載されており、明日から業務に活かせるアイディアが満載です。
出版社/佐藤義典
定価/1,571円
- 「自社の研修に利用していて、わかりやすい」(41歳・男性)
- 「わかりやすかったので、自分に役立ったから」(29歳・女性)
5位『コトラーのマーケティング4.0 スマートフォン時代の究極法則』
近代マーケティングの父と称えられるコトラーが、デジタル時代のマーケティングのあり方を唱えた一冊。スマートフォンやSNSが普及した時代のマーケティングは、顧客コミュニティとのつながりを作り、「推奨者」を生み出すことが重要だと提言します。
出版社/朝日新聞出版社
定価/2,640円
- 「コトラー氏の著書なので参考になる」(59歳・男性)
- 「マーケティングを学ぶには定番の本だから」(60歳・男性)
5位『100人の村で84人に新商品を売る方法』
「人はなぜ商品を購入するのか」「商品はどうすれば売れるのか」というマーケティングの永遠の課題に対し、大いなるヒントを与えてくれます。ワークショップのように、自ら考えながらマーケティングの実践力を養える必読書です。
出版社/雷鳥社
定価/1,540円
- 「価値のあるものの売り方を知ることができる」(55歳・男性)
- 「自分に合っている内容だと思った」(28歳・男性)
- 「何が問題のボトルネックでどう解消すべきか、物語形式でわかりやすく書いてあるので」(42歳・女性)
7位『影響力の武器 なぜ、人は動かされるのか』
人が要請を受け入れる心理的原理を、社会心理学的に分析。承諾を誘導する6つのカテゴリーの戦術を実験に基づいて解説し、情報社会において騙されないための防衛策まで紹介されています。ビジネスでも日常生活でも使える知見が満載の名著です。
出版社/誠信書房
定価/2,970円
- 「会社の推奨図書として読んだため」(30歳・男性)
- 「低成長期にも馴染む内容だから、アフターコロナにも最適」(71歳・男性)
8位『シュガーマンのマーケティング30の法則』
CIA出身の名マーケター・シュガーマンが、自身の経験を体系的にケーススタディ化したマーケティング本。複雑なテクニックを駆使するよりも、マーケティングにおいては「正直」であることが重要だと気づかされます。
出版社/フォレスト出版
定価/1,760円
- 「理論立てた説明がわかりやすい」(42歳・女性)
- 「企業戦略の基本は組織戦略にあると考えています」(58歳・男性)
9位『たった一人の分析から事業は成長する 実践 顧客起点マーケティング』
顧客が魅力を感じなければ、商品は購入してもらえない。顧客は何を考えて、何を求めているかを理解することがマーケティングの基本だと立ち返ることができます。顧客を知るためのフレームワークや実例が豊富に紹介されているのも、実戦で活用できるポイントです。
出版社/翔泳社
定価/2,200円
- 「包括的に新しいマーケティング方法を筆者の実体験に基づいて勉強できるから」(28歳・女性)
- 「実際に読んで自分の業界でも使えるような話が多かったから」(47歳・男性)
- 「N1分析の視点が社会活動において本質的であるから」(37歳・男性)
9位『事例で学ぶ BtoBマーケティングの戦略と実践』
大手企業からベンチャー企業まで、企業の成長フェーズに応じたBtoBマーケティングの事例がわかりやすく解説されています。実践的なケーススタディが豊富な図解で示されており、マーケティング初心者でもスムーズに理解を深められる内容です。
出版社/すばる舎
定価/1,980円
- 「要点がまとめられていて、わかりやすくポイントを押さえやすい」(36歳・男性)
- 「実例をもとにわかりやすく説明している」(44歳・女性)
- 「実践的な内容で、すぐに展開できる」(56歳・男性)
9位『サイゼリヤ おいしいから売れるのではない 売れているのがおいしい料理だ』
サイゼリヤ創業者の正垣泰彦氏による初の著作。魅力的な商品開発と低価格の裏付けは、PDCAサイクルを回し続ける科学的な経営にあります。コスト削減や値付けの注意点など、利益を拡大するためのヒントが豊富に紹介された一冊です。
出版社/日本経済新聞出版
定価/825円
- 「身近なお店の話だから読みやすい」(28歳・男性)
- 「品質へのこだわりを含めてマーケティングだと、つくづく感じることができる」(48歳・男性)
9位『ワークマンは 商品を変えずに売り方を変えただけで なぜ2倍売れたのか』
目覚ましい成長に注目が集まるワークマンのマーケティング戦術を解説した本書。既存の商品の売り方を変えるだけで、売上高を約2倍に伸ばした真髄に迫ります。新たな試みを続ける姿勢に、大いなる刺激と勇気を与えてくれる一冊です。
出版社/日経BP
定価/1,760円
- 「裏付けを確認できる実践法として説得性がある」(35歳・男性)
- 「売り上げを向上させている実在の企業のやり方は参考になるから」(55歳・男性)
マーケティングが学べる本ランキングのまとめ
全国のマーケター179人、おすすめしたいマーケティング本を尋ねたところ、1位に輝いたのは『USJを劇的に変えた、たった1つの考え方 成功を引き寄せるマーケティング入門』(20.7%)だった。
それ以外では2位『ジョブ理論』(19%)、3位『100円のコーラを1000円で売る方法』(17.9%)、4位『ドリルを売るには穴を売れ』(17.3%)、5位は同率で『コトラーのマーケティング4.0 スマートフォン時代の究極法則』(14%)、『100人の村で84人に新商品を売る方法』(14%)がランクインした。6位以下はマーケティング本の定番から、注目企業のノウハウ本がそろった。
マーケティングを学ぶ際は、ぜひ今回のランキングを参考にしてみてほしい。
※1:アンケートは2021年6月9日~11日にわたり、全国のマーケター(男性130人、女性49人)を対象にインターネット上で実施