「京樽」と「スシロー」のダブルブランドによるテイクアウト専門店が7日よりオープンする。京樽こだわりの「茶きん鮨」「押鮨」といった上方鮨と、スシローならではの「にぎり盛り合わせ」などを一緒に購入できるのが特徴だ。まずは東京と千葉の4店舗でスタートし、順次、店舗拡大していく考え。京樽・スシロー行徳店にて6日、記者説明会が行われた。
■新業態の狙いは
今回、オープンする京樽×スシローのテイクアウト専門店は、京樽・スシロー行徳店(千葉県市川市)、京樽・スシロー市ヶ谷店(東京都千代田区)、京樽・スシロー西船橋店(千葉県船橋市)、京樽・スシロー門前仲町店(東京都江東区)の4店舗。
今年(2021年)4月にFOOD & LIFE COMPANIESに仲間入りした京樽。5月の戦略発表会に登壇した石井社長は「京樽のテイクアウトのノウハウを生かしつつリブランディングすることで、グループにシナジー効果をもたらしていく」と話していたが、それが早くも具体化した形だ。同店舗には、スシロー社が進めている「スシロー To Go」の商品群のケースと、京樽の商品群のケースが並べて配置されていた。
店舗展開について石井社長は「より多くのお客様にご利用いただけるよう、新たな京樽にブラッシュアップしていければ。まずは4店舗でトライアルした後、順次、既存の京樽店をダブルブランドにしていく、あるいは新たなエリアに出店していくことを考えています」と話す。
さらに「いま社内では、京樽の上方鮨のなかにスシローの生のネタを入れたらどうか、といった議論まで出ています。またスシローだけでなく、大衆寿司居酒屋 鮨・酒・肴 杉玉とコラボしても面白いでしょう。京樽の既存の商品についても今秋を目処に、混ぜシャリの中身、卵の厚み、甘さなどを再検討していきます。さらにおいしい商品を開発すべく、取り組みをスピードアップしているところです」と続けた。
トライアルの4店舗は商圏、客層、立地、店舗面積、オペレーションなどに違いを持たせている。例えば京樽・スシロー市ヶ谷店では、平日の昼間のオフィス街におけるニーズを探る。トライアル後には、次のステップとして「デリバリー」「作り置きの予約」といった需要にも対応していきたい方針だという。
これからの京樽では季節感も大事にしていきたい、と石井社長。「具体的には、秋になったら松茸の香りがする、というようなことですね。『京樽に来れば、何か新しい商品に出会えるかも知れない』というドキドキ感をつくっていきます」と口にした。
ちなみに今春の説明会で、FOOD & LIFE COMPANIES 代表取締役社長CEOの水留浩一氏は「外食は鮮度だと思っています。食材の鮮度もありますが、店舗としての鮮度もある。ご来店いただいたお客様に、どれだけ新しさ、発見を提供できるか。京樽ってなんか面白くなったよね、と思っていただけるよう、一緒に取り組んでいきます」と話していた。石井社長の言葉からは、そんなスシローイズムの浸透を感じた次第。始まったばかりの京樽×スシローのテイクアウト専門店だが、今後の展開にも注目したい。