PCやスマホで地図サービスが使えるようになったことで、ルート検索はもちろんのこと、地図の拡大縮小、さらには路線図や道路地図、航空写真などを目的別に切り替えて利用するのも当たり前となった。紙の地図では考えられなかった、電子ならではの利点と言っていいだろう。
こうした地図サービスのプラスアルファの活用方法として、複数の地図を並べての比較がある。他地域との比較、新旧地図の比較など、単一の地図サービスにはない視点を提供してくれるこれらサービスを使えば、対象となっている地域をより深く知ることができる。これもやはり、電子ならではの利点と言っていいだろう。
今回は、こうした地図同士の比較を軸に据えた、ブラウザ上で利用できる4つのサービスを紹介する。
国同士のサイズを比べられる「The True Size Of ...」
「The True Size Of ...」は、国同士のサイズを地図上で比較できるサービス。画面左上に国名、例えば「Japan」と入力すると日本が強調表示され、ドラッグして移動できるようになるので、他国に重ねることで大きさを比較できる。例えば日本の本州および九州の長さは、スカンジナビア半島とおおむね等しい……といった具合に、サイズ感の違いを把握するには最適。メルカトル図法による歪みも自動的に修正されるので、赤道に近い国と離れた国との間でも、サイズ比較は容易だ。
2つの地域を並べて距離感を把握できる「くらべ地図」
「くらべ地図」は、2つの異なる地域を左右に表示し、距離感を把握できるサービス。例えば「東京駅」「京都駅」を並べて表示させることで、東京駅から秋葉原までの距離は、京都駅から四条までの距離とおおむね等しい……といった具合に、2点間の距離を比較できる。なお拡大縮小が連動するのは画面右下の「+」「-」を使って操作した場合のみで、マウスのホイールで拡大縮小を行うと個別にズームが行われるので要注意。
新旧の地図を並べて地形の変化を確認できる「今昔マップ on the web」
「今昔マップ on the web」は、全国さまざまな地域における、新旧の地図を比較できるサービス。地図はもっとも古いもので19世紀末から対応しており、例えば東京の新旧地図を選択すると、東京湾内の埋め立てられたエリアがどこなのかもすばやく把握できる。場所の移動および拡大縮小は連動して行われるので、比較対象の場所を見失うこともない。使われている地図は国土地理院のもので、同時表示可能な地図は最大で4画面まで。
地図サービスごとの表記の違いが一目瞭然「JapanMapCompare」
「JapanMapCompare」は、「地理院地図」「OpenStreetMap」「Google マップ」など、複数の地図サービスの表示内容を同一地域で比較できるサービス。ある地図では広く書かれている道路の幅が、ほかの地図では非常に狭かったり、またある地図では特定のランドマークが載っているがほかの地図では載っていない……といった違いを確認できる。最大で3つの地図サービスを横に並べることができ、場所移動、拡大縮小といった操作も連動する。