音楽劇『イキヌクキセキ~十年目の願い~』の公開稽古が2日に神奈川・横浜のKAAT神奈川芸術劇場ホールで行われ、屋良朝幸、浜中文一らが取材に応じた。

  • 前列左から松本明子、浜中文一、屋良朝幸、松平健、安寿ミラ、後列左からヒデ、松下優也、隅田美保

「東日本大震災」から10年。震災に関わった多くの人たちにエールを送るために、数々の作品を手がける演出家のモトイキシゲキ氏が現地で取材し、実際の出来事をもとに書き下ろした作品。震災で両親を失い、東京でダンサーになる夢を叶えようと故郷を離れていた鈴木大樹(屋良)は、同郷で「元気食堂」を営む木島晃(松平健)との出会いで、故郷へ帰ることに。吉澤元(浜中)ら同級生たちと再会し、常連客と絆を深めるうち、震災によって幻となっていた「高校の卒業式」を計画し始める。

実際に東北地方へ足を運び、地元の人から当時の話を聞いたという屋良と浜中。屋良は「震災を題材をした作品を地元の方が見たとき、どう思うんだろうと僕は考えすぎていたんです。でも地元の方に『エンタメを通して、実際に起こったことを伝えてほしい』と言われ、ものすごく勇気をもらえました」と振り返り、「エンタテインメントに関わっている人間として、地元の方たちの思いをステージ上から伝えていきたい。それだけだと堅くなってしまうので、ダンスや歌を交えながら、見てくれる人が『ショー』として楽しめる作品にしたいです」とアピールした。

続けて話を振られた浜中だが、屋良の話に聞き入っていたのか「何を話せばいいんでしたっけ?」と慌てる姿を見せ、ステージ上は笑いに包まれた。浜中は「思いと意気込みですね」と確認したうえで、「仕事を頂くたびに、どんな“ご縁”があって頂けた仕事なんだろうといつも考えます。今回の舞台とのご縁は今もまだ考えているところなんですけど、すごくいい勉強をさせてもらえたなと。この作品を通して、少しでも何かを伝えられるように一生懸命やるしかない。頑張ります」と意気込んでいた。

『イキヌクキセキ~十年目の願い~』は、KAAT神奈川芸術劇場(7月2~11日)、大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA WWホール(7月16日~18日)にて公演される。