舞台『「バクマン。」THE STAGE』の製作発表会が2日に行われ、鈴木拡樹、荒牧慶彦、ウォーリー木下(演出・脚本)、松田誠(プロデューサー)が登場した。
同作は2008年から2012年まで『週刊少年ジャンプ』(集英社刊)で連載されていた大場つぐみ(原作)、小畑健(作画)のコンビによる大人気マンガの舞台化作。真城最高(通称:サイコー/鈴木)と高木秋人(通称:シュージン/荒牧)の高校生マンガ家コンビが、『週刊少年ジャンプ』のトップを目指して奮闘する様子を描く。『週刊少年ジャンプ』編集部がモデルになっていることで話題になり、2010年から2012年にかけて3期にわたってアニメ化、2015年には実写映画化もされている。
イベントには、専門学校や大学のクリエイティブコースなど、将来のクリエイターの卵達も参加し、登壇者陣に対して様々な質問も。「2.5次元作品を演じるにあたって大事にしていることは?」という質問では、荒牧が「僕自身、アニメやゲームや漫画が好きなので、ファン目線がある。作り手側じゃない意識をすごく持っていて、見ている方の気持ちを1番意識して作ります」と明かす。「稽古動画などいろいろ撮ってもらって、自分なりに見返して、『今の間は気持ち悪いな』と(改善したり)、大事にしています」と稽古の様子も説明した。
鈴木は「原作ファンの方が見に来られることが多いので、できるだけ期待を裏切らないというのは、大前提です。あとはやっぱり、漫画を読んだ時に感じる作者さんの意図を反映させること。現場にいらっしゃるわけじゃないので、作者さんの伝えたかった気持ちを読むところが大事だなと思ってます。カット割りとかも見てますし、『おそらくこのテンポで読んで欲しいんだろうな』ということであったり、そういうことをできるだけ読み込んで見ています」と、キャラだけでなくテンポ感にも気を配っている様子。
一方で鈴木は「距離感とか世界観というのは絵に描いてる通り、まったく同じというわけにはいかないので、代わりにどういうものにしていけばいいのかっという部分が、オリジナル性なのかな。僕たちも見てもらうお客さんも答えが決まりがちなんですけど、そこを飛び越えられる瞬間を見つけられると嬉しいので、そういうことを気にして役作りに励んでいます」と語った。
また鈴木は『バクマン。』についても「舞台化した以上は楽しんでもらいたいですし、そのままやることが楽しいという選択肢もあれば、舞台のアイディアでこんなに楽しめるもんなんだという発見を持ってもらう楽しみ方も大事にしたい」と意欲。「むりやり裏切りたいわけではなく、世界観をちゃんと大切にした中で、『演劇的な要素を入れるとこんな化学反応が起きるんだ』という部分を楽しんでもらいたい」と原作ファンへ呼びかけた。