マイナンバーカードがあれば、コンビニで住民票の写しや戸籍証明書を簡単に取得できます。今後はサービスの拡充も検討されているため、コンビニでマイナンバーカードを活用する機会も増えるでしょう。
本記事では、マイナンバーカードでのコンビニ交付を利用する方法や取得可能な証明書類、マイナンバーカードが使えないときの対処法などについて解説します。
マイナンバーカードとは
マイナンバーカードは氏名や住所、生年月日、マイナンバー(個人番号)などが記載されたプラスチック製のICチップ付きカードです。本人の顔写真も付いているため、本人確認のための身分証明書として利用できるほか、e-Taxなどの電子証明書を利用した電子申請をはじめとするさまざまなサービスに活用できます。
マイナンバーカードでできること
マイナンバーカードを持っているとさまざまなことができるようになります。下記に主なものをまとめました。
各種行政手続きのオンライン申請
マイナポータルへのログインをはじめ、各種の行政手続きのオンライン申請に利用できます。
マイナポイントの取得
マイナンバーカードを持っている人がもらえる全国共通の買い物用ポイント「マイナポイント」が一定条件を満たせば取得できます。
本人確認の際の公的な身分証明
マイナンバーカードを身分証明書として使うことで、金融機関での口座開設やパスポートの新規発給などができます。
オンライン取引
オンラインバンキングをはじめとしたインターネット上の取引にも活用できます。
コンビニでの各種証明書の取得
コンビニで住民票、印鑑登録証明書などの公的な証明書を取得できます。
ここからは、このコンビニで取得可能な各種証明書について詳しくみていきましょう。
コンビニで取得できる証明書の種類
マイナンバーカードがあれば、コンビニで下記の証明書を取得できます。
- 住民票の写し
- 印鑑登録証明書
- 住民票記載事項証明書
- 各種税証明書
- 戸籍謄本
- 戸籍抄本
取得できる証明書は市区町村によって異なります。取得できる時間は6:30~23:00までで、土日祝日も利用可能です。市区町村の窓口が開いていない時間帯でも取得できるだけではなく、窓口よりも手数料が安くなるケースもあるので、利用を検討してみる価値は十分にあるでしょう。
全国のコンビニエンスストアで証明書を取得できるので、出先で急に証明書が必要になったときにも役に立ちます。発行される証明書には偽造・改ざん防止処理が施してあるため、窓口以外での証明書発行に抵抗があるという人でも安心して使えるでしょう。
マイナンバーカードでコンビニ交付を利用するための準備
コンビニ交付サービスを利用できる市区町村は「コンビニ交付に関する情報」で確認できます。事前に最寄りのコンビニが対応しているかどうかを確認してから行くようにしましょう。
コンビニ交付を利用するためには、次の2つが必要です。
(1)利用者証明用電子証明書が記録されたマイナンバーカードを所有している
(2)住んでいる市区町村がコンビニ交付サービスを提供している
利用者証明用電子証明書とは
利用者証明用電子証明書とは、マイナンバーカードのICチップ内に登録されている、公的個人認証サービスにて発行される電子証明書です。証明書の発行を希望している人は、マイナンバーカード申請時に4桁のパスワード(暗証番号)を設定する必要があります。
利用者証明用電子証明書は、ログインした人が利用者本人であることの証しとなるため、マイナポータルへのログインやコンビニでの公的な証明書の交付をする際に必要となります。
マイナンバーカードに利用者証明用電子証明書が記録されていなければ、住んでいる市区町村の窓口で記録してもらいましょう。手数料は無料で、記録時に利用者証明用電子証明書の暗証番号を設定します。
戸籍証明書取得時の注意点
住所地と本籍地が異なる住民の人が本籍地の戸籍証明書を取得するケースでは、以下の3点に注意しましょう
- 利用者証明用電子証明書が記録されたマイナンバーカードを所有している
- 本籍地の市区町村がコンビニ交付サービスを開始していて、住所地と本籍地の市区町村が異なる人へ戸籍証明書交付サービスを提供している
- 本籍地の市区町村にコンビニ交付利用登録申請を行い、すでに利用可能な状態にある
コンビニ交付利用登録申請は、コンビニのマルチコピー機で行えます。手順は次のとおりです。
- コンビニのマルチコピー機画面に表示されている「行政サービス」ボタンを押します
- 「利用者登録申請」を選択します
- 本籍地の地域を選択します
- 本籍地の都道府県を選択します
- 本籍地の市区町村を選択します
- 本籍地の市区町村以降の情報を入力します
- 戸籍筆頭者の氏名を入力します
- 連絡用の電話番号を入力します
- 生年月日を入力します
- マイナンバーカードの有効期限を入力します
- マイナンバーカードのセキュリティコードを入力したらマイナンバーカードを所定の位置にセットします
- 暗証番号を入力して、マイナンバーカードを取り外します
- 申請内容を確認して「確認する」を押します
- 申請番号が表示されるので、申請番号を控えましょう。料金を払えば、印刷することも可能です
本籍地への利用登録申請は、セブンイレブン、ローソン、ファミリーマートなどを含む、すべてのコンビニで対応しています。なお、ICカードリーダライタを装備したパソコンがあれば、戸籍証明書交付の登録申請サイトからのコンビニ交付利用登録申請も可能です。
コンビニ交付サービスの使い方
ここでは、マイナンバーを使ったコンビニ交付で住民票の写しを取得する手順をご紹介します。セブンイレブン、ファミリーマート、ローソンといった大手コンビニも含めて、利用手順と取得方法はどこのコンビニでも同じです。
コンビニ交付で住民票の写しを取得する手順
- コンビニのマルチコピー機画面に表示されている「行政サービス」ボタンを押します
- 「証明書交付サービス」を選択します
- 所定の場所にマイナンバーカードを置いて読み取ります
- 証明書を交付する市区町村を選択します
- 暗証番号を入力します
- マイナンバーカードを取り外します。カードを忘れないように注意しましょう
- 証明書の種別選択画面になったら「住民票の写し」を選びます
- 証明書の交付種別を選択します
- 証明書に記載する項目を選択します
- 必要部数を入力します
- 最終確認画面で問題がなければ「確認する」を押して手数料を支払います
- 証明書が印刷されたら取り出します
- 領収書が発行されます
証明書類の発行が終わったら、マイナンバーカードや証明書の取り忘れがないかどうかを改めて確認しましょう。
コンビニでマイナンバーカードが使えない原因と対処法
ここからは、コンビニでマイナンバーカードが使えないときの主な原因と対処法をご紹介します。暗証番号を間違えたときの対応方法もご紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
■マイナンバーカードが利用できなくなっている
コンビニ交付の利用時に「ご利用いただけないカードです。市区町村にお問合せください」というエラーメッセージが表示された場合は「コンビニ交付利用登録申請を行っていない」「マイナンバーカードに利用者証明用電子証明書が記録されていない」という可能性があります。先に説明した手順に従って、利用者登録や利用者証明用電子証明書の記録を行いましょう。
マイナンバーカードの外部もしくは内部が破損しているときや、マルチコピー機のカードリーダーが壊れているときにも同じエラーメッセージが表示されるため、カードの確認や、コンビニスタッフに問い合わせをするなどの対応をしてください。
■サービスを提供していない
すべての市区町村がコンビニ交付サービスを提供しているわけではありません。コンビニ交付サービスを利用する前には、自分が住んでいる市区町村がコンビニ交付サービスを提供しているかどうかを確認しましょう。
■暗証番号を間違えている
コンビニ交付サービス利用者登録が、利用者証明書電子証明書の暗証番号を間違えている可能性があります。暗証番号を忘れてしまった場合は、住民票がある市区町村の窓口で再設定手続きをしなければいけません。
■暗証番号がロックされている
暗証番号を3回間違えるとロックがかかってしまいます。ロックがかかってしまった場合は、住民票がある市区町村の窓口でロックを解除してもらってから、パスワードの初期化と再設定をします。 なお、ロックの解除にはマイナンバーカードのほかに転免許証などの本人確認書類も必要です。
マイナンバーカードを使ったコンビニ交付を活用しよう!
マイナンバーカードがあれば、コンビニで住民票の写しや戸籍謄本などを簡単に取得できます。すべての市区町村がコンビニ交付サービスを提供しているわけではありませんが、今後も参加する市区町村が増えていく予定です。コンビニでマイナンバーカードが使えないときは、利用者証明書電子証明書の記録や暗証番号などを確認しましょう。