スーパーのポスターや市役所の案内などで、「マイナポイントをもらうとお得」といった情報を見聞きした人は多いはずです。同時に「もらったマイナポイントはどこで使えるの?」「使うためにどうすればいいの?」と疑問に思ったことはないでしょうか。
本記事では、マイナポイントが何に使えるのかとマイナポイントを手に入れるためにはどうしたらいいのかを説明します。自分に合った方法でマイナポイントをもらい、お得にキャッシュレス決済を利用しましょう。
マイナポイントとは
マイナポイントは、マイナンバーカードを持っている人がもらえる全国共通の買い物用ポイントです。期間内に申し込んで期間内に一定額を使った人が対象となります。キャッシュレス決済を通常利用した際に付与されるポイントと同じとイメージするとよいでしょう。
使用時に何かを提示したり、あるいは後で市役所などに申請したりする必要はありません。通常のポイントと同様、支払時にポイントを利用する旨を伝えるだけです。もちろん、使い道にも特に制限はありません。
マイナポイントの貯め方
マイナポイントは「キャッシュレス決済の促進」「マイナンバーカードの普及」といった目的のために導入されました。そのため、マイナポイントの獲得にはマイナンバーカードとキャッシュレス決済の2つがキーワードとなってきます。
具体的にマイナポイントを貯めるには、マイナンバーカードを申請したうえでマイナポイントの申し込みをし、さらに2021年12月末までにマイナポイントに登録したキャッシュレス決済をチャージや支払いなどに使う必要がありました。
これによって最大で5,000円相当のポイントが還元されました。この2021年12月末までに付与されたポイントは「マイナポイント第1弾」と呼ばれていますが、2022年1月から同様のサービスが「第2弾」として継続されています。
マイナポイント第2弾の内容
マイナポイント第2弾は、最大で20,000円相当のポイントが付与されるサービスとなっています。主なポイントの内訳は
(1)マイナンバーカードの新規取得(最大5,000円相当のポイント)
(2)健康保険証としての利用申し込み(7,500円相当のポイント)
(3)公金受け取り口座の登録(7,500円相当のポイント)
となっています。
(1)に関しては、マイナンバーカードを新規取得した人は当然対象となります。それとは別に既に持っていても、第1弾対応時に5,000円相当のポイントを付与されていない人もポイント付与対象となります。
(2)はマイナンバーカードを健康保険証として利用することでポイントがもらえるというものです。健康保険証として利用するとマイナポータルで確定申告の医療費控除ができるといったメリットが得られます。
健康保険証利用の申し込みは、セブン銀行のATMあるいはマイナポータルでできます。詳細は公式サイトで確認可能です。
(3)は預貯金口座の情報をマイナンバーとともにデジタル庁に登録しておくことでポイントがもらえます。この受け取り口座を登録しておくことで、今後の給付金などの申請時において、申請書への口座情報の記載や通帳の写しなどの添付といった作業がが不要になるといったメリットが得られます。
公金受け取り口座の登録は、マイナポータルから可能となっています。
マイナポイントの使い方
マイナポイントを何に利用できるかは、どの決済サービスと紐付けて申請したかによって異なります。主な使い方を紹介します。
PayPay
PayPayに紐付けて申請するとPayPayポイントが付与され、以下の用途などに利用できます。
- セブン-イレブンやローソン、ファミマスイーツといった全国のコンビニエンスストア
- PayPayモール、Yahoo!ショッピングなどのネットショッピング
- 電子書籍
- ふるさと納税
- クラウドファンディング
auペイ
マイナポイントの申込みをすると、申し込みをしたサービスに応じたポイントがau PAY残高として付与されます。au PAY残高は以下の用途などに利用できます。
- 全国のコンビニエンスストア
- イトーヨーカドーやサミットストアなどのスーパー
- 阪急百貨店や京急百貨店などの百貨店
- デニーズやガストなどのファミリーレストラン
dカード
NTTドコモの発行するdカードであればdポイントが付与され、以下の用途などに利用できます。
- ネットショップやコンビニなど提携店での買い物
- 携帯料金の支払い
- クレジットカードの支払い
- 他社ポイントへの交換
楽天
楽天カードで申し込みをし、カードを利用するとマイナポイントは楽天ポイントとして付与されます。楽天ペイアプリを選んで利用しても楽天ポイントを獲得可能です。楽天ポイントは
- 全国の楽天ポイント加盟店での買い物
- ANAのマイルと交換
- 「楽天トラベル」での支払い
などのように、旅行好きな人にとって使い勝手のいいポイントとなっています。
そのほか、エポスカードならばプリペイドカードとして利用したり、他社ポイントへ交換したりすることも可能です。WAONを選べば、イオン店舗での買い物などに便利でしょう。
選んだ決済サービスと、そのポイントが何に利用できるかによって、マイナポイントの利用できる範囲も異なってくるため、どの決済サービスにするかは慎重に検討する必要があります。
ポイントのチャージ手続きが必要なサービス
選んだ決済サービスによっては、付与後に受取手続きをしないといけないものもあります。
代表的なものはこちらです。
- イオンカードやWAON
- nanaco電子マネー
- PASMO
- 楽天Edy
これらは、付与されたら店頭のWAONチャージャーやセブン銀行ATMなどに行き、受取手続きをしないとマイナポイントがもらえません。忘れてしまうと受け取れないまま失効してしまう場合もありますので注意が必要です。
どんなタイミングで、どこで手続きをするべきかは決済サービスによって異なりますので、申込の際に確認しておきましょう。
マイナポイント付与のタイミング
ポイントが付与されるタイミングも、申込をした決済サービスによって異なります。PayPayチャージ特典であればチャージと同時にポイントが付与されますし、au PAYも数時間以内と迅速です。
しかし、ポイント付与が翌月28日(WAON)や翌々月末(楽天ペイ)になるものもありますので、申込時に付与タイミングまで確認しておくと安心でしょう。
マイナポイントの使用期限
ポイントの使用期限も、選択した決済手段によって異なってきます。代表的なものを以下に挙げておきます。
- WAON(有効期限なし)
- au PAY(有効期限なし)
- PayPay(有効期限なし)
- d払い(48カ月)
- エポスカード(2年間)
- 楽天Edy(受取期限が最大10カ月ほどだが、ポイント受取後の期限はない)
- 楽天カード(最後に楽天ポイントが付与された日から1年間)
選択したサービスによっては期限が短いものもありますので、無理なくポイントを使いきれる決済サービスを選択するとよいでしょう。
マイナポイントを手に入れる方法
マイナポイントを使うに先立ち、もらうための手続きをする必要があります。もらうための手続きと、そのために必要なものを詳細に説明していきます。
(1)必要なものを揃える
マイナポイントをもらうためには以下のものが必要です。
- マイナンバーカード
- マイナンバーカードのパスワード(暗証番号)
- 希望する決済サービスのIDとセキュリティコード
スマートフォンで手続きをする場合には追加で以下のものも必要になります。
- マイナンバーカードの読み取りに対応した機種のスマートフォン
- 「マイナポイントアプリ」(ダウンロード可能)
PCで手続きをする場合は以下のものも必要です。
- マイナンバーカードの読み取りに対応したICカードリーダライタ
- マイナポイントの手続きに対応する動作環境のPC
- 「マイキーID作成・登録準備ソフト」(インストール可能)
また、決済サービスによっては、あらかじめ申請が必要なものもあるので注意しましょう。有名なものでは以下が該当します。
- イオンカード
- エポスカード
- JCBクレジットカード
- Suica
- 三井住友カード
自分の手続方法、申込をするキャッシュレス決済を決定したら、まずは必要な準備が整っているかを確認しましょう。
(2)マイナポイントの予約・申込手続きをする
マイナポイントの予約・申込はスマートフォンかPC・マイナポイント手続スポットから可能です。使用する機器は違いますが、基本的にはどの手続方法でも手順は同じで、画面の説明に従って入力を行えば手続きが進むようになっています。
まず、マイナンバーカードの読み取りと暗証番号の入力をすれば、マイキーIDが発行され予約が完了します。その後、ポイントの付与を希望する決済手段を選択し、IDとセキュリティコードを入力し再度マイナンバーカードの読み取りと暗証番号の入力を行えば申込手続きも終了します。
心配な方は、家族にそばにいてもらうかあるいはマイナポイント手続スポットへ行くといいでしょう。
注意点として、決済サービスとして楽天ペイを利用したい場合は、楽天ペイアプリから手続きを行う必要があります。手続きスポットでは「予約」のみを行い、「申込」は楽天ペイアプリ上から行いましょう。
(3)キャッシュレス決済で2万円利用もしくはチャージする
申込まで終了したら、自分の申し込んだキャッシュレス決済の方法に応じ、通常と同じように買い物もしくはチャージをするだけです。最大2万円分までマイナポイント付与対象となり、そのうちの25%分、つまり5,000円分のポイントがもらえます。
ただし、キャッシュレス決済によっていつからが付与対象の利用になるかは異なります。ほとんどは申込日の利用から適用となりますが、申込から最大24 時間後(メルペイ)などの場合もあります。
申込後すぐにチャージ・利用すると「せっかく2万円分利用したのに付与対象外になってしまった」という可能性もありますので、申込状況を確認してから利用しましょう。
また、利用もしくはチャージした後にさらにポイントの受取手続きが必要な決済手段もあります。申込時には手続きが必要かどうかまで確認すると安心です。
マイナポイントの上手な使い方
マイナポイントを無駄なく上手に手に入れ、使うにはいくつかのコツがあります。そのためには、決済サービスの選択が重要になるでしょう。
普段から利用しているキャッシュレス決済を選ぶ
確実にポイントを全額もらうには、いつも利用しているキャッシュレス決済を選ぶのが確実でしょう。
まず、ポイントを手に入れるためには買い物もしくはチャージをしなくてはなりません。最大2万円分、ポイントまで入れると2万5,000円分になりますので、使い方のわからない、あるいは近くに対応店があまりないキャッシュレス決済にしてしまうと、思ったようにお金やポイントを使えない可能性があります。
イオングループの店舗を利用する人はWAON、楽天をよく利用する人は楽天カードなどを選択しましょう。
キャンペーンを利用する
よりお得にポイントが欲しい場合は、ポイント還元キャンペーンを行っているキャッシュレス決済を選ぶとよいでしょう。
第1弾の締め切りが迫っていた2021年6月時点では、以下のようなマイナポイントの上乗せ還元キャンペーンが行われていました。
- ICOCA(駅ナカなどの対象店舗で2万円以上購入すると、1,000ポイント)
- JREポイント(申込をすると1,000ポイント)
- ゆうちょPay(申込をすると1,500ポイント)
- d払い(チャージまたは支払額の5%のdポイントを付与。上限1,000ポイント)
- LINE Pay(申込をするとLINKリワード1,000円分)
- majica(チャージ額に対して5%のポイント付与。上限1,000ポイント)
第2弾の本格運用が始まった2022年6月30日以降、同様のキャンペーンをしているサービスもあるかもしれません。まだ申し込みをしていないという人は、事前にいろいろとリサーチしてから申込を検討してみてもいいでしょう。
公共料金をクレジットカードやPayPayで支払う
普段はキャッシュレス決済を利用していない人や「2万円もキャッシュレス決済を使わない」という人もいるでしょう。その場合は、マイナポイント対象クレジットカードの作成やPayPayの登録をし、公共料金の支払いに利用することをおすすめします。
多くの会社や市区町村では、クレジットカードを利用した公共料金の支払いができます。公共料金であれば必ず利用しますので、「ポイントをもらったけど何にも使えなかった」ということはないでしょう。
PayPayは地元密着型のガス会社や市区町村によっては支払いに対応していないこともありますが、PayPayボーナスとして付与されるマイナポイントは無期限ですし使いみちも広範囲です。
「付与期限までに2万円も使いきれない」という場合でも、チャージでPayPayボーナスがもらえるため、確実にポイントをもらい、使いきれるでしょう。
マイナポイントを賢く使ってお得に買い物をしよう
対象となるキャッシュレス決済のポイントとして最大5,000円分のポイントが付与されるマイナポイント事業。もらったポイントの使い方は各キャッシュレス決済で通常付与されるポイントと同じ扱いになります。自分の使いやすいキャッシュレス決済を選ぶことが、マイナポイントを上手に使うコツです。
マイナポイントをもらうためには、スマホなどで予約・申込手続きが必要となります。そのうえで、指定したキャッシュレス決済での支払いもしくはチャージをしなくてはなりません。
無理なくポイントの利用ができるキャッシュレス決済を選んで、お得にマイナポイントを使いましょう。