広告にはさまざまな種類があり、従来からのテレビ広告や雑誌広告に加え、近年ではネット広告が非常に増えています。今回は広告の具体的な種類について、特徴や利用するメリットについて見ていきましょう。

広告には、それぞれ独自の特徴やメリット・デメリットがあります。自社の商品・サービスの特徴や目的に適した広告を選んで、上手に訴求しましょう。

  • 広告にはどのような種類がある?

広告は大きく分けて3種類ある

多種多様な広告を大まかに分けると以下の3種類があります。

1.インターネット広告

WEB広告やオンライン広告ともいわれ、インターネット上に表示される広告のことです。パソコンだけでなく、スマホなどのモバイル端末に表示されるものも含みます。

近年ネット広告は市場規模の拡大が続いています。電通が発表した「2020年 日本の広告費」によると、コロナ渦でもネット広告は前年比105.9%と、プラス成長を遂げました。

2.マス広告

インターネットが普及する前から広く利用されていたのが、不特定多数の消費者をターゲットとするマス広告です。テレビ・新聞・雑誌・ラジオの4大メディアで推進します。

影響力は以前より減少してはいるものの、現在でもテレビ広告は多くの人数にリーチできる力があります。

3.セールスプロモーション(SP)広告

販売促進を目的に使われる広告で、具体的には会員誌の広告やイベントプロモーション、フリーペーパーなどが含まれます。

テレビ広告などは抽象的な表現もあるのに対し、SP広告は販売促進の要素がダイレクトに出ているのが特徴です。

インターネット広告の種類

インターネット広告はマス広告に比べて、少額から始められる、効果を測定できる、ターゲティングがしやすいといった点がメリットです。

表示される場所や形などによって、下記のようなさまざまなバリエーションがあります。

1.バナー広告・純広告

ネットメディアの広告枠を買い取って掲載するものです。媒体が多くのユーザーにアプローチでき、運用の手間がかからず、画像やイラストも利用できます。

ただし比較的費用が高いこと、ターゲットを細かく絞りにくいことがデメリットです。

2.リスティング広告(検索連動型広告)

Googleなどの検索エンジンで、キーワード検索すると画面上部に表示される広告のことです。キーワードに興味・関心のある人に直接アプローチでき、自社ページを上位表示するためSEO対策をする必要はありません。

その一方、リスティング広告には「広告」というアイコンが表示されるので、広告を嫌う人に敬遠されやすいのが注意点です。

3.アフィリエイト広告

Webサイトやブログにリンクを設置する形式の広告です。クリックした人が商品を購入するなど、広告主の定めた条件をクリアした場合に報酬が支払われます。

個人の副業として、ホームページに貼って利用する人もいます。ただし広告主の立場からすると、自社の意向にそぐわないプロモーションをされる可能性もあります。

4.動画広告

YouTubeなどの動画サイトで配信され、コンテンツの前後や間に挟まれる広告です。視覚的に分かりやすく、多くの情報を伝えられます。

動画のクオリティが高くないと効果が生まれにくいこと、スキップ機能で閲覧されないことがあるのが注意点です。

5.ネイティブ広告(記事広告)

一見広告に見えない、コンテンツ形式の広告です。広告の違和感がなくサイト・ページへ誘導しやすいのがメリットです。

ただしコンテンツ作成の手間やコストがかかります。

6.リターゲティング広告

一度サイトを訪れた人が別のサイトを見ているときに表示させる広告で、サイトへの再訪問を促します。興味関心のあるユーザーをターゲットにするため、成果を出しやすいとされています。

ただしそもそも接触のないユーザーにはアプローチできないこと、人によってはしつこいと思われてしまうことがネックです。

7.メール広告

媒体に登録しているユーザー向けのメルマガの中に表示する広告です。もともと興味のある人へ向ける広告のため、ターゲティングがしっかりしていれば、高い効果を上げることもできます。

ただしメールが開かれなかったり最後まで読まれなかったりすると効果が出にくいため、タイトルや文章に工夫が必要です。

8.SNS広告

TwitterやInstagramといったSNSで配信される広告です。より細かな層へターゲティングができて若年層にアプローチしやすいこと、広告単価が安いことなどがメリ ットです。

しかし、口コミ効果で拡散力がある一方、逆に働くと炎上してしまう可能性もあります。

  • 近年、市場規模が拡大しているインターネット広告

マス広告の種類

テレビや新聞など、昔から利用されている広告です。

1.テレビ広告

マス広告のなかでもっとも市場規模の大きいのがテレビ広告です。テレビは広範囲に一斉にアプローチでき、繰り返し流すことでユーザーの記憶に残りやすいのがメリットです。

デメリットはコストの高さで、企画・制作の手間がかかります。またマス広告全般に言えることですが、ネット広告よりも直接的な効果検証をしにくい点もネックです。

2.新聞広告

紙の新聞に掲載される広告のことで、新聞社のブランディング効果が期待できるのがメリットです。ただし購読者が減少トレンドにあること、若年層にはリーチしにくいのがデメリットです。

3.雑誌広告

ファッション・文芸・経済といった雑誌に掲載される広告です。主に編集タイアップ広告と記事型広告があります。

メリットは性別・年齢などでターゲティングがしやすいことです。一方、読者層にフィットしないと掲載できないこと、掲載まで時間がかかることなどに注意が必要です。

4.ラジオ広告

ラジオ番組の合間で流される、音声による広告です。ターゲットが絞り込みやすいこと、信頼獲得をしやすいことがメリットとして挙げられます。

ただし音声のみでの表現のため、商品の形状・色などの情報は正確に伝わりにくいことがデメリットです。

  • 多くの人にリーチできるマス広告

セールスプロモーション広告の種類

SP広告について詳しく見ていきましょう。

1.ポスティングチラシ

ポストに投函されるチラシは、SP広告のなかで多くの人にとってもっとも身近なものと言えます。不動産やデリバリーなどの業界で利用されることが多いです。

1枚あたり数円と費用が安いのがメリットですが、読まれずに捨てられる可能性が高いです。

2.新聞折り込みチラシ

新聞に折り込まれているチラシで、スーパーマーケットなど地域に特化した広告を打てるのがメリット。新聞の読者層が高齢化しているため、高齢者向けの製品で利用されることもあります。

一方でターゲット層が限られ、若年層は少ないのがデメリットです。

3.交通広告

電車・バスなど、さまざまな交通機関や関連の施設のスペースを利用した広告です。移動中に必然的に目に飛び込んでくるため、視認性が高いです。

デメリットは効果測定が難しいこと、掲載まで時間がかかることなどが挙げられます。

4.会員誌広告

組織や企業などの会員誌に出稿する広告です。ターゲティングや読者数の把握がしやすいこと、読者のロイヤルティが高いといったメリットがあります。

ただし会員誌は会員サービスの一環として発行されているため、広告審査が厳しいのが注意点です。

5.同封・同梱広告

カタログや会報誌、クレジットカードの請求書などにチラシを封入する広告のことを意味します。アプローチしたいターゲットに直接訴求できること、アクティブな会員に接触できることがメリットです。

ただしコストが高く、審査が厳しいのがデメリットです。

6.イベントプロモーション

イベントを開催して、商品・サービスの認知を高める活動のことです。商品の特徴がライブ感覚でダイレクトに伝わりやすいという特徴があります。

デメリットは、場所や人など準備の手間がかかること、動員数や天候など不確定要素が多いといった点です。

7.店内プロモーション

スーパーや百貨店などで行うプロモーションです。商品をその場で試してもらえて、購入に繋がりやすいのがメリットです。

断られることも多いこと、デモンストレーターの力量に左右される面も大きいのが注意点です。

8.フリーペーパー

無料で配布される紙に掲載される広告のことです。地域・ジャンル・年齢層などでターゲティングがしやすいです。

ただし商品とフリーペーパーの利用者がうまくマッチングしないと効果が非常に小さくなってしまいます。

  • 販売促進を目的に使われる広告

たくさん種類のある広告を使い分けるときのポイント

効果のある広告手法を選ぶには、下記のポイントが重要です。

・広告の目的や予算を明らかにする
・ターゲットとするユーザー層を定める
・提供する商品・サービスの価値や訴求ポイントを考慮する
・いくつかの広告の組み合わせを計画する

認知度を高めるためにブランディングできるイメージ広告にしたい、すぐに買ってもらうために販売促進できるキャンペーン広告を出稿したいなど、広告の目的にあわせて予算を明確にします。

また、商品・サービスの特徴も考慮し、ターゲットを広く浅くではなく特定の層に設定し、相応しいメディアや⼿法を絞り込むようにします。

TVCMとリスティング広告、各インターネット広告とリターゲティング広告など、ユーザー動向を想定して複数の広告を組み合わせて相乗効果を高めてもいいでしょう。