50代に差し掛かったけれど、老後のことなどが心配で今からでもマイホームを手に入れた方が良いか迷う人もいるでしょう。50代の購入では、30代や40代の購入とは違う注意点がいくつかあります。

なかでも、定年までの残り時間が少ないため、住宅ローンの返済金額や期間が重要です。今回は50代の住宅購入で考えるべきポイントについて解説します。

  • ※画像はイメージ

50代で購⼊するなら住宅ローンは65歳までに完済

50代の住宅購入で最大の重要ポイントは、住宅ローンの負担を減らすこと。定年を迎えてもローンの返済を抱えるのは、経済面でリスクです。60歳から再雇用されたとしても、給与が大きく下がった場合、返済負担が重くなります。

ローンの負担を極力減らすため、頭金は多めに用意しなくてはなりません。一般的に購入価格の10%~20%が相場とされていますが、50代の場合はそれ以上用意することが必要です。

できれば65歳までに住宅ローンを完済できると安心です。頭金を十分に用意できない場合の購入はおすすめできません。

50代のマイホーム購入で気を付けたいポイント

ローン以外でポイントとなるのは、下記3点です。

・団信(団体信用生命保険)の加入は必須
・中古物件などを選んで取得価格を低くおさえる
・老後を見据えた物件を選ぶ

団信とは保険の一種で、住宅ローンの債務者が返済の途中で死亡したり高度障害になったりした場合に、住宅ローンの残高が完済扱いとなるものです。

50代からは加齢リスクもさらに高まるので、団信の加入は必須です。ただし健康状態が悪いと団信に加入できず、ローンの借入ができなくなる場合もあるので注意が必要です。

またローンの負担を減らすには、お手頃な物件を選ぶことになります。中古物件は新築より安く、適度にリフォームされた物件を選べば取得価格をおさえられます。

ただし50代の購入は、終の棲家を想定する人も多いでしょう。よって老後の生活を前提にした物件を選ぶことも忘れてはなりません。

身体機能が衰えると移動する負担が増すので、医療機関や商業施設が近くにあると便利です。車の運転も大変になるので、バス停が近くにあるのも安心です。集合住宅の場合はエレベーターのある物件を選びましょう。

高齢者でも部屋は借りられる

「高齢だと部屋を貸してもらえなくなるのでは?」と考え、マイホーム購入を検討する人もいるでしょう。確かに部屋を貸し渋る傾向はありますが、高齢者向けのサービスも徐々に増えてきています。

賃貸情報サイトでは、シニアの入居相談が可能な物件の検索が可能です。東京都世田谷区・杉並区、埼玉県さいたま市など、高齢者の部屋探しをサポートするサービスを提供する自治体もあります。

公営住宅やURには高齢者向け物件もあり、一部の一般社団法人やNPOも高齢者向けの住宅探しをサポートしています。

少子高齢化が依然として続くなかで、高齢者向けの住宅サービスは今後さらに充実すると考えられます。サービスを上手に利用すれば、賃貸物件で老後を過ごすことも十分に可能でしょう。