「コンペティター」は、ビジネスシーンで耳にする機会が多い用語です。しかし、正しい意味を理解しないまま使っている方は多いでしょう。
本記事では、「コンペティター」の意味と使い方を紹介します。また、類語や反対語、英語表現についても解説するので、ぜひ参考にしてください。
コンペティターとは
コンペティターは「競争相手」という意味を持つ言葉です。「コンペチター」と言われることもあります。
コンペティターの意味と使われ方
コンペティターは「競争相手」のほか、「競争社」や「商売敵」という意味を持つ言葉です。外資系企業やIT企業、アパレル業界、スポーツ界などで使われており、それぞれ次の人を表しています。
- ビジネスシーン:競合他社、競争社、商売敵
- スポーツ界:競技者、参加者、競争相手
このように、コンペティターは同じ商業圏やターゲット、フィールドで競合する相手に対して使います。
コンペティターの由来
コンペティターは、英語の名詞「competitor」から来ていると言われています。「competitor」は「競争者(競争相手)」という英単語です。
ビジネスシーンでは「競争」の意味がある「competition(コンペティション)」が「コンペ」と略されて使われています。また、「競争する」という意味の動詞「compete(コンピート)」もあるため、関連した意味を持つ言葉として覚えておくといいでしょう。
コンペティターはゲームの設定でも登場
コンペティターはスポーツ界でも活用される言葉です。その影響から、スポーツゲームの設定でも使われるようになりました。
FIFA公認のサッカーゲーム「FIFA 21」には「コンペティターモード」が搭載されており、実在するプロサッカー選手の動きを再現したCPU AIと対戦可能です。コンペティターという言葉を、ゲームで耳馴染みがあるという人もいるかもしれませんね。
コンペティターの例文
競争相手や競合他社のことを指す「コンペティター」ですが、どのように使えるのか、例文を紹介します。
<例文>
今度の新商品はコンペティターを見据えた対策を行うべきです。
売上で勝つために、上司から「コンペティターの動向を確認しておいて。」と支持を受けた。
今大会はコンペティターが多いですが、これまで通りベストを尽くします。
コンペティターばかり意識をしていたせいで、顧客のニーズを汲み取れていなかった。
マーケティングの分野では、カスタマー(Customer:市場や顧客)、コンペティター(Competitor:競合)、カンパニー(Company:自社)の頭文字を取った3C分析が必要である。
コンペティター分析とコンペティターシフトとは
ビジネスシーンではコンペティターと合わせて「コンペティター分析」や「コンペティターシフト」という言葉もよく耳にします。それぞれの意味も押さえておきましょう。
コンペティター分析とは
コンペティター分析(競合分析)は、経営戦略にて「競合他社の状況などを細かく調査すること」です。競合他社が扱う商品やサービスを把握し、性能や内容の特徴、価格帯、販売経路、宣伝や広報活動を分析します。
コンペティター分析の目的は、分析に基づいて、より魅力的な商品やサービスの開発を目指すことです。
コンペティター分析では、まずコンペティターの選定を行います。その際、同業種だけではなく他業種も選定範囲に含めます。選定が完了したら商品やサービスの分析に入り、自社の商品・サービスの開発に進むといった流れです。
コンペティターシフトとは
コンペティターシフトとは、『起業アイデア3.0』(村田 茂雄著)で記載された著者の造語から知られるようになりました。
現代は全く新しい発想の商品を生み出したと思っても、国内外に似たようなアイデアがあるのが現状です。
そこで著者は、コンペティターの商品やサービスの一部を変化させて発想する「コンペティターシフト発想法」を起業アイデアとして提案しています。
コンペティターの類語・反対語
コンペティターの類語や反対語にはどのようなものがあるのか、紹介します。
コンペティターの類語
コンペティターと似た意味を持つ言葉には、「ライバル」「ライバル企業」「対局者」「出席者」があります。カタカナの「コンペティター」が使いにくいときは、英語の「competitor」の日本語訳である「競合他社」をビジネスシーンで使ってもいいでしょう。
コンペティターの反対語
コンペティターと反対の意味を指す言葉は現在のところありません。ただし、競争相手ではない他社(他者)を反対語として設定することは可能です。
たとえば、異なる商業圏やターゲット、フィールドで活動する他社(他者)は、コンペティターの反対を意味する相手として成り立ちます。
コンペティターの英語表現
コンペティターはもともと、英語の名詞「competitor」をカタカナ読みにした言葉のため、英語で表現する際はそのまま「competitor」を使うことができます。
<使用例>
Analyze your competitors to develop new products.(新しい商品の開発に向けて、競合他社を分析する)
Beat your competitors to the punch with this service.(このサービスで競合会社に勝ちましょう)
There are not many competitors in this tournament, so there is not much competition.(今大会は競争相手が少ないので張り合いが出ないですね)
Competitor analysis is certainly important, but identify your customers' needs again.(コンペティター分析も確かに大切ですが、顧客のニーズをもう一度洗い出しましょう)
In the field of marketing, 3C analysis, an acronym for Customer, Competitor, and Company, is necessary.(マーケティングの分野では、カスタマー、コンペティター、カンパニーの頭文字を取った3C分析が必要である)
コンペティターはビジネスでは競合を表すときに使える
コンペティターは「競争相手」や「競争社」、「商売敵」という意味を持つ言葉です。同じ商業圏やターゲット、フィールドで競合する相手に対して使います。外資系企業やIT企業のほか、アパレル業界、スポーツ界でよく耳にするカタカナ語です。
経営戦略においては「コンペティター分析」という競合他社の商品・サービスを調査する作業もあるため、ビジネス用語として意味や使い方を覚えておくといいでしょう。