コンセンサスは、ビジネスシーンでよく使われる言葉のひとつです。仮想通貨取引や株式投資の世界でも使われます。
本記事では、「コンセンサス」の意味や使い方、「コンセンサスゲーム」「コンセンサス方式」などの関連用語について、くわしく紹介します。
コンセンサスの意味とは?
コンセンサスは「複数人から同意や合意を受ける」という意味の言葉です。ビジネスシーンでは「根回し」の意味合いで使われることもあります。
「会議をスムーズに進めたいから、〇〇さんのコンセンサスをとっておいて」
上記のように言われた場合は、「〇〇さんに了解を得られるよう根回しをして欲しい」という意味になります。本来、個人に対してコンセンサスを使うのは誤用ですが、「根回し」の意味も浸透しているため、シーンに応じて使い分けられるようにしましょう。
株式投資
株式投資の世界では、アナリストの業績予想平均のことを「コンセンサス・レーティング」と呼んでいます。売買の指標として「コンセンサス・レーティングの高い株」のように使われるのが一般的です。
仮想通貨取引
仮想通貨の取引では、新ブロック追加時のルールとなる合意形成アルゴリズムを「コンセンサスアルゴリズム」と呼びます。
コンセンサスの使い方と例文
コンセンサスを「複数人から同意や合意を受ける」の意味で使う場合の例文を紹介します。
「このプロジェクトについて、チームのコンセンサスは得られているのか」
「マンション建設のために地域住民のコンセンサスを得てください」
「次のステップに進む前に関係者のコンセンサスを得なければいけない」
基本的にコンセンサスは「複数人」を対象に使います。ただし、「部長のコンセンサスを得てください」のような使い方もされるので、文脈から意図を理解する必要があるでしょう。
コンセンサス方式・コンセンサスゲームとは
コンセンサスの関連用語、「コンセンサス方式」と「コンセンサスゲーム」の意味を紹介します。
コンセンサス方式
コンセンサス方式とは、投票によって決めるのではなく「反対の意思表明がないこと」を確認して採決する方法です。多数決とは異なり少数派の意見が軽視されないというメリットがあるため、国連安全保障理事会の決議でも用いられています。
コンセンサスゲーム
コンセンサスゲームとは、与えられた課題に対するグループ全員の合意形成を行うゲームです。主に企業の研修やグループワークなどで採用されています。グループ内で意見の対立があった場合は多数決ではなく、全員の合意によって結論を導き出します。
コンセンサスの類語
コンセンサスの類語、「合意」と「アグリーメント」を紹介します。
合意
合意は「各自の意見を一致させる」という意味の言葉です。合意を得る相手が一人でも使えます。ただし、コンセンサスとは異なり「根回し」の意味はありません。
「今回の件について課長の合意を得ていますか?」
「私は彼女の意見に合意します」
アグリーメント
アグリーメントは「意見や方針に同意や賛同を示す」という意味の言葉です。同意や賛同を示す対象は人ではなく「意見や方針」なので注意しましょう。ビジネスシーンでは「アグリー」と省略されて使われることもあります。
「今回の方針について、取引先からアグリーメントが得られた」
「その意見にはアグリーです」
コンセンサスの対義語
コンセンサスの対義語として、「独断」と「裁量」について解説します。
独断
独断は「他人の意見を聞かず自分だけで物事を判断すること」を意味する言葉です。関係者全員の合意を表す「コンセンサス」の対義語として使えます。
「今回の件は、私の独断で決めさせていただきます」
「彼は独断で物事を進める傾向がある」
裁量
裁量は「個人の判断で物事を処理すること」を意味する言葉です。独断は「個人で勝手に決める」という意味合いを含みますが、裁量は「判断を任せられている」というニュアンスになります。
「例の件は、彼の裁量に任せることにした」
「この企業では新人にも裁量が与えられている」
コンセンサスの英語表現
コンセンサスは英語が由来のカタカナ語なので、そのまま「consensus」を使います。
・We need to get everyone's consensus before deciding on a plan.(計画を決める前に、全員の合意を得る必要がある)
・It's unlikely to get their consensus.(彼らの合意は得られそうにない)
コンセンサスをシーンに合わせて使い分けよう
コンセンサスは「複数人から同意や合意を受ける」という意味の言葉です。ビジネスシーンでは「根回し」という意味合いでも使われます。
株式売買の指標になる「コンセンサス・レーティング」や、採択方法のひとつ「コンセンサス方式」などの関連用語も覚えておくと、ビジネスで活用できる機会が増えるでしょう。