中国OPPOが提供するスマートフォンには、Android OSをベースに独自UIや機能を追加した「ColorOS」が搭載されています。日本国内では最新バージョンのColorOS 11を搭載したスマホ「OPPO Reno5 A」や「OPPO Find X3 Pro」が登場しており、それを機に日本のメディア向けにColorOS 11を紹介するラウンドテーブルが開催されました。
ColorOSが登場したのは2013年。その後、Android OSの進化に伴ってColorOSも順次アップデートしていき、バージョン番号もAndroidに合わせてColorOS 11となっています。現在、ColorOSのユーザーは世界で4億3,000万ユーザーに達し、日本でも利用者が拡大していると、同社のソフトウェアプロダクトマネージャーのZhou Zhiyi氏は話します。
ColorOSの利用者=OPPOスマホの利用者ということになりますが、OPPOでは優れたハードウェアとソフトウェアの組み合わせで快適な使用体験を提供することを目指しているといいます。
ユーザーニーズなどを調査した結果、「バッテリー利用時間が重要視されている」(Zhou氏)ことから、最新のOPPOスマホでは大容量バッテリーの内蔵や急速充電の機能強化などを追加。ソフトウェア面では、省エネモードが重要だと判断したそうです。そこでColorOS 11には、バッテリーに関するいくつかの機能が追加されました。
まず、バッテリー減少で電源が切れそうになると、ユーザーは連絡が取れなくなることで不安を感じることから、スマホのバッテリー残量が5%になると「超省エネモード」に移行するように。残り5%でも、テキストメッセージなら1.5時間、通話なら1時間の利用が可能になるという機能を盛り込んでいます。
加えて「バッテリーガード」機能を搭載。就寝前に充電するユーザーが多く、長時間の充電がバッテリー自体にダメージを与える可能性があるため、就寝時の充電では満充電にならないように充電速度を落とすなど、バッテリーへのダメージ要素を減らしつつ、「最高の状態で朝、スマートフォンが使える」(Zhou氏)ようにする機能です。ちなみに就寝時に充電をしていない場合、省電力モードに移行して「8時間の睡眠時間でわずか2%しかバッテリーを消費しない」(Zhou氏)とのこと。
セキュリティ機能としては、アプリのアンインストール時に関連するファイルやフォルダなどを「徹底的に削除」(Zhou氏)する機能を搭載。また、プライベートフォルダ機能によって、重要なファイルや写真といった個人ファイルを独立した領域に保存できるようにしています。
ジェスチャー機能では、3本指でタッチして下にスワイプするとスクリーンショットを撮影。3本指でタッチしたまま長押しすると指定領域のスクリーンショットも撮影できます。Zhou氏は、「最もシンプルな動きで効果的」とアピールします。
ColorOSのコンセプトは「シームレスデザイン」
こうしたColorOSのデザインや機能にはコンセプトがあり、それが「シームレスデザイン」(デザインディレクターのFan Mengjun氏)です。ユーザーの直感に訴え、ユーザーの問題を解決し、ユーザーの体験をより良くする、そしてユーザーがドキドキするもの――というのが目指す方向。シームレスデザインは、「人に優しく、物事の自然なバランスを大切にしている」(Fan氏)とします。
キーワードは「集中」「人に優しい」「クリエイティブ」の3点。1点目は分かりにくいのですが、「重要なことを認識してそこに集中する」とFan氏。「限られたリソースから限りない価値を生み出す」「よりシンプルで余白を残すことで物事本来の姿を示す」と説明します。
具体的には、ディスプレイパネルの進化、タッチしたときのアニメーションの工夫などによって、ユーザーがなるべく少ない操作でやりたいことが実行できること、といった点を重視してきたと語ります。
シームレスデザインを実現するために採用されているのが「クアンタムアニメーションエンジン」です。これはスマホの動作において「スイスイ動くということは、速いということとイコールではない」とFan氏。ベンチマークソフトで表れるような数字の競争ではないとも強調します。
スマホを操作していてスムーズに動くというのは、「画面をタッチしたときなどのアニメーションが人間の直感にピッタリ合った意識の延長線にあること」としています。アプリアイコンにタッチしてアプリを起動しようとしたとき、「目に見えないスピードで、一瞬で起動する」ということではなく、「アイコンからアプリが起動していく様子が人間の感覚と一致したときにスムーズだと感じる」という、人間中心の考え方があるそうです。
「速さを追求するのではなく、滑らかさ、分かりやすさ、スタイリッシュさがゴール」とFan氏は話し、スムーズさにとことんこだわったとします。
そうした結果、ColorOS 11では前バージョンに比べてメモリ仕様で45%、レスポンスで32%、FPS安定性で17%の改善が図られたそうです。「フリーズなどが解消される」とFan氏は言います。
デザイン面では「心に訴えるデザインでなければならない」とFan氏は強調し、加えてカスタマイズ性も重視しているとします。アプリアイコンの形を変更できる機能は前バージョンから取り入れて好評だったそうで、新バージョンではそれをさらに強化。画面オフ時に表示される常時表示ディスプレイに多くのパターンを用意して、形や色、アニメーションの動き方を選べるようにするなど、よりパーソナルなデザインとなるよう工夫したそうです。
カスタマイズ性ではダークモードも3種類用意し(ブラック、中間、グレー)、ニーズや利用シーンに応じて切り替えられるようにしています。こうした開発で、「最も考えているのはユーザーのコアニーズ」とFan氏。ニーズに応えるだけでなくカスタマイズ性も高めて、よりユーザーに寄り添い、「より究極的なユーザー体験を提供したい」と続けます。Fan氏は「人を中心としたユーザー志向」が基本理念であり、より良い操作性を提供することに注力してきたとしました。