準決勝はタイトル獲得経験者VSタイトル戦未経験者という構図となった
永瀬拓矢王座への挑戦を目指す、第69期王座戦(主催:日本経済新聞社)挑戦者決定トーナメントはベスト4が出そろっていよいよ大詰め。準決勝の佐藤康光九段-飯島栄治八段は6月25日に東京・将棋会館で行われます。
王座戦の挑戦者決定トーナメントは16人の棋士によって行われます。永瀬王座以外のタイトル保持者である、渡辺明名人(棋王・王将)、豊島将之竜王(叡王)、藤井聡太王位・棋聖もトーナメントに名を連ねていました。
彼ら3人の実績・充実度を考えれば、全員がベスト4に進出していても何ら不思議ではありません。ところが、なんと全員すでに敗退済み。波乱の展開になっています。
豊島竜王は三枚堂達也七段に、藤井二冠は深浦康市九段に1回戦で敗れました。渡辺名人は広瀬章人八段に勝利したものの、2回戦で石井健太郎六段に破れています。
ベスト4進出者は左の山から、石井健太郎六段、木村一基九段、佐藤康光九段、飯島栄治八段です。
木村九段は王位1期を、佐藤九段は棋聖6期を含むタイトル13期を獲得しています。一方、石井六段と飯島八段はタイトル戦に登場したことがありません。準決勝はタイトル獲得経験者VSタイトル戦未経験者という構図になりました。
25日には右側の山の準決勝、佐藤康光九段-飯島栄治八段戦が行われます。
佐藤九段は若手の西田拓也五段、三枚堂七段を連破してのベスト4進出です。
過去に佐藤九段は第50、53、54期で羽生善治王座(当時)に挑戦していますが、いずれも3連敗で跳ね返されてしまっています。第54期以来15年ぶりの挑決進出となるでしょうか。
飯島八段は今期が2期連続2度目の挑決トーナメント進出でした。初登場だった前期は1回戦で羽生九段を破ったあと、久保利明九段に敗れました。久保九段はその後挑戦者となり、永瀬王座を五番勝負で2勝3敗とあと一歩のところまで追い詰めました。
今期の1回戦ではその久保九段と再戦し、リベンジを果たしました。その後深浦九段も破り、王座戦での自己最高成績を更新中です。
将棋連盟の会長として公務を行いつつ、プレイヤーとしても活躍する佐藤九段が勝利するのか。プロデビュー21年目の昨年度に自身最高の勝ち星を挙げて、プレイヤーとして今まさに全盛期を迎えつつ、「凄くないですか?シール」を作成するなど、公私共に充実している「凄八」こと飯島八段が勝利するのか。注目です。