お笑いコンビ・ずんのやすが、東海テレビ・フジテレビ系ドラマ『#コールドゲーム』(毎週土曜23:40~)にレギュラー出演している。

これまでドラマ、映画などの出演はあったものの、「これほどセリフが多い役は初めて」というやす。相方・飯尾和樹とのやりとりや、主演の羽田美智子に教わったという演技についてのエピソード、さらに女子力高めの意外なルーティンや今後の俳優業に関する展望などを語った。

  • やす(左)と羽田美智子=東海テレビ提供

――オファーが来た時に、「飯尾さんに来た話じゃないの?」と思われたそうですね。

マネージャーに、「間違いなんじゃないの?」と2回ぐらい確認しました。そしたら「いやいや、やすさんですよ」って。ワンシーンだけならまだ分かるけど、羽田さんの旦那の役で出番も多いし、絶対に飯尾さんだと思うじゃないですか?(笑)

――このドラマについて、飯尾さんと話はされましたか?

「ドラマどう?」って聞かれて、「それがさ、羽田さんが凄くやりやすくしてくださって、楽しい現場だよ」とは言いましたけどね。でも、お笑いのコンビってどこもそうなのかも知れませんが、「で、なに?」じゃないですけど、「オチは?」みたいな感じもありましたね(笑)。普通は、「こういうことがあってさ~」みたいに面白おかしく喋るんでしょうけど、飯尾さんに、「お前の話にはお土産話が一切ない」って突っ込まれました(苦笑)。でも、「迷惑はかけるなよ。いつでも菓子折りを持って行く準備はしておくから」みたいなことは言ってくれました。

――撮影も進んでいますが、隆役はいかがですか?

「家族って楽しいな」と身に染みて感じています。時間って凄いですね、だんだん家族としての馴染み方が体に合ってきて、「今、大輝はなにしてるのかな?」とか、「陽菜ちゃんいないな」とか自然に考えたりしていますから。きっと隆は僕と同じでずっと独身で寂しかったところもあり、過酷な状態ではあるけど、家族ができて今が楽しい気持ちはあると思います。祥子さんやみんなにいじられているのもきっと嬉しいと思います。

――羽田さんに演技のことをいろいろ聞いていらっしゃるという噂を耳にしました。

何事も分からないことは聞いたほうがいいと思っているんですよ。羽田さんの動きを見て勉強して、「これも真似してやってみようかな」とか。例えば、羽田さんは後で編集しやすくするために“間”を作るといったこともちゃんとやられていて。それって結構難しくて、僕は間を作ると怖くなってきてしまうのですが…、さすがずっとドラマで活躍されてる方だなと。あとカメラの位置も羽田さんは見られていて、「こことここから撮るんですか?」って、声に出してくださって。これ、たぶんなんですけど、僕のためにあえて言っていただいている気がするんです。カメラって何回も位置を変えながら撮っているんですけど、誰をどう撮っているか僕には全然分からなくて、今日も「やすさん、頭向けて喋っているから。リアルに後頭部しか映ってないですよ(笑)」って監督に言われちゃって。だから羽田さんが現場でいろいろ見せてくださるのでありがたいです。

――思い出に残っているシーンはありますか?

理科室でジャガイモの手入れをしながらおじさんたちで話しているシーンは楽しくて。「“パパ友”ってこんな感じなのかな」と思いました。「奥さんや息子と娘に全然相手にされていないんだよね」と、パパ同士の愚痴のように前田(脇知弘)さんと福山(山口森広)さんに話すと、それを2人がリアルに受け止めて盛り上がってくれて。ワイワイとした、居心地のいいシーンでしたね。

――ちなみにプライベートでやすさんの居心地のいい場所は?

行きつけの喫茶店があって、ずんを組んだ時から通っているのでもう20年、21年になりますね。マスターが作るソイミルクティーや、夏はアイスコーヒーもとても美味しいので、好きな雑誌を見ながら1時間ぐらい過ごす時間が好きなんです。もしあの場所がなくなったら行くところがないと思うぐらいお世話になっていて、仕事が終わった後や、特にスベった時なんかは必ず立ち寄ります。「今日はウケなかったのかな?」とかマスターはもう分かるみたいで、そういう時はそっと優しい言葉をかけてくれたりするんですよ。

――このドラマは、「生きる」がひとつのテーマになっていますが、やすさんの生きるエネルギーとなっていることは?

エネルギーのチャージではないですが、僕の仕事のルーティンで“ウケたらお寿司、ウケなかったらマッサージ”っていうのがあるんですけど(笑)、この2つで気持ちをリセットして、次の仕事を繋げているというのはあります。あとは岩盤浴ヨガにも行っていまして、そこで汗をかいて気分転換して、パワーをもらっています。最近の休みの過ごし方は、ホットヨガに行って、その後にリフレクソロジーと足ツボマッサージに行って、デパ地下で買い物して、カフェに行ってお茶する、みたいな。その流れでアロマオイルを買って家に帰ってアロマを焚いて気持ちを落ち着かせてみたり。やっていることが女子なんですよね。

――アロマにとても詳しい羽田さんとアロマ談義をすることも?

僕はベルガモットが好きなんですけど、羽田さんから「今度(アロマを)持って行くから買わないでね」とおっしゃっていただいて。羽田さんからおススメのお店のアロマをいただけるみたいです。羽田さんはとてもアロマにこだわっていらして、「どこどこのアロマはいい」とか、アロマの話で盛り上がっていますよ。

――バラエティにも相変わらず良く出演されていて、長きにわたり活躍されているのは凄いと思います。

いや、本当にしがみついているだけですよ。いつも飯尾さんに前を走ってもらって、僕は必死でついて行くという感じです。キャリアも実は飯尾さんのほうが1年先輩で、のんびり屋さんのところもありますが、“熱い気持ちでずんを引っ張っていく”って感じの人なんですよ。

――今回の俳優業で、今後も少し欲が出てきたりされていますか?

僕はとにかく現場が好きで、今回のドラマの現場も好きなんですよね。そういえば、20代後半ぐらいからずっと「やすさんはお笑いじゃなくて、役者さんの方が合ってるんじゃないの?」っていろんな人に言われていましたよ。その時はそんなのおこがましくて、恐れ多いからってオーディションにも行かなかったけど、ドラマを観るのも好きですし、これを機会に、ドラマもぜひともという感じです。

――仕事の目標、将来の自分像など設定されていらっしゃるほうですか?

とにかく、目の前の仕事を必死でやっていたらその次があるのかなって。でも以前、博多・華丸大吉くんの九州の番組のロケに、その後にタカトシくんの北海道の番組にも呼んでいただいたことがあるんです。その時に、「今度はずんの番組に華丸大吉くん、タカトシくんに来てもらえたら楽しいのに」と思いました。ずんの番組をひとつ持って、そこにいろんなゲストの方に来ていただくということができればいいな。それはひとつの夢になっていますし、そのためにももっと頑張らないとね。

――第4話に向けて、視聴者の皆様にメッセージをお願いいたします。

隆がちょっと気になる動きをし始めるんです。ただのいいお父さんだけじゃ済まなそうなので、そこから、「え? まさか?」という風に観ていただけると、またひとつドラマの楽しみ方が増えるのではないかと思います。監督にも「眉間にしわが寄る感じで」「表情を強くしてください」など、ご指導を受けました。自分で言うのもなんですが、どうしても人の良さのようなものが出ちゃうみたいなんですよね(笑)。